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3:ダンジョンクローラーになろう
335:龍脈の回廊、幻の伝説の史上最美味食材発表式典準備会
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「こ、ここまでぇ大がかりにーするつもりじゃぁ、なかったぁんだぁけぇどぉー?」
うろたえる付け合わせ。
「イオノファラーちゃんのぉー招待客わぁー、コッヘル夫人くらいぃー?」
皿を見つめる、コントゥル家名代。
「そうわよ……ね迅雷?」
食べる手を止め、真剣に考えている。
「そうデすね、シガミー……オ行儀の悪イ方ノシガミーが、懇意にシていた方々、ルコルやニャミカも、オ呼びしマしょう」
「そーねぇー……じゃぁ猪蟹屋関係者全員呼びましょぉう。リカルルちゃんわぁー、呼びたい人ぉ居るぅー?」
付け合わせが、芋や茸をフォークで一刀両断にする。
「ガムラン町ギルド支部としては、オルコトリアとギルド長くらいで良いとして……シガミーと面識のあったコントゥル家関係者は、呼ばせて頂きたいですわねぇ。あとわーぁ、ラプトル王女さまぁー?」
辺境伯令嬢が、王女殿下を呼びつけた。
トッカータ大陸における、領主間の上下差は無いようである。
「お呼びでございますかしらぁん?」
馬の人形の手入れをしていた、ラプトル第一王女がやってきた。
「ええ、王族関係者と央都の重鎮を最低限呼ぶとしたら……何人くらいになるかしら?」
「そうですらん……8名、いえ、王立騎士団関係でプラス3名と……ギ術開発部関係で2名の計13名になりますらぁん」
手にしていた、まるで杓子のような魔法杖をパチン。
ちいさく折りたたみ、ポケットにしまう。
「13人かぁー、超女神像があるからぁー……もぐもぐ……行き来に護衛はいらないけどぉー……もぐもぐ……お料理に町の防衛だけじゃぁ、済まないわねぇーん」
腕を組む丸茸の影からも――もぐもぐと、食む音が聞こえてくる。
「はイ。シガミーノ不在ハ、大きいでスね」
「あーもうっ! シガミーが居ないとぉー出し物にもぉー、苦労するわねぇぇ!?」
「はイ。シガミーノ不在ハ、大きいでスね」
繰りかえす棒。よほどシガミーの不在が、大きいのだろう。
「でしたらばテェーングさまやカラテェーに、来て頂いたらよろしいのではなくて?」
そんな、何気ない一言に――
「それなんだけどさぁー?」
――目を泳がせる丸い茸。
「そノ両名ハ、火龍ノ寝床と魔王城、そして召喚ノ塔の探索ニ向かっテもらっていマす」
丸い茸の泳いだ目を引き継ぐ、飛ぶ燭台。
「あら、ヒーノモトーの人材が当てに出来ないとなると、たしかに――」
額へ伸びる、リカルルの手。
「――すこぉし急がないとぉー、いけないわねぇー……あたくしさまもぉー、お野菜ゴロゴロぉー食べたぁいしぃー」
よだれをぬぐう、ルリーロの手。
「す、すみませんですわ、わたくしばっかり頂いてしまってっらぁん!」
取り乱す王女殿下。
コントゥル家名代ルリーロが、齢200歳越えの妖狐と知らなくても――
その貫禄には、あらがえないようだ。
「んーん、ラプトルちゃんがぁー元気にぃーなってぇくれてぇー、良かったわぁー♪」
よだれを拭った手をふいてから、王女の手をやさしく握る伯爵夫人。
「じゃあぁー準備わぁ、フェスタの時の布陣でぇ進めるとしてぇー、カヤノヒメニャァン――居るぅー?」
空になった皿から飛びおりる、丸茸。
「はぁい、コチラに。ご用でしょうか? イオノファラーお嬢さまニャン♪」
スッと衝立から姿をあらわす、年端もいかない金髪美幼女。
頭には猫耳の付いたホワイトプリム、語尾にニャン。
その振る舞いと整った造形には、非の打ち所がなく――
「悪いんだけどさぁー、お食事会の席でわさぁー。お行儀がぁ悪いぃ方のぉーシガミーのぉーさぁー、代りおぉーしてくれぇなぁい?」
下げられる皿を避け――華麗なフットワーク(約3センチ)をみせる丸茸。
「お行儀が悪いのは……うまく出来るか、わかりませんニャン?」
「お行儀は良くてもぉ良いのーですよ。むしろぉーウェルカムですぅし――そのシガミーの体の役を、してくれればOKですのよん♪」
「それでしたら、お引き受けいたしますわ、くすくす♪」
口元に手を添えころころと笑う、屈託のない少女。
「「「「「「「な、なんて……愛くるしい」」」」」」」
レイダ、リオレイニア、リカルル姫、イオノファラー(ズ)、ジンライ、コントゥル夫人。
そしてラプトル姫までもが、微妙な顔をした。
彼女(お行儀が良いシガミー)は、決して以前の(お行儀が悪い)シガミーには見えないからだろう。
「じゃぁあー、女将さんでしょぉ? あとわぁルコルにニャミカに、猪蟹屋全従業員。コントゥル家関係者にぃー王族関係者っとぉ――どう、ジンライ足りる?」
「そウですね……中鍋ノのこりガ三個。そのスべてを使イ切レば、可能かト」
太鼓判を押す、女神の眷属。
「えっ!? 全部っ!?」
驚愕の丸(略)。
「はイ、まサに願掛けスるのに――良イ機会ではナいかと?」
「うぐぬぬぅ? けど、そうわね、シガミーさえ無事に戻ってくれば――秘蔵のアレで……ひそひそ……大鍋何個分になるかしらん?」
声をひそめる(略)。
「概算でスが……ひそヒそ……前回大鍋ニ使用シたミノタウロースのヒレ肉(シャトーブリアン)が、5㎏ほド。在庫ガ103・5㎏ですノで大鍋20個分になりマす」
「20個ぶ――!? なら……ひそひそ……大事に食べればぁ、一生分わぁあるのかしらぁん♪」
美の女神のゲスな微笑みにも、慣れた様子の面々。
食器が片付けられ、話はつづく。
「それで、お行儀が悪い方のシガミーは、いつ頃までに返ってこられそうですか? 他の素材の分配の、都合もありますし――?」
とは給仕服姿のリオレイニア。
彼女はガムラン町年間予算会議にも参加するほどの、才女でもある。
お行儀の良いシガミーを手伝いテーブルを整える所作は、茅野姫にも引けを取らない。
「たシかに、ソレによって今後ノ最善策モ変わります。カヤノヒメさマ、シガミー探索ノ進捗はどノような按配でしょウか――?」
棒が、〝後頭部の木の枝のような角に手を掛けたまま、微動だにしなくなった――星神茅野姫〟に、重ねて問いかける。
「そぉおぉうねぇぇ。下手ぁにぃ発表だけぇしてぇー、現物がぁーシチューだけってなったらぁ……神話級のぉ武具素材おぉーガムラン町がぁ隠匿、独占したってぇ、思われかねぇなぁいぃわぁねぇー? ケェーッタケタケタッ♪」
老獪かつ舌っ足らず、齢200歳超え――
その視線が、央都代表へと向けられた。
紅茶をすすっていた王女殿下が、カップを置き。
静かに視線をかえす。
「そっか、シガミーがもどり次第、分配するつもりだったけど……対外的には、シガミーはご存命だぁしぃねぇぇん」
全員の視線が、星の神へ注がれると――
「ソレでしたら、つい先ほど出かけましたわ、くすくす?」
目が笑って(略)。
「は? 出かけたって、だれがぁ?」
「もちろん、おにぎりさんですわ♪」
「おにぎりが出かけたぁ――――――――!?」
「「「「出かけたぁ――どこにっ!?」」」」
「もちろん、シガミーさんを探しにですわ♪」
「「「「「だからぁ――どこにっ!?」」」」」
「ソレは、わかりかねますわ。無理に特定すると、探索精度に影響が出ますしぃー♪」
目が笑(略)。
「ってことは、とにかく見つけたのね!? そういうことはスグに言って!」
「大変、失礼いたしましたわ。ご歓談の最中に口をはさむのも、はばかられましたもので、くすくす?」
目(略)。
「シガミーが帰ってくる♪」
「「「「やったぁー♪」」」」
「いつ頃、もどるかは?」
冷静なメイドが、確認する。
「そうですねー、惑星ヒースの裏側にシガミーさんが居たと仮定して、最長三か月ほどで帰還可能と思われますわ、うふふニャン?」
目が笑っては居なかったが――
「「「「三か月ぅ――!?」」」」
「仮にもぉ星の神を名乗る者のぉ、ご神託でぇーす。ここわぁー信じましょぉぉう♪」
女神が同業他社の言葉を、あと押しする。
「さ、三か月……かぁー」
三か月という帰還予測に思う所があるらしく、子供がテーブルに突っ伏した。
うろたえる付け合わせ。
「イオノファラーちゃんのぉー招待客わぁー、コッヘル夫人くらいぃー?」
皿を見つめる、コントゥル家名代。
「そうわよ……ね迅雷?」
食べる手を止め、真剣に考えている。
「そうデすね、シガミー……オ行儀の悪イ方ノシガミーが、懇意にシていた方々、ルコルやニャミカも、オ呼びしマしょう」
「そーねぇー……じゃぁ猪蟹屋関係者全員呼びましょぉう。リカルルちゃんわぁー、呼びたい人ぉ居るぅー?」
付け合わせが、芋や茸をフォークで一刀両断にする。
「ガムラン町ギルド支部としては、オルコトリアとギルド長くらいで良いとして……シガミーと面識のあったコントゥル家関係者は、呼ばせて頂きたいですわねぇ。あとわーぁ、ラプトル王女さまぁー?」
辺境伯令嬢が、王女殿下を呼びつけた。
トッカータ大陸における、領主間の上下差は無いようである。
「お呼びでございますかしらぁん?」
馬の人形の手入れをしていた、ラプトル第一王女がやってきた。
「ええ、王族関係者と央都の重鎮を最低限呼ぶとしたら……何人くらいになるかしら?」
「そうですらん……8名、いえ、王立騎士団関係でプラス3名と……ギ術開発部関係で2名の計13名になりますらぁん」
手にしていた、まるで杓子のような魔法杖をパチン。
ちいさく折りたたみ、ポケットにしまう。
「13人かぁー、超女神像があるからぁー……もぐもぐ……行き来に護衛はいらないけどぉー……もぐもぐ……お料理に町の防衛だけじゃぁ、済まないわねぇーん」
腕を組む丸茸の影からも――もぐもぐと、食む音が聞こえてくる。
「はイ。シガミーノ不在ハ、大きいでスね」
「あーもうっ! シガミーが居ないとぉー出し物にもぉー、苦労するわねぇぇ!?」
「はイ。シガミーノ不在ハ、大きいでスね」
繰りかえす棒。よほどシガミーの不在が、大きいのだろう。
「でしたらばテェーングさまやカラテェーに、来て頂いたらよろしいのではなくて?」
そんな、何気ない一言に――
「それなんだけどさぁー?」
――目を泳がせる丸い茸。
「そノ両名ハ、火龍ノ寝床と魔王城、そして召喚ノ塔の探索ニ向かっテもらっていマす」
丸い茸の泳いだ目を引き継ぐ、飛ぶ燭台。
「あら、ヒーノモトーの人材が当てに出来ないとなると、たしかに――」
額へ伸びる、リカルルの手。
「――すこぉし急がないとぉー、いけないわねぇー……あたくしさまもぉー、お野菜ゴロゴロぉー食べたぁいしぃー」
よだれをぬぐう、ルリーロの手。
「す、すみませんですわ、わたくしばっかり頂いてしまってっらぁん!」
取り乱す王女殿下。
コントゥル家名代ルリーロが、齢200歳越えの妖狐と知らなくても――
その貫禄には、あらがえないようだ。
「んーん、ラプトルちゃんがぁー元気にぃーなってぇくれてぇー、良かったわぁー♪」
よだれを拭った手をふいてから、王女の手をやさしく握る伯爵夫人。
「じゃあぁー準備わぁ、フェスタの時の布陣でぇ進めるとしてぇー、カヤノヒメニャァン――居るぅー?」
空になった皿から飛びおりる、丸茸。
「はぁい、コチラに。ご用でしょうか? イオノファラーお嬢さまニャン♪」
スッと衝立から姿をあらわす、年端もいかない金髪美幼女。
頭には猫耳の付いたホワイトプリム、語尾にニャン。
その振る舞いと整った造形には、非の打ち所がなく――
「悪いんだけどさぁー、お食事会の席でわさぁー。お行儀がぁ悪いぃ方のぉーシガミーのぉーさぁー、代りおぉーしてくれぇなぁい?」
下げられる皿を避け――華麗なフットワーク(約3センチ)をみせる丸茸。
「お行儀が悪いのは……うまく出来るか、わかりませんニャン?」
「お行儀は良くてもぉ良いのーですよ。むしろぉーウェルカムですぅし――そのシガミーの体の役を、してくれればOKですのよん♪」
「それでしたら、お引き受けいたしますわ、くすくす♪」
口元に手を添えころころと笑う、屈託のない少女。
「「「「「「「な、なんて……愛くるしい」」」」」」」
レイダ、リオレイニア、リカルル姫、イオノファラー(ズ)、ジンライ、コントゥル夫人。
そしてラプトル姫までもが、微妙な顔をした。
彼女(お行儀が良いシガミー)は、決して以前の(お行儀が悪い)シガミーには見えないからだろう。
「じゃぁあー、女将さんでしょぉ? あとわぁルコルにニャミカに、猪蟹屋全従業員。コントゥル家関係者にぃー王族関係者っとぉ――どう、ジンライ足りる?」
「そウですね……中鍋ノのこりガ三個。そのスべてを使イ切レば、可能かト」
太鼓判を押す、女神の眷属。
「えっ!? 全部っ!?」
驚愕の丸(略)。
「はイ、まサに願掛けスるのに――良イ機会ではナいかと?」
「うぐぬぬぅ? けど、そうわね、シガミーさえ無事に戻ってくれば――秘蔵のアレで……ひそひそ……大鍋何個分になるかしらん?」
声をひそめる(略)。
「概算でスが……ひそヒそ……前回大鍋ニ使用シたミノタウロースのヒレ肉(シャトーブリアン)が、5㎏ほド。在庫ガ103・5㎏ですノで大鍋20個分になりマす」
「20個ぶ――!? なら……ひそひそ……大事に食べればぁ、一生分わぁあるのかしらぁん♪」
美の女神のゲスな微笑みにも、慣れた様子の面々。
食器が片付けられ、話はつづく。
「それで、お行儀が悪い方のシガミーは、いつ頃までに返ってこられそうですか? 他の素材の分配の、都合もありますし――?」
とは給仕服姿のリオレイニア。
彼女はガムラン町年間予算会議にも参加するほどの、才女でもある。
お行儀の良いシガミーを手伝いテーブルを整える所作は、茅野姫にも引けを取らない。
「たシかに、ソレによって今後ノ最善策モ変わります。カヤノヒメさマ、シガミー探索ノ進捗はどノような按配でしょウか――?」
棒が、〝後頭部の木の枝のような角に手を掛けたまま、微動だにしなくなった――星神茅野姫〟に、重ねて問いかける。
「そぉおぉうねぇぇ。下手ぁにぃ発表だけぇしてぇー、現物がぁーシチューだけってなったらぁ……神話級のぉ武具素材おぉーガムラン町がぁ隠匿、独占したってぇ、思われかねぇなぁいぃわぁねぇー? ケェーッタケタケタッ♪」
老獪かつ舌っ足らず、齢200歳超え――
その視線が、央都代表へと向けられた。
紅茶をすすっていた王女殿下が、カップを置き。
静かに視線をかえす。
「そっか、シガミーがもどり次第、分配するつもりだったけど……対外的には、シガミーはご存命だぁしぃねぇぇん」
全員の視線が、星の神へ注がれると――
「ソレでしたら、つい先ほど出かけましたわ、くすくす?」
目が笑って(略)。
「は? 出かけたって、だれがぁ?」
「もちろん、おにぎりさんですわ♪」
「おにぎりが出かけたぁ――――――――!?」
「「「「出かけたぁ――どこにっ!?」」」」
「もちろん、シガミーさんを探しにですわ♪」
「「「「「だからぁ――どこにっ!?」」」」」
「ソレは、わかりかねますわ。無理に特定すると、探索精度に影響が出ますしぃー♪」
目が笑(略)。
「ってことは、とにかく見つけたのね!? そういうことはスグに言って!」
「大変、失礼いたしましたわ。ご歓談の最中に口をはさむのも、はばかられましたもので、くすくす?」
目(略)。
「シガミーが帰ってくる♪」
「「「「やったぁー♪」」」」
「いつ頃、もどるかは?」
冷静なメイドが、確認する。
「そうですねー、惑星ヒースの裏側にシガミーさんが居たと仮定して、最長三か月ほどで帰還可能と思われますわ、うふふニャン?」
目が笑っては居なかったが――
「「「「三か月ぅ――!?」」」」
「仮にもぉ星の神を名乗る者のぉ、ご神託でぇーす。ここわぁー信じましょぉぉう♪」
女神が同業他社の言葉を、あと押しする。
「さ、三か月……かぁー」
三か月という帰還予測に思う所があるらしく、子供がテーブルに突っ伏した。
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