588 / 738
5:大森林観測村VSガムラン町
588:大森林観測所への道、メイドさんの姿勢!?
しおりを挟む
「(フフッ、さすがは宮廷魔導師、バレちゃぁ仕方が有りませ――あら? 居ない!?)」
ぼぼぼごぉぅわっ――――――――ばがぁん!
「(んわっ! そうよ私が、かの悪名高い――あら? やっぱり居ませんわ!?」
ぼぼぼごぉわぁっ――――――ぼぼがぁん!!
「この〝悪逆令嬢ロットリンデ〟に、恐れをなした様ですわねっ!」
ぼぼっごごごごわわわわぁぁぁぁ――――どごっばがぁぁん!!!
「うへぇ――――立ち上る煙が、どんどん近づいてきやがるぜ」
「なぁーんか、叫び声も聞こえるわねぇん?」
「あマり会いタくはありませんが当初の予定通りニ、元ノ道かフカフ村まデ案内していただきまシょう」
そーだな。喧しさが、本当にリカルルみたいで――
念のため――ヴッ♪
ぱしん、小太刀を取り出し――
腰の革ベルトに、ぎゅっと刺した。
小太刀もそろそろ、ちゃんとした〝拵え〟を作ってやらんといかんか。
今ならスキル〝地球大百科辞典〟と、スキル〝解析指南〟が有る。
豪奢な物じゃ無けりゃ、すぐにでも――解析指南。
「(日の本の刀の拵えを、作りてぇんだが)」
ふぉん♪
『解析指南>作成元の小太刀を格納後、造形エディタ内のペイントツールで、
<日本刀【地球大百科事典】>を塗布してください』
手順も何もない――すぽん♪
ヴュワワワワッ♪
絵で板が勝手に立ち上がり――白鞘の小太刀の上。
ふぉふぉぉん♪
重ねられる拵えが付いた小太刀の画像。
大きさや太さや曲がり具合が――
まるで生き物のように蠢いて、やがて止まる。
ふぉん♪
『イオノ>何やってんのよ?』
ふぉん♪
『>新たな日本刀を、作成するのですか?』
絵で板の中にチカチカと、一行表示が流れて来やがった。
ふぉん♪
『シガミー>おう。邪魔だ、絵で板が見えんだろが』
ヴユュゥゥウン♪
邪魔にならない一番下側に引っ込む、一行表示。
ヴュパパパッ――♪
画面の中に現れる、〝仮説〟や〝法〟を表す板ぺら。
その間を、ぐんにゃりした紐が伸びて、ひとりでに結ばれていく。
その不思議と絡まない紐が、最後の板ぺらへ繋がる。
その小窓には回転する刀の姿が、映し出された。
のちの世で日本刀と呼ばれた普通の刀が、瞬きを3回する間で、出来上がった。
こりゃ、やばくね?
丸板から鍔が出来上がる様子や、鞘に漆が塗り重ねられる様子。
目抜きが打ち込まれ――しゅるるうるりゅぎゅちっ!
柄糸が巻かれる所じゃ――「「「おおぉー!?」――わょ!?」――ゥう!?」
と固唾をのんで見入った。
ふぉふぉん♪
『解析指南>一般的な小太刀を作成しますか Y/N?』
おう、やってくれ。
空中に光の升目がみえ、それは光を失っていく。
顔を向けた先に、升目は動く。
迅雷任せじゃねぇと、絵で板で作った物は――こんな風に出てきやがる。
光が消えると――――ガチャン♪
日本刀が、おれの手の上に落ちてきた。
「へぇーっ! 立派じゃんかぁ♪」
「はイ。独自ノ美しサを感ジます」
「よせやい。銘もねぇ、本当に安物の刀だぜ?」
けど、いくさ場で雑兵から奪った刀の握り。
それ越しに、冷えた切っ先を敵の体へ差し込む感覚。
そんなもんが思い出されて……どこか安心する。
「さっさと出てきなさい! 今なら高級菓子のひとつくらい、お付けして差し上げますわよっ!」
ひゅぅぅうぅ-ぼぼぼごごごぅわぁぁぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!!!
すぐそこの茂みから、爆煙が立ち上った。
こっちの居場所は、もうバレてる。
おれは出来たばかりの、新しい日本刀を――
ぎゅっと、腰に差した。
「よし、出迎えるぞ」
給仕服に日本刀。ちぐはぐではあるが――
それでも、気が引き締まった。
ふぉん♪
『>相手は令嬢という話ですので、日本で言うところの一国の姫と同義です。リカルル嬢やラプトル姫と同じように扱うべきでは?』
おっかねぇけど、まずは礼儀正しく、それこそリオレイニアみたいに――
腰をわずかに落とし、片足を引く。
前掛けを一寸つまんで、頭を垂れる。
「あら、生意気ね。いまのちゃんと出来てたわよ?」
坊主といやぁ、何はなくとも礼に始まる。
和会通釈の心って訳だが――
「そうだろう、ウカカッカカッ♪」
おれさまが本気を出しゃぁ、これくれぇのことわぁ出来らぁ!
「要するにだ、相手を慮ることに関しちゃ――良くも悪くも日の本の僧侶に、任せろて話だぜ!」
ヴッ――――ゴドンドカカカッ♪
カチャン♪
机に椅子、茶瓶に茶菓子。
そんなのを出して、おれは――どかりと椅子に座る。
たまたま道幅が広い、この場所。
狼煙を放つ、ご令嬢は正面から近づいてくる。
ここで迎え撃つぞ――ずざっ。
おれは前に歩み出る。
腰を落とし、日本刀の座りを、ぎゅっと直す。
ふぉん♪
『イオノ>だから蟹股に、戻すんじゃないわよ』
がざがざがざざざっ――――――――!?
よし来るぞ!
おれは姿勢を正し、前掛けに手を添えた。
ぼぼぼごぉぅわっ――――――――ばがぁん!
「(んわっ! そうよ私が、かの悪名高い――あら? やっぱり居ませんわ!?」
ぼぼぼごぉわぁっ――――――ぼぼがぁん!!
「この〝悪逆令嬢ロットリンデ〟に、恐れをなした様ですわねっ!」
ぼぼっごごごごわわわわぁぁぁぁ――――どごっばがぁぁん!!!
「うへぇ――――立ち上る煙が、どんどん近づいてきやがるぜ」
「なぁーんか、叫び声も聞こえるわねぇん?」
「あマり会いタくはありませんが当初の予定通りニ、元ノ道かフカフ村まデ案内していただきまシょう」
そーだな。喧しさが、本当にリカルルみたいで――
念のため――ヴッ♪
ぱしん、小太刀を取り出し――
腰の革ベルトに、ぎゅっと刺した。
小太刀もそろそろ、ちゃんとした〝拵え〟を作ってやらんといかんか。
今ならスキル〝地球大百科辞典〟と、スキル〝解析指南〟が有る。
豪奢な物じゃ無けりゃ、すぐにでも――解析指南。
「(日の本の刀の拵えを、作りてぇんだが)」
ふぉん♪
『解析指南>作成元の小太刀を格納後、造形エディタ内のペイントツールで、
<日本刀【地球大百科事典】>を塗布してください』
手順も何もない――すぽん♪
ヴュワワワワッ♪
絵で板が勝手に立ち上がり――白鞘の小太刀の上。
ふぉふぉぉん♪
重ねられる拵えが付いた小太刀の画像。
大きさや太さや曲がり具合が――
まるで生き物のように蠢いて、やがて止まる。
ふぉん♪
『イオノ>何やってんのよ?』
ふぉん♪
『>新たな日本刀を、作成するのですか?』
絵で板の中にチカチカと、一行表示が流れて来やがった。
ふぉん♪
『シガミー>おう。邪魔だ、絵で板が見えんだろが』
ヴユュゥゥウン♪
邪魔にならない一番下側に引っ込む、一行表示。
ヴュパパパッ――♪
画面の中に現れる、〝仮説〟や〝法〟を表す板ぺら。
その間を、ぐんにゃりした紐が伸びて、ひとりでに結ばれていく。
その不思議と絡まない紐が、最後の板ぺらへ繋がる。
その小窓には回転する刀の姿が、映し出された。
のちの世で日本刀と呼ばれた普通の刀が、瞬きを3回する間で、出来上がった。
こりゃ、やばくね?
丸板から鍔が出来上がる様子や、鞘に漆が塗り重ねられる様子。
目抜きが打ち込まれ――しゅるるうるりゅぎゅちっ!
柄糸が巻かれる所じゃ――「「「おおぉー!?」――わょ!?」――ゥう!?」
と固唾をのんで見入った。
ふぉふぉん♪
『解析指南>一般的な小太刀を作成しますか Y/N?』
おう、やってくれ。
空中に光の升目がみえ、それは光を失っていく。
顔を向けた先に、升目は動く。
迅雷任せじゃねぇと、絵で板で作った物は――こんな風に出てきやがる。
光が消えると――――ガチャン♪
日本刀が、おれの手の上に落ちてきた。
「へぇーっ! 立派じゃんかぁ♪」
「はイ。独自ノ美しサを感ジます」
「よせやい。銘もねぇ、本当に安物の刀だぜ?」
けど、いくさ場で雑兵から奪った刀の握り。
それ越しに、冷えた切っ先を敵の体へ差し込む感覚。
そんなもんが思い出されて……どこか安心する。
「さっさと出てきなさい! 今なら高級菓子のひとつくらい、お付けして差し上げますわよっ!」
ひゅぅぅうぅ-ぼぼぼごごごぅわぁぁぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!!!
すぐそこの茂みから、爆煙が立ち上った。
こっちの居場所は、もうバレてる。
おれは出来たばかりの、新しい日本刀を――
ぎゅっと、腰に差した。
「よし、出迎えるぞ」
給仕服に日本刀。ちぐはぐではあるが――
それでも、気が引き締まった。
ふぉん♪
『>相手は令嬢という話ですので、日本で言うところの一国の姫と同義です。リカルル嬢やラプトル姫と同じように扱うべきでは?』
おっかねぇけど、まずは礼儀正しく、それこそリオレイニアみたいに――
腰をわずかに落とし、片足を引く。
前掛けを一寸つまんで、頭を垂れる。
「あら、生意気ね。いまのちゃんと出来てたわよ?」
坊主といやぁ、何はなくとも礼に始まる。
和会通釈の心って訳だが――
「そうだろう、ウカカッカカッ♪」
おれさまが本気を出しゃぁ、これくれぇのことわぁ出来らぁ!
「要するにだ、相手を慮ることに関しちゃ――良くも悪くも日の本の僧侶に、任せろて話だぜ!」
ヴッ――――ゴドンドカカカッ♪
カチャン♪
机に椅子、茶瓶に茶菓子。
そんなのを出して、おれは――どかりと椅子に座る。
たまたま道幅が広い、この場所。
狼煙を放つ、ご令嬢は正面から近づいてくる。
ここで迎え撃つぞ――ずざっ。
おれは前に歩み出る。
腰を落とし、日本刀の座りを、ぎゅっと直す。
ふぉん♪
『イオノ>だから蟹股に、戻すんじゃないわよ』
がざがざがざざざっ――――――――!?
よし来るぞ!
おれは姿勢を正し、前掛けに手を添えた。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
お坊ちゃまはシャウトしたい ~歌声に魔力を乗せて無双する~
なつのさんち
ファンタジー
「俺のぉぉぉ~~~ 前にぃぃぃ~~~ ひれ伏せぇぇぇ~~~↑↑↑」
その男、絶叫すると最強。
★★★★★★★★★
カラオケが唯一の楽しみである十九歳浪人生だった俺。無理を重ねた受験勉強の過労が祟って死んでしまった。試験前最後のカラオケが最期のカラオケになってしまったのだ。
前世の記憶を持ったまま生まれ変わったはいいけど、ここはまさかの女性優位社会!? しかも侍女は俺を男の娘にしようとしてくるし! 僕は男だ~~~↑↑↑
★★★★★★★★★
主人公アルティスラは現代日本においては至って普通の男の子ですが、この世界は男女逆転世界なのでかなり過保護に守られています。
本人は拒否していますが、お付きの侍女がアルティスラを立派な男の娘にしようと日々努力しています。
羽の生えた猫や空を飛ぶデカい猫や猫の獣人などが出て来ます。
中世ヨーロッパよりも文明度の低い、科学的な文明がほとんど発展していない世界をイメージしています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる