滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

556:央都猪蟹屋跡地、唯物ライフル起動!

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 戸口とぐちから「本当ほんとうにもう、あぶなくないのぉ?――ニャァ♪」
 となりのタター測定所そくていじょから、迅雷式隠じんらいしきかくみのからだに巻いた――
 とてもいさましい姿すがたの、シシガニャン2ごうあらわれた。
 でかいあたまには、しろ鉢金かぶとまでかぶってやがる。
 かえってあぶねぇだろソレ。

大丈夫だいじょうぶだ。おれが付いてらぁ!――ニャァ
 シガミーやく強化服10号改ジンライが、強化服2号タターに寄り添う。

「(本当ほんとうに、もうつかんでも平気へいきなんだな?)」
 ふぉん♪
『>エディタによる最終的な造形は終了しています。問題はありません』
 信用しんようするからな。

「じゃぁ、つかむよ?――ニャァ♪」
 グググッ――――ガチャッ!
おもぃ――くなくなった!」
 強化服2号タター出来でき火縄銃じゅう、いや魔法長銃まほうちょうじゅうを振りまわす。

 すると銃口じゅうこうから――スラァァッ!
 棒状ぼうじょうのアダマンタイトが、飛び出した。

「おぉーい、顧問技師こもんぎしさまよぉ! こいつぁ、おれたちがさわっても平気へいきなのかぁ?」
 まどそとに居る顧問氏こもんしたずねる工房長ノヴァド
心配無しんぱいないニャァ♪ 龍脈りゅうみゃく活力密度マナみつど関係かんけい長銃ちょうじゅうが、手に張り付くかもしれないけど!」
 それはタター測定所そくていじょで、おれがためしたやつだな。
 ゴツンと張り付かれても、怪我けがをするほどじゃなかった。

「じゃぁ、おれがぁ、引っこ抜いてやらぁ! 良ぉーく見とけよ子供がきどもぉ、ぐぅわははははっははははぁ――ニャァ
 シガミーやくがシシガニャンのからだを駆り、いきおい良く戸口とぐちから飛び出した!

 ゴコッ――ォォン!
 引き出されたのは、ほそ長銃じゅうあなだ。
 ふぉん♪
『>インナーバレルを計測。形状の正確性は89%に留まりました』
 なんだと、9わりを切ってるのか?
 そりゃまずくね?

 ふぉん♪
『イオノ>何言ってんのさ! 溶鉱炉も精密工作機械もなしに、上出来よ上出来ぃ♪』
「良い出来できわよ
 のたま丸茸まるきのこ

「はぁい、とても綺麗きれいですららららららぁぁぁぁん♪」
 王女おうじょも目をうばわれている。

 たしかに見た目は蒼色あおと、あかがねのような光沢こうたく白金はっきんが混ざってたりして、わるくねぇ。
 握りにぎと引きがね、そのうしろの堅木かたぎこしらえ。
 そんなものも、まるで仏像ぶつぞうのようなたたずまいをかんじさせなくもねぇし。

「ひゃぁっ――ニャァ♪」
 やたらとなげ銃身じゅうしんささえきれず強化服2号タターが、ぽきゅむんと尻餅しりもちをついた。

 ゆかにゴコンと当てたら銃身じゅうしんなかを、カラン、コココン、ガチャラララッ♪
 小気味こきみよく落ちるこまかいおと

 ぱたん(りゃく)♪
『「刻み込んだ文様の破片が、バレル内部に残ってるニャン♪」って言ってるんだもニャー♪』
 烏天狗ぼく作成さくせいしたのはじゅうこしらえと、じゅうあなだ。
 真っ直ぐな・・・・・みぞれつには、文様もんようをびっしりときざんだ。
 ええとたしか、口語化はなしことばにされた神奉しんぽう祝詞のりとごとだったか?
 ふぉん♪
『>はい。多種多様な弾体制動を実現するため、世の理へ働きかける術式と思われます』

「えいえいっ――なかでカラコロおとがするよ?――ニャァ♪」
 タターが長銃じゅうを振ると、カラン、コココン、ガチャラララッ♪
 きざんだ文様もんようじゅうなかに、のこっているのだ。
 銃口あなみぞに彫り込んだ文様それを、『作成さくせい』するときに、切り離し・・・・た。
 そうしないと、床に落ちた丸棒あなのかたちを――引っこ抜けなかったからな。

「その切りくずわぁ、どうすりゃ良いんだぁぜ、げへへっへっ
 なんか、迅雷ジンライが演じるシガミーは、がさつと言うよりは――
 小悪党こあくとうじゃね、げへへへへっ?

早速さっそく使つかってみれば良いニャー♪」
 戸口とぐちまで引っ込む、顧問氏こもんし
 それにならい、全員ぜんいんが逃げ出すなか

「そうですね。タター、それを使つかってみてください――ヴヴヴッ?」
 クイと眼鏡めがねかるく持ち上げる、蜂の魔物ルガレイニア
 
 彼女かのじょはコントゥル家元侍女長もとじじょちょうであり、少女しょうじょメイド・タターが師事しじした、メイドのなかのメイドである。
 メイドのなかのメイドは、同僚どうりょう見捨みすてることは無い。

「アダマンダイトのなかきざんだ文様もんよう間違まちがいが無ければ、魔法具まほうぐとして使つかえる状態じょうたいになるはずですらららぁぁん♪」
 と戸口とぐちからくびを出す王女おうじょを、背後はいごから羽交はがい締めにするのは――
 ボバボーンなからだつき、元宮もときゅうてい廷料理人りょうりにん女将さんコッヘルふじんである。

 成りゆきでここしばら王女おうじょ側仕そばづかえをつとめていた、したしい少女しょうじょメイドを気遣きづか王女おうじょ
 まんいちのことがあっては大変たいへんと、王族おうぞく多少たしょうえんがある素振そぶりの女将おかみさん。
 二人ふたりちから拮抗きっこうすること無く、一方的いっぽうてきとおくへ引きずられていく。

「ふぅ。魔法具まほうぐおな使つかかたで良いんだよね……ひかりのたま?――ニャァ♪」
 少女しょうじょタターは、強化服2号シシガニャン着込きこんでいる。
 その寸胴ずんどう手先てさきに、ひかりともると――
 ねじれていた銃身じゅうしんが――ヴォヴォヴォヴォヴォォゥン♪
 ものすごうなりとともに、もともどった。

 チキピピピピ――「ジャイロマスターならびに、マテリアリズムサロゲートモデラーが正常せいじょうにインストールされました」
 「ぎゃっ、おんなひと!?――ニャァ♪」と強化服2号タターが、銃身じゅうしんを振りまわす!
 その声・・・には、聞きおぼえがある。
 神々かみがみ道具どうぐから時折聞ときおりきこえる、五百乃大角いおのはらとはべつおんなこえだ。

 カチカチャカチャギャチャガッチャララッ――――フッシュルルルッ♪
 じゅうさきからちいさなけずりかすのようものが、吐き出された。

「――「無事完成ぶじかんせいにゃぁ♪」――」
 お猫さまロォグ顧問技師ミャッドが手に手を取り合い、クルクルとまわりだした。
 どうやら、出来できたらしいが――銃身じゅうしん戻り具合・・・・が足りてない。

「んぅ? 付け根にねじれが、のこってやがるぞ?」
 長大ちょうだい銃身じゅうしんの持ち手側てがわに、半回転はんかいてんねじれが出来できていた。

「ぼくが、ぶつかった・・・・・せいだっ!」
 こりゃ、大失敗だいしっぱいだ。

「どれどれぇ――わぁ、ちゃんとぉ、ねじれてるわよねぇん
 ヴォヴォヴォオゥォォン♪
 『(Θ_<カシャッ♪)』と、銃口じゅうこうのぞき込む丸茸いおのはら

刻印こくいンさレた文様もんよウハ、正確せイかく螺旋らセんえガいてイま
 強化服きょうかふく10号改ごうかいから、迅雷ジンライこえ
 あれはシガミーの首後ろ・・・に刺さった、独鈷杵ジンライはなしをしてる体裁ていさいだ。
 ややこしいが、来世ここにはもう天狗てんぐ烏天狗からすてんぐえにし生起せいきしてる。
 無下むげにも無駄むだにも出来できん。

「んじゃぁ、問題もんだいなさそうだぜ? げぇっへぇっへへへっ
 だからおれぁ、そこまで小悪党こあくとうじゃねぇだろうが。

「――問題もんだいない。むしろ面白おもしろ造形ぞうけい――前足まえあし――ふたつのつき――我輩わがはい尻尾しっぽ――ニャァ♪――」
 長銃ちょうじゅうを撫でまわす、ロォグ。
 またなにを言っているのか、わからなくなったが――

 人類最強じんるいさいきょうクラスの武器ぶき完成かんせいしたらしいことだけは、その様子ようすからわかった。

ーーー
ジャイロマスター/姿勢制御系ライブラリ。F.A.T.S.のサブシステムとして、汎用的に呼び出される。「やられたら、やり返すもの♪」という、おにぎりの性格のコアと呼べなくも無い。
マテリアリズムサロゲートモデラー/自由意志の発露を物体に求める、物理コンピューティングのための演算機能。量子記述可能なエディタの一種。
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