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3:ダンジョンクローラーになろう

376:龍脈の回廊、見えない聖剣VS大道芸

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「ッチェェエェェェエッィィイィッ――――――――!」
 巨大きょだい鉄鎧てつよろい周囲しゅうい走り抜け・・・・単身たんしん包囲ほういする。
 かたや異常いじょう速度AGI

使つかかたがコレで、あってるのか知らんがぁ――――使つかえるもんはぁ、全部ぜんぶつかぁうぞぉ――――ニャァ!!!
 巨大きょだい体躯たいくつつ蛇腹じゃばらのような、鉄鎧てつよろい
 何度なんど切結きりむすぶうち、鉄鎧てつよろい細切こまぎれれで細身ほそみ鎧板よろいいたが――

 ギャリィィン――――ピプ――ッ♪
 バッガァァンッ!!
 爆発・・するようになった。

 その爆発ばくはつは、ちいさな敵影てきえいを、確実かくじつにしりぞける。
 細切こまぎれでたよりない鎧板よろいいたが、白熱はくねつ炸裂さくれつ――
 かぜに吹かれて霧散むさんすれば――もともどる。

太刀を打ち出した後・・・・・・・・・しか使つかえねぇのが、難儀なんぎだがなぁぁぁぁっ――――!!」
 異様いようなまでの順応性じゅんのうせい
 それは500の大弓兵おおゆみへいもってしても、止められなかった――
 〝悪鬼羅刹あっきらせつ僧兵猪蟹そうへいししがにの――頓知能力とんちのうりょくだ。

   §

「ねぇー、迅雷ジンライクン
なんでシょう、イオノファラー
 人工知能AIコンパニオンへ問う、プレイヤーおのはらいおの

「あれさぁ、複合装甲板コンポジットアーマーにさ――」
「はイ、イオノファー」
 ならべられた椅子いす
 巨大きょだい映像空間えいぞうくうかんうつし出されるのは、巨大きょだい機動兵器きどうへいき青年せいねん一騎打いっきうち。
 オッズは変わらず、ネコミミあたま覇気はきうす青年せいねん優勢ゆうせい

一体いったいなにしてくれてんのぉ、シガミーわぁ
 イオノファラーの感情かんじょうを読み取り、正確せいかくにデフォルメされる立体映像ホログラフィー

可動域かどういキ確保用かくほようのわズかな傾斜機構けいシゃきこうヲ、ピンポイントデ限界作動げんかイさどう。浮イた装甲板そうコうばん自己修復機能じこしゅうフくきのうをやはり、限界げンかいヲ超エた危険作動きケんさどう……装甲板そうこウばん強制最適化きょウせいさいてきか瞬時しゅンじおこナっているよウで
 立体映像イオノファラーにぎられたINTインテリジェンスタレット迅雷ジンライは、3Dスリィーディーマウスのように便利べんり使つかわれている。

「そのこころわぁー
 美の女神プレイヤーイオノファラー(17)は、突出とっしゅつした頭脳ずのうを持つ才女さいじょではあるが、彼女かのじょにも専門せんこんはある。
 〝わからないこと〟にたいする不満ふまんが、口元くちもとあらわれていた。

剥離パージ再生成ビルド同時どウじおこナうこトで――セキュア刀身とウしんガ、体内たいナい侵入しンにゅうするのヲフせいでいるよウで
 振りまわされるぼう

一言ひとことでぇー、言ーうーなーらーぁ――?」
 専門以外せんもんいがい事柄ことがらかんしては、推して知るべくもないのだろう。
 くちとがりきり、もはや変顔へんがおである。

反応装甲はんのうそウこう一種いっシゅヲ、自作じサくしたとオかんガエ下サ
 すっぽぉーん♪

「……天正てんしょう生まれの、おぼうさんがぁー
 つい、すっぽぬけたぼうを、にらみ付ける立体映像イオノファラー

「はイ。飲酒いンしゅ博打ばクち小商こアきなイ、率先そっせンしテいくさ・・・に出タりと、破戒はかイかギりヲ尽くしたトいう言質げンち収得済しゅうトくずみデすが、生マれた時代じダい職業しょクぎょう相違ソういアりませ

 がやがやがやがやや。
 かたや異常いじょう堅牢DEFさ。

 がやがやがやがやや。
 突如とつじょとしてはじまった、猫耳ねこみみのせ青年せいねんVSヴァーサス巨大武者きょだいむしゃ赤鬼あかおに
 はからずもガムラン新旧しんきゅうの、スーパールーキー同士どうしたたかい。

 そのたたかいは、惑星全土わくせいぜんど傷跡きずあとのこすことになる。
 だがソレを知るものは、まだここにはいない。

   §

「よしっ、いまだぁ! 太刀たちひろ――――ニャァ!!
 後ろ手に・・・・伸ばされる手甲うで

 さまざまな魔法具まほうぐや、神々かみがみ技術ことわり駆使くしした――
 てつからだまもる、未知みち機構きこう

 周囲しゅうい木々きぎは薙ぎたおされ、とうとうかくれられる木やいわおかが――無くなった。

 圧倒的あっとうてき速度差そくどさに、為すすべのなかった鉄鎧あかおに
 それが一直線いっちょくせんに、はしり出した。

 背中せなかから噴出ふんしゅつするのは、マナの奔流ほんりゅう
 うしろへ投げ捨てられる・・・・・・・質量しつりょうは、龍脈りゅうみゃくつらなる活力まなながれ。

 包囲網ほういもうからのがれようとする、巨大きょだいロボットプラモ。
 肉薄にくはくする、巨大きょだい質量しつりょう内包ないほうする鍵剣かぎけんセキュア――
 いや聖剣せいけんセキュアと化した青年かれは、いまやまさに英雄えいゆうと化していた。

   §

「ッチィィィィィィィッェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッィィィィィィィィィィィィィィィィィィッィィィィィッ!!!!!!!!!!」

 来た。
 この〝はつ〟にさきんじて、おれははしり出している。
 打ち出した太刀たちを、越えるはやさで・・・。・・・・

 見えない太刀たちには、見えない太刀たち応戦おうせんする。
 ガッキュゥゥゥンガガッキュゥゥゥゥゥンン!
 バッシャヤッ――――ガシリッ!

 よし、太刀たちつかをつかめた!
 ひとの身じゃ出来できねぇ、からだうごき。

 ズッシィィィンズズシィィィィィッィィンッ!
 このてつからだじゃ、いくらこしを落としても、〝地〟をつかむにはとおすぎる。
 もっともつかんだ・・・・ところで、ニゲルになます切りにされるのが、せいぜいだがなぁぁぁぁっ!

 すす方向むきと、ニゲルのかるい切っさきと、甲冑おれの背にかくした太刀たちを――
 一直線にすそろえる。

 視界しかいそとはしる、黒い人影けはい
 ふぉふぉん♪
『►►►』

 ようやくつかんだ、ニゲル尻尾しっぽだ。
 手がとどかねぇなら――野郎やろうほうから来てもらう!

 ふぉふぉん♪
『►►►』
 目に見える、ニゲルの気配けはい
 それを見つめる。

 ふぉふぉん♪
『►►►』
 見つめつづける。

 やつぁ、そこに居るように見えて、じつはおれのまわりを一回りしている・・・・・・・
 ならコッチが踏みとどまる・・・・・・なら、向こうが・・・・内側うちがわに斬り込んでくるしか――
 剣筋みちが無くなる。

 こんな芸当げいとうは、向こうが寸分違すんぶんたがわぬうごきを見せるから、出来できるだけのはなしで。
 まったくもって、威張いばれたはなしではない。

「ッゥゥゥゥオオオオオオオッリャァァァァァアァ――ニャァ
 こえを張る。
 はつにははつを。

 つかの〝引きがね〟を引いた!
 チキッ――――ピプゥゥゥゥゥッ!
 鳴くとり

 うしろかまえた刀身が・・・――ビタリッ!!!!!!!!!!
 空中ちゅうとどまる!
 ギシギシギシギシィィィッ、ゴガッチャゴガギャチャララララァァァァン!

 ねじれたからだの向きが、つかにぎりから正されていく・・・・・・

 いてぇ、いてぇが、これで向こうが・・・・、斬り込んでくるしかなくなった。
 引きがねはなす。

 空中ちゅうに浮いていたからだが、地に落ちる。
 ズッシャァァァァンッ!
 すべる具足ぐそく

 おれの背中せなかかくれていた――
 切っさきが、まえを向く。
 パッコォォォォォォォッォンッ――――奇っかいおと

 いきおいあまった剣筋けんすじみだれるが――
 ゴギャギャギャ、ガッチャ、ガシィィンッ!
 まわる景色おれ

 ニゲルが姿すがたあらわしした。
 正面しょうめんだ。
 すでに太刀かたなは、振りきった・・・・・
 なら、とおみちに居た野郎ニゲルからだが、斬れていねぇとおかしい。

 ガッギュギキィィンッ――――――――!
 まわ太刀かたな

 おれの三分さんぶんいちしかない刀身それで――ニゲルは。
 おれの太刀たちを、二つにした・・・・・

 こいつぁ、いけねぇ。
 大道芸じゃぁ・・・・・・、どうにもならん。

 おれの刀身みちすでに絶たれ――
 ひかりはなてきの刀身《みち》が、なか侵入しはいってくる。

   §

「また、増えたよっ!?」
 子供こども全財産ぜんざいさんを、心配しんぱいするこえ
「また、増えたねぇ♪」
 女将おかみはずんだこえ

 巨躯きょくを駆る武者むしゃ頭上ずじょう
 ふぉん♪
『掛け金総額:301,736パケタ』
 それは結構けっこう大金たいきんだが、増える・・・気配けはいはなかった。

 たいするは、猫耳ねこみみを頭にのせた青年せいねん頭上ずじょう
 ふぉん♪
『掛け金総額://,///,///,///パケタ』
 それは天文学的てんもんがくてき数字すうじと化し、じわじわと増え続けている・・・・・・・
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