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5:大森林観測村VSガムラン町
615:大森林探索行、虎と呼ぶ
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静まりかえる渓谷へ、突進する。
「ザザヴュ――――ぅにゃぴゃぁ!?」
うるせぇ特撃型10号改を――――カチカチ、フッシュシュル――(キュギュパッ♪)
手掌部搬出口から飛び出した、〝高靱性対人用捕縛ネット〟とやらで――
「ザザッ――――むぅりゃるにゃわぱっ!?」
簀巻きにしてやった。
こいつわぁ、巻き付くと同時に――
外側が膨れて、中に居る奴を守ってくれる。
それを手甲に付いた鋏で、ガチリとつかんだ。
(これでリオレイニアの安全は、確保されました)
だから本当だろうな、偽の迅雷さまよぉ?
「ザヴュ――――ひゃひゃぎゃぴゃぁ!?」
やかましいから一旦、リオの声は切っとけっ!
(了解しました。地表まで2秒)
――と言っている迅雷は、現の物じゃねぇから――
自分で目力を込めて、通話音声を切った。
(ズゴゴゴゴゴゴゴゴバッキャ、ズザザザザザザザザザァッ!)
流石は轟雷だぜ。渓谷の谷底を更に割り、着地したが――
中に着てる強化服の、お陰もあって――
まるで衝撃が、なかった。
(ガッキュギュゥン――ゴッチャキャッ♪)
突いた片膝と、抱えた手甲を元に戻す。
よし、腕にひっつけた特撃型は――無事だな。
ヴュパ――『(°□ °)』
小窓に映るリオの口は、開いたままだが――
「――――、――!?」
何か言ってるが、怪我をした様子はないから、一先ず放っとく。
これなら子供らも大方、無事だろぅ――しかしよぉぅ。
おれの〝特撃型10号改〟と、〝特撃型改の10番〟わぁ、ややこしくね?
(着用可能な強化服2号と、特撃型の10号改に、個別の名称を設定しては?)
む? そんな暇はねぇが――向かっているのは、寅の方角だった。
お陰で、たまたま良いのを……思いついちまったぜ。
海向こうの竹林に棲まう、頭のでけぇ猫みてぇな奴。
寺の欄間に彫り込まれた、恐ろしい姿をした奴の名は――
「(たしか〝虎〟だ。この先、着られるシシガニャンを〝虎〟と呼ぶことにするぞ)」
レイダが良く着てる方を〝強化服虎型ひぃ号〟、いまリオが着てる方を〝虎型ふぅ号〟とでもよ。
ありゃ、(了解しました)の、偽の返事がねぇぞ?
ヴォヴォン♪
『解析指南>戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>SUBSYSTEM=="極所作業用汎用強化服シシガニャン二号", ENV{ID_PATH}=="platform-*.fatsusb-usb-▓:▓.▓:▓.▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓", SYMLINK+="虎型ひ号":# #44Ga3:4のラベル表記を変更
>SUBSYSTEM=="極所作業用汎用強化服シシガニャン十号", ENV{ID_PATH}=="platform-*.fatsusb-usb-2:0.0:1.782345668273", SYMLINK+="虎型ふ号":# #44Ga3:12のラベル表記を変更』
はいはい。わからんぞ。
ふぉん♪
『戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>これ以降、着用可能なシシガニャンを〝虎〟と呼称すること』
ふぉん♪
『リオレイニア>ふんっ、何か出ましたが!?』
ジタバタと藻掻くことすら、碌に出来ず――
諦めたように、小窓の中で――『( ̄曲 ̄)』
歯を剥く――隠れモテ女。
彼女は行儀に厳しいが、だらしのないところもあるのだ。
ふぉん♪
『シガミー>うむ。何か出たが、皆目わからん』
こいつぁ轟雷の演算単位が、迅雷の代わりにやってくれてるって、ことしかわからん。
「いくぞ、リオレイニア!」
ドガチャン、ゴガチャン!
走る鎧の音が、聞こえた。
シュゴゴゴゴドゴゴゴォォォォオッ――――!
背中の大筒も使って、加速する。
しばらく進むと、転がる猫の魔物風どもが見えた。
おれは手甲の鋏を、ガチリと外した。
虎型ふ号が落ちると同時、バシュギュルルルッと解ける――
〝高靱性対人用捕縛ネット〟。
ズザザザザザザザッ――――!
背面外部カメラが、後ろの様子を伝えてくる。
ぽきゅっごろろぉん――――ぽぽぉぉぉぉんむ♪
お? 背中でグルリと回り、虎型が立ち上がった。
どだたたたっ――――ぽっきゅぽっきゅぽっきゅぽきゅきゅぽきゅぽきゅゆゆゅ――♪
流石だな。習うまでもなく〝着る金剛力の走り方〟を、覚えやがった。
『▲▲▲』
背後から、急接近する〝虎ふ号〟。
直後おれは、ぽきゅむごごがぁぁんっ――――後ろ兜を力一杯、殴られた。
それは画面が、ビュザザザザッ、ザザァと揺れ――角……複合アンテナの何個かが、潰れるほどで――
ズゴッガガッガガァァァァンッ――――――轟雷の鉄鎧の体が兜から、地面にめり込んだ!
「ザザッ――にゃにゃぁん、みゃにゃにゃぁん?」
ヴュザザザッ――――バチチ、プッシュゥン♪
あー、メインカメラの暗闇の中、情けねぇ音を立てて――
全部の角が、死んじまったぜ!
「何てこと、しやがる!?」
ったくよぉ――ずぽり!
ざっと確かめたら、動体検知と望遠補正に×が付いた。
おれは頭を引っこ抜いて、角へ手をかざす。
曲がっただけのを真っすぐに戻して、中身が壊れた角は――もう放っとく。
ふぉん♪
『リオレイニア>、つい先ほど覚えておいて下さいと申しましたところ、シガミーは『>おう、合切承知!』と返しましたので。それが何か?』
「あれか……合切承知」
リオにシシガニャンを着せたときは――間合いを取るか、背を見せないようにしねぇと駄目だな。
「ザザヴュ――――ぅにゃぴゃぁ!?」
うるせぇ特撃型10号改を――――カチカチ、フッシュシュル――(キュギュパッ♪)
手掌部搬出口から飛び出した、〝高靱性対人用捕縛ネット〟とやらで――
「ザザッ――――むぅりゃるにゃわぱっ!?」
簀巻きにしてやった。
こいつわぁ、巻き付くと同時に――
外側が膨れて、中に居る奴を守ってくれる。
それを手甲に付いた鋏で、ガチリとつかんだ。
(これでリオレイニアの安全は、確保されました)
だから本当だろうな、偽の迅雷さまよぉ?
「ザヴュ――――ひゃひゃぎゃぴゃぁ!?」
やかましいから一旦、リオの声は切っとけっ!
(了解しました。地表まで2秒)
――と言っている迅雷は、現の物じゃねぇから――
自分で目力を込めて、通話音声を切った。
(ズゴゴゴゴゴゴゴゴバッキャ、ズザザザザザザザザザァッ!)
流石は轟雷だぜ。渓谷の谷底を更に割り、着地したが――
中に着てる強化服の、お陰もあって――
まるで衝撃が、なかった。
(ガッキュギュゥン――ゴッチャキャッ♪)
突いた片膝と、抱えた手甲を元に戻す。
よし、腕にひっつけた特撃型は――無事だな。
ヴュパ――『(°□ °)』
小窓に映るリオの口は、開いたままだが――
「――――、――!?」
何か言ってるが、怪我をした様子はないから、一先ず放っとく。
これなら子供らも大方、無事だろぅ――しかしよぉぅ。
おれの〝特撃型10号改〟と、〝特撃型改の10番〟わぁ、ややこしくね?
(着用可能な強化服2号と、特撃型の10号改に、個別の名称を設定しては?)
む? そんな暇はねぇが――向かっているのは、寅の方角だった。
お陰で、たまたま良いのを……思いついちまったぜ。
海向こうの竹林に棲まう、頭のでけぇ猫みてぇな奴。
寺の欄間に彫り込まれた、恐ろしい姿をした奴の名は――
「(たしか〝虎〟だ。この先、着られるシシガニャンを〝虎〟と呼ぶことにするぞ)」
レイダが良く着てる方を〝強化服虎型ひぃ号〟、いまリオが着てる方を〝虎型ふぅ号〟とでもよ。
ありゃ、(了解しました)の、偽の返事がねぇぞ?
ヴォヴォン♪
『解析指南>戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>SUBSYSTEM=="極所作業用汎用強化服シシガニャン二号", ENV{ID_PATH}=="platform-*.fatsusb-usb-▓:▓.▓:▓.▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓", SYMLINK+="虎型ひ号":# #44Ga3:4のラベル表記を変更
>SUBSYSTEM=="極所作業用汎用強化服シシガニャン十号", ENV{ID_PATH}=="platform-*.fatsusb-usb-2:0.0:1.782345668273", SYMLINK+="虎型ふ号":# #44Ga3:12のラベル表記を変更』
はいはい。わからんぞ。
ふぉん♪
『戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>これ以降、着用可能なシシガニャンを〝虎〟と呼称すること』
ふぉん♪
『リオレイニア>ふんっ、何か出ましたが!?』
ジタバタと藻掻くことすら、碌に出来ず――
諦めたように、小窓の中で――『( ̄曲 ̄)』
歯を剥く――隠れモテ女。
彼女は行儀に厳しいが、だらしのないところもあるのだ。
ふぉん♪
『シガミー>うむ。何か出たが、皆目わからん』
こいつぁ轟雷の演算単位が、迅雷の代わりにやってくれてるって、ことしかわからん。
「いくぞ、リオレイニア!」
ドガチャン、ゴガチャン!
走る鎧の音が、聞こえた。
シュゴゴゴゴドゴゴゴォォォォオッ――――!
背中の大筒も使って、加速する。
しばらく進むと、転がる猫の魔物風どもが見えた。
おれは手甲の鋏を、ガチリと外した。
虎型ふ号が落ちると同時、バシュギュルルルッと解ける――
〝高靱性対人用捕縛ネット〟。
ズザザザザザザザッ――――!
背面外部カメラが、後ろの様子を伝えてくる。
ぽきゅっごろろぉん――――ぽぽぉぉぉぉんむ♪
お? 背中でグルリと回り、虎型が立ち上がった。
どだたたたっ――――ぽっきゅぽっきゅぽっきゅぽきゅきゅぽきゅぽきゅゆゆゅ――♪
流石だな。習うまでもなく〝着る金剛力の走り方〟を、覚えやがった。
『▲▲▲』
背後から、急接近する〝虎ふ号〟。
直後おれは、ぽきゅむごごがぁぁんっ――――後ろ兜を力一杯、殴られた。
それは画面が、ビュザザザザッ、ザザァと揺れ――角……複合アンテナの何個かが、潰れるほどで――
ズゴッガガッガガァァァァンッ――――――轟雷の鉄鎧の体が兜から、地面にめり込んだ!
「ザザッ――にゃにゃぁん、みゃにゃにゃぁん?」
ヴュザザザッ――――バチチ、プッシュゥン♪
あー、メインカメラの暗闇の中、情けねぇ音を立てて――
全部の角が、死んじまったぜ!
「何てこと、しやがる!?」
ったくよぉ――ずぽり!
ざっと確かめたら、動体検知と望遠補正に×が付いた。
おれは頭を引っこ抜いて、角へ手をかざす。
曲がっただけのを真っすぐに戻して、中身が壊れた角は――もう放っとく。
ふぉん♪
『リオレイニア>、つい先ほど覚えておいて下さいと申しましたところ、シガミーは『>おう、合切承知!』と返しましたので。それが何か?』
「あれか……合切承知」
リオにシシガニャンを着せたときは――間合いを取るか、背を見せないようにしねぇと駄目だな。
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