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5:大森林観測村VSガムラン町

668:謎エリアにて、VS恐竜

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迅雷ジンライ、ドローンをありったけ、出してぇん
 ぽこんと、おれのかおの直ぐそばあらわれた御神体いおのはらが――
 迅雷ジンライ指図さしずする。

 そういや、吐いたよごれでひどかった、顔周かおまわりが綺麗きれいになってらぁ。
 ふぉん♪
『>>虎型ふ号内部、洗浄および除菌済みです』
 うむ、たすかるぜ。

 ふぉん♪
『>>了解しました。全方位索敵を開始します』
 ヴヴヴヴヴヴヴヴウヴヴッヴヴヴッ――――バッバッババババッ♪
 泥音どろおんという空飛そらといたが、虎型ふ号おれ周囲まわりあらわれ――そらへ散る!

 板ぺらどろおんに気を取られた……石竜子とかげだかとりだか、よくわからんやつらが――
 ドドドドドドドドドドオッ――――ちりぢりにばらけて、はなれていく!

 ぽっきゅぽっきゅぽぽっきゅっ♪
 おれを追ってくるやつは――――クゲゲッゲゲゲッ♪
 目つきがわるくて、図体ずうたい一際ひときわおおきな――
 一匹いっぴきだけになった。

轟雷ゴウライを出せっ!」
 あし長さ・・で、追いつかれちまう!
現在げんザい平均時速へいきんじソく78キロメートル走行中そうこうちゅうです。安全あんぜんのために必要ひつようなポジショニング精度せいど確保出来かくほできません。速度そくどを落とすか、たかく飛ぶ必要ひつようがありま

 速度はやさは落とせん――――クゲゲゲゲッ、ぐぅわぁおぅるるるるぅっ♪
 あのよだれを垂らした大口おおぐちに、かじられる――
うえに飛ぶぞっ!――ニャァ♪」

 ちょっとした岩場いわばを、駆けのぼり――
 ぽっきゅぽききゅぅっ――――スポキュゥゥン!
 おれは天高てんたかく、飛んだ!
 ひゅぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉっ――――!

 画面隅モニタすみ数字すうじによるなら、『最高時速238㎞/推定高度103m/推定飛距離157m』
 普通ふつう人間にんげん生身なまみで飛んだら死ぬくらいの、はやさでたかさでとおさだというのがわかる。
 しかし兎にかく見晴みはらしが良い。

 石竜子鳥とかげどりに追いかけられて、居なけりゃぁ――
 じつ心地ここちよ――――クケケケケケケェェェェェッ♪
 ん? なんか聞こえたか?

▼▼▼ピピピッ♪
 動体検知アクティブトラッカーが鳴った。

轟雷ゴウライを出せっ!――ニャァ♪」
 なんか知らんが、先ず着ろやぁ!

作動半径内さどうはんけイない生物せいぶツ検知けんチ回避かいヒしてくだサい
 えっ、何言なにいってんだぜ?

 クケケケケケケェェェェェッ♪
「(又聞またきこえたぞっ、今度こんどは直ぐうえからっ!)」
 くびまわしてそらを、肩越かたごしに其奴そいつを見た!

 ひろげたつばさに、蜥蜴とかげあたま
 其奴そいつは、石竜子鳥とかげどりよりも目つきのわるい――
 鳥石竜子とりとかげだった!

「(翼竜の一種・・・・・おもわれ、回避かいひしてください)」
 さっきたかところを、飛んでたやつかっ!?

 ふぉん♪
『>シガミーのスキルを利用した鑑定にも、イオノファラーのライブラリを利用した物理検索にも、該当有りません』
 ふぉん♪
『イオノ>新種発見ってわけわね♪』

「(うぷぷふっ、シシガニャンを着てるんだからぁ、恐竜きょうりゅうかじられてもぉいのち別状べつじょうはないわよぉ――ウッケケケケケケケケッケッ)」
 うそをつくなっ!
 あの1シガミー・・・・・を越えるするどつめつらぬかれたら、死ぬだろうがぁぁぁぁっ!

 ひゅうぅぅぅぅっぉおぉぉぉぉぉおぉおぉぉおぉぉっぅっ――――――――♪
 ヴッ――――ぐるるん、ジャッリィィィィンッ!
 錫杖しゃくじょうを振りまわし――虎型とらがたごうの向きを変えた。

「クケケケケケケェェェェェッ♪」
 うるせぇ、鳥石竜子とりとかげめっ!
 おおきなつめねらって――「二のかまえ。」

 七天抜刀しちてんばっとう根術こんじゅつかた尖端せんたんわざ遠方えんぽうへの打突だとつ一点集中いってんしゅうちゅう穿うがちを体現たいげんする。
 しんで当てるのに、向いちゃぁいるが当然とうぜん――
 いま勢いが削がれた間合い・・・・・・・・・・じゃ、とても使つかえんわざだ。

「クケケケケケケェェェェェッ!?」
 ズドゴォ――――バッキャッ!!
 それでもおどかすことが出来できりゃ、上等じょうとうだろ。

 つめはじかれた飛ぶ石竜子鳥とかげどりが、くるくるとまわりながら落ちていく。
 おもったよか、効いたぞ!
 火龍かりゅうゲイルのとは、まるで別物べつもの巨大きょだい羽根はね
 よこ長広ながひろいそれは、鳥石竜子とりとかげからだ何倍なんばいもあるというのに――

 ふぉん♪
『>>この翼竜は、飛ぶことが得意では無いようですね』
 野のけものなんでまた、向いてないことをしとるんだ!?
 鳥石竜子とりとかげわぁ、阿呆《あほう》なのかぁ?

 ぐるるん、ジャッリィィィィンッ!
 錫杖しゃくじょうを振りまわし――虎型とらがたごうの向きを変える。

「くっきゃぉるるるるるぁぁ――――!!!」
 どどっどったっ、どどっどったっ!
 したを見れば、さっきのやつ大口おおぐちを開けて――ガチガチンッ!
 きばを鳴らして、待ちかまえてやがる!
 このまま落ちたら、囓られちまうぜ・・・・・・・

「五のかま――いや迅雷ジンライ――ニャァ♪」
 かた捌合はちごうわざせんによる打突だとつ体捌たいさばきによる攻防一体こうぼういったい体現たいげんする。
 いま一匹いっぴきだから良いが――
 うえから見たとき、このさきには、まだまだ沢山たくさんの、走る・・石竜子鳥とかげどりが居たわけでなぁ。

 (〝木のたまを撃てる〟って言ってただろ、其奴そいつで追いはらえねぇかぁ?)
 ふぉん♪
『>>毎秒4発の全自動射撃LV1を、虎型の背中に設置可能です Y/N』
 そう、そいつだ!
 ふぉん♪
『>>行動範囲が設置場所から、3メートル四方に限定されます』
 虎型ふ号シシガニャンに取り付けられるなら、なんでもかまわん。

 ヴヴヴヴヴッ――――ガチャガチャガシャコン♪
 画面ミニタあらわれた虎型とらがたの絵。
 その背中せなかに取り付く無人工房むじんこうぼうの、機械腕かいなみたいな台座だいざ
 その絵からさっするに――

「(おれはなにもぜずとも、良いんだな?)」
 それでも、錫杖しゃくじょうかまえておくが。

「(はい、〝全自動射撃ぜんじどうしゃげきLV1〟は破壊はかいされるまで、外敵・・攻撃こうげきし続けま)」
 よぅし、――駄目だめ元々もともとだ、やってくれや。

 もう地面じめんは、直ぐそこで――
 ウィィィィインッ、ガッシャン♪
 虎型おれ肩口かたぐちから、突き出る機械腕かいな
 そのさき大口とかげどりに向かって、ひとりでに動いた・・・・・・・・

   §

「へぇー、あたくしさまも〝プロジェクション・ボット〟を出そうかと思ったけど、要らなかったわねねぇん
 おれのかおよこで、たのしげな根菜こんさいさま。

 おれたちを遠巻とおまきにねらう、石竜子鳥とかげどりが――クゲゲゲゲッ♪
 一歩踏いっぽふみ込めば――ウィィィィインッ、ガッシャン♪

 フィィィィイィンッ、シュガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガ――――!!!
 うるせぇ!
 おれの代わりに、虎型とらがた背中せなかに取り付けた機械腕きかいうでが――
 とんでもねぇいきおいで、木丸きだまを撃ちつづけてくれる。

「くぎゃぅぅぅるるるるぅぅぅっ――――!?」
 かおたまを食らい、逃げていく石竜子鳥とかげどり
 ガガッ――ドリュルルゥッ、カララランッ♪
 石竜子鳥とかげどりはなれると、ひとりでに止まる。

「ウカカカカッ――――此奴こいつぁ良いじゃねぇか♪――ニャァ♪」
 轟雷ごうらいを着るまでも、なかったな♪
 お手柄てがらだぜ、迅雷ジンライぃ。
 ふぉん♪
『>いえ、INTタレットとしては、コレが本分ですので』
 ふぅーん、なら此処ここ一息ひといきつくとするかぁ。

「それで、おにぎりは、ちかくに居るのかっ!?――ニャァ♪」
 ふぉん♪
『>索敵範囲に、僚機の反応無し』
 ヴォゥン♪
『(虎²)』
 画面横モニタよこちいさな地図ちず
 虎型ふ号おれあらわしるしから、じわじわと。
 ひろがっていく、明るい色・・・・
 このいろなかには、おにぎりは居ないってことだな。

 そして、とんでもねぇかずの『てき』が、びっしりとあたりに――
 ひしめいてるのが、わかった。

「うへえ、全速力ぜんそくりょくで駆け抜けても――何処どこかで背中せなかから囓られる・・・・ぜ!」
 ニゲルの〝勇者の歩みブレイブステップ〟スキルや、辺境伯名代ルリーロ魔法杖ルードホルドでもなけりゃ――
 到底とうてい、抜け出せねぇぞ。

 ふぉん♪
『>ここが〝封鎖空間〟でないなら、ギルド支部出張所用の女神像台座が使えます』
 そうなの? ならはやく言えやぁ!

「そうわね。それならおにぎりとはなし出来できるかも知れないわねん♪ シガミー、どこか安全あんぜん場所ばしょに、台座だいざを置いちゃってぇくれるぅ
 安全あんぜん場所ばしょだぁとぉ?

 どった、どどった――ぴたり。
「くぎゅるりゃーりゃーっ♪」
 おれを、遠巻とおまききにしていた――
 石竜子鳥とかげどりと、目が合った。

「あるかい、そんなのっ!」
 いま木丸きだまいやがって逃げてくれてるがぁ、いつまでもはつづかんぞ!
 どこか落ち着いていられる……たかい木にでも、取り付くか?
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