滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

610:大森林探索行、ファロコVSシガミー

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 すとん。
 土埃一つちぼこりひとつ立たない、着地ちゃくち
 こんな真似まね出来できるのは、透波すっぱ連中れんちゅう魔物まものくらいのものだぜ。
 此方こちらを見つめかがみ込んだとおもったら、きゅう背筋せすじを伸ばす――けものうごき。

「ぎにゅり? がぎにゅりる?」
 なにか言ってやが――――ぅわ!
 目が『(Θ_プロジェクションΘ・BOT)』か『(ΘεΘたこのすけ)』みてぇに、なってやがるぜ!

――――ぎにゅぎにゅ――――言われてもぉ――――お前さんの言葉は――――――おれにはわからんぜ!」
 ヴッ――(っじゃっりぃぃぃん♪)
 (くるくるん、ぱしん♪)
 お? 『Θまなこ』が、なわ錫杖ぼう鉄輪さきを――追いかけやがった。
 すげぇ見た目程みためほどには、魔物まものじゃねぇのかも。

 おどかさねぇように――――
 かといって、目をはなさねぇように――――

 そーっと、シシガニャンたちのれつから、すすみ出る。
 まなこうごかさず、まばたきもせず――じりじりと。
 このまま、おれに付いてきてくれりゃ、特撃型改みんなから引きはなせる。

 が――半眼はんがんで耐えるにも、限界かぎりがあらぁ。
 耐えきれず――ぱちり。
 まばたきのあと――――ごぉっ!!
 目のまえはなをヒクヒクとさせる、片角の二股角娘ファロコとやら
 一気いっきに詰め寄られた!

 錫杖しゃくじょうを突き出すひまは、なかった!
 ちっ、兎にかくはえぇ!
 この際一戦交さいいっせんまじえても止むなしだが、微動びどうだに出来できん。
 からだうごかさず、錫杖しゃくじょうおもさで手のなかをすべらせ――地に落とす。
 おとも無く、跳ね上がる鉄輪てつわ

 おれの目から、『ΘΘしせん』が、かすかに逸れた。
 この刹那せつなで、おもい出せ。

 〝たずびと絵草紙チラシ〟に書かれていたのは、たしか――
 それほどは似てなかった・・・・・・人相書き・・・・と――

『ファロコ捜索の、お願い
 年齢は20歳前後。古代語とうろ覚えの共用語が話せます。
 片角からほとばしる光には、触れないようにして下さい。
 基本的におとなしいですが空腹時、まれに噛みつくことがあります。』
 そんなかんじの、文言もんごんだった。

 としはリオレイニアと、おなじくらい。
 オルコトリアのような、とてもととのったかおつきをしている。
 着ているふくこしに提げた――やたらとふと短刀たんとう
 そんな身なりから、いつもはこんな魔物けだものじみてはいねぇだろうと――
 当りを付ける。

 空腹時にはらがへって噛みつくってんなら――あつかいは、五百乃大角いおのはら準拠とおなじでかまわん。
 なんか食いもんでも。
 ヴッ――おにぎりの収納魔法具しゅうのうまほうぐばこから、出しておいて良かったぜ。
 錫杖しゃくじょうさき鉄輪てつわかさなりで形作かたちづくった――(じゃりんっ――ガシャ!)
 ひらたい場所ばしょうえに――(ぱこん)と、〝名物めいぶつガムラン饅頭まんじゅう〟を取り出した。

 フンフンとはなを鳴らし手を伸ばしてきた、四つあしけものが――
 おれから紙箱まんじゅうを、ぶんどった。

 そして紙箱それに、がぶり!
 あー、そのままじゃ食えんだろが。

 そいつを開けてやろうと、手を出したのがいけなかった。

 ヴァチヴァチヴァチリッ――――シュカッ!
 こしから抜かれた短刀たんとうは、小剣しょうけんのようなながさをしていて――
 詰まるところ――間合いを・・・・見誤みあやまった!

 おれの手先てさき鉄甲てっこうが、クルクルと舞う!

「(ぐぎゃわがぁぁ――――!?)」
 いてぇが――――ここで下手へたを打つと、今回の目的クエストどころか――
 ガムランちょう大森林このちあいだの――戦争いくさになりかねん!

 おれは錫杖しゃくじょうを、地に突き立て――
 飛んでいく手先てさきに、あしを伸ばした。

 すぐに蘇生薬エリクサーを、使つかっても良いが――
 そうすると切れた手先・・・・・を、〝残す・・〟ことになる。
 それじゃぁかどが立ち、おさまるものもおさまっ――(とん)!

 蹴り上げると手首てくびや、切れた手先てさきから――――
 鮮血せんけつが飛び散る!

 (うぐわぁぎゃぎゅぎぃぃぃぃぃっ!)
 いでぇ!
 錫杖しゃくじょう片手かたてで打ち下ろし、自分じぶんからだを突き上げ――
 うえに飛び、切れた手先てさきをつかむ。
 すこしくらい、斬られたからと言って――
 それくらいの芸当げいとうは、造作ぞうさもねぇはずなのに。

 ありゃ!?
 からだうごかねぇ!?

 くらくなる視界しかい
 ヴァリヴァリパリリッ――――雷光らいこうは。
 片角かたつのだけじゃなく、振り抜かれた小剣から・・・・・・・・・・ほとばしっていた。
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