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5:大森林観測村VSガムラン町

601:悪逆令嬢ロットリンデ、商会長にしかられる

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「こぉら、ロットリンデちゃん! 10ねんぶりのビッグウェーブ……もとい、おきゃくさまになんてことをしてるのかしらぁ?」
 やや恰幅かっぷくが良いが、女将おかみさんみたいなからだつき。

「っぎゃっ――宮廷魔導師きゅうていまどうし!?」
 かかとたかくつを脱ぎ捨て一目散いちもくさんに、逃げ出す悪逆令嬢ミスロットリンデ

「ロットリンデー! どうせあとで商会長しょうかいちょうから〝魔導固まどうがためめ〟を食らうことになるんだから、いまつかまっておいたほうとくだよー」
 れい偽の道の箱・・・・・を持つ、銃吼氏じゅうくしが――チャリン♪

 金貨パケタ一枚いちまいはこに空いた細穴ほそあなに落とした。

「それ、自販機じはんきみたいだね♪」
 ニゲルが目を、かがやかせた。
 日本刀かたな根菜いおのはら詠唱魔法具ブロマイドを見たときの、悪逆令嬢ミスロット・リンデのようだ。

 パタパタパタパタタタッ――――♪
 ひらかれいたぺらになった追いつかれた・・・・・・ご令嬢ミスロットが――「ぎゃふぅん!」
 断末魔だんまつまを上げ、姿すがたを消した。

「まさか……ひと格納出来かくのうできる、収納魔法具しゅうのうまほうぐ――!?
 わなわなと口元くちもとふるわせる、星神茅野姫ほしがみかやのひめ
 その手に――ヴッ♪
 計算魔法具けいさんまほうぐが、取り出された。

 迅雷ジンライ収納魔法しゅうのうまほうとはべつの、自前じまえ収納魔法しゅうのうまほうを持つ彼女かのじょは――
 気立きだては良いが、守銭奴しゅせんどなのが……たまきずだった。

 片手かたてかかえたお猫さまケットーシィに、手渡てわたされる計算魔法具しゅせんどごようたつ
 パチパチポチペチリと――火を噴く得物えもの
 そういや、あのケットーシィおねこさまも、強突張ごうつくばりだったぜ。

 パタパタパタパタパタタム、カシャガチャン♪
 一直線いっちょくせんに伸びていた魔法具箱いたっぺらが、閉じられた。
 ――とおもったら即座そくざ一辺いっぺんだけ、ふたひらく――カヒュゥーイ♪

「にゃわっ!?」
 展開てんかいされた悪逆令嬢ロットリンデが、銃吼氏じゅうくしの……目のまえにストンと、落ちてきた。

 ふぉん♪
『シガミー>そうだぜ茅野姫。迅雷と根菜が、壊れちまったみてえなんだが?』
 ふぉん♪
『ホシガミー>壊れると言うことはあり得ません。神力切れでは?』

 神力棒モバイルバッテリーを、こしのベルトに刺し――チッ♪
 迅雷ジンライに繋いでみる――ブツン♪
 ふぉん♪
『シガミー>繋いだが、うんともすんとも言いやがらねえ』
 たしかに本当ほんとうこわれたっていうなら――このあた一帯いったい、吹っ飛んでねぇとおかしい。

 ふぉん♪
『ホシガミー>電池切れでないのでしたら、女神像OSを更新すれば宜しいかと』
 女神像めがみぞう背中せなかはこで、なおるんだな?
 ふぉん♪
『シガミー>あの箱型の収納魔法具箱に入ったのが、悪かったのかもしれんな』
 五百乃大角いおのはらふところから取り出してみたが――そもそも此奴こいつに、神力棒ぼうを刺すあなは空いてねぇ。

「ロットリンデちゃぁん――つーかーまーえーたぁー♡」
 女将おかみさんのような、絢爛豪華ボバボーン体格たいかく女性じょせい
 商会長しょうかいちょうと呼ばれたおんなは……間違まちがいなく女将おかみさんの縁者えんじゃだ。

「ひゃぎゃっ――!?」
 こしにがっちりと、しがみ付かれ――
 必死ひっし藻掻もがく、、御簾路頭厘手ミスロットリンデ
 あの大申紛おおざるまがいの怪力かいりきでも、振りほどけねぇのか。
 たぶん女将おかみさんの、姉妹しまいなんだろうが――世もすえだぜ。

 組み付いたまま背後うしろまわり込み――――ブゥオッ!
 持ち上げられるご令嬢ミスロット――「にゃわやー!?」
 こしをを反らし――――ドゴォォォォッゥン!
 ご令嬢ミスロットからだが、地面じめん突き刺さった・・・・・・

 あーあー、大股おおまたひらいてなんてぇ格好かっこうだぜ。
 あれよりかは、まだウチのかみさんのほうが、慎みがあらぁな・・・・・・・

「「「「「あっ、イオノファラーさまだ♪」」」」」
 生徒せいと教師きょうし何人なんにんかが、シシガニャンから飛び降りた。

 白目しろめを剥いた根菜こんさいを、かかげて見せたら――
 イオノフ教信徒きょうしんとどもがひざを突き、組んだ手をはなに押し当てた。
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