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3:ダンジョンクローラーになろう

249:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、火山ダンジョンB1F

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 ふぉふぉん♪
『コントゥル家専用一式装備 クラフト依頼達成クエスト
 〝武器と防具による一式装備〟を作成しよう
 残り時間 4日と04:01:58』
 ごわぁん♪

 さっきのとちがって、こっちは五百乃大角いおのはらからのクエスト表示ひょうじ
 通路つうろおく階段かいだんを降りたら、なんでか出た。
 成功報酬せいこうほうしゅうによるSPスキルポイント増加ぞうかはなくなったから、いまとなっては意味いみはないんだったか。

「――はイ。神々かミがみふネでアる〝フルダイブアバタートランスデューサーシステム〟へノ再接続さいせつゾくがかナえば、ふタたびSPスキルポイント支給しきゅウ見込みコめまスが――」
 けどそうなったら五百乃大角いおのはらは、神々かみがみ世界せかいだか常世とこよくにだか未来みらいもとだかに帰っちまう・・・・・
 そんなことになったら、おれはっ――――面倒めんどう女神めがみ飯当番めしとうばんを……御役御免おやくごめんじゃねぇか。
 もちろん世界うつつが終わらねぇように、化けて出るたびにめしくらい食わせてやるけど……いまみたいにつきっきりで朝昼晩あさひるばんとおやつにくわえて夜食やしょくまで、用意よういさせられることはなくなる。

 いいね、じつにいいね。
「(迅雷ジンライ、この穴蔵あなぐら神々かみがみふねつくるなり呼びつけたりするための、手がかりはありそうか?)」

「――残念ざんネんながラココは魔物マもの生息域せイそくいきでスので、情報じょウほう入手にゅウしゅでキる可能性かノうせいヒくいトオもわレます――」
 うーん、ダメか。

「(じゃあ酢蛸SDKになりそうな、いらない女神像めがみぞうは?)」
「――そちらも魔物まもの使用しようできないように、女神像めがみぞう設置せっちされた屋舎おくしゃやフロアには、魔物まものよけの結界けっかい敷設ふせつされていますので――」
 魔物まものが居る場所ばしょに、女神像めがみぞうはないと。

「ギギギギギイギギッギッ――!」
 うえから落ちてきたのは、しっぽのなが武佐左妣ムササビか?
 フッカじょうおとりにするまでもなく――錫杖しゃくじょうでひと突き。
 慣れてきたのか二号レイダが、すかさず――すぽん♪
 迅雷ジンライにしまい込む。

 一階いっかいとちがってあたりがくらい。
 リオレイニアがひかりのたまを、パーティーがすす歩調ほちょうに合わせて飛ばしてくれてるから、ちかくは見えるけど。

 夜営やえいのときは、あかりとりの魔法具はこか焚き火。
 穴蔵だんじよんのなかでは、ひかりのたまを使つかうのが普通ふつうらしい。

「(くらよるあかるくする画面・・を――耳栓越みみせんごしに、みんなにも使つかえるようにできるか?)」
「――わタしが付いてイるレイダと、白仮面しろかメんAOSエーオーエス更新こうシん拡張済かくチょうずミのリオレイニア以外イがいにハ、強化きょウかシた耳栓みミせん使ツかってイるシガミーまでシか〝暗視あンしモード〟は使ツかえませン――」

 つかえねぇのか。
 じゃあ、せめてレイダにはあかるくして見せてやってくれ。
 あと、おれにもよこせ。

 ふぉん♪
『暗視モード/ON アクティブトラッカー/ON』
 ヴュパァァァァ――――カッ!
 リオの〝ひかりのたま〟がつよくかがやいたとおもったら、あたりがあかるくなった。 まるで昼間ひるまとかわらねぇ、夜《よる》出かけるときのいつもの画面・・だ。

 ヴヴュ――ゥン、ザザザッ。
 ひかりのたまのまぶしさと、岩陰いわかげくらさがおなじくらいになじむ。

「わわわニャッ!? まわりがあかるくなった――ニャッ♪」
 レイダのこえ猫語ねこごが混じった。
「――シシガニャンとシガミーノ焦点距離しょうてんきょり離れると・・・・視点してん補正ほせい演算えんざんリソース……おおきな頓知とんち必要ひつようになるため、音声処理おんせいしょり遅延ちえん発生はっせいします――」
 言葉ことばはわかるが、わからん。
 ニャーニャーうるさい気もするが、レイダがたのしそうだから良しとする。

 ふぉん♪
『>リオレイニアの白仮面<ArtifactObject#53B>
  正常に作動しています。神力残量【■■■■■】』
 リオの仮面かめん神力しんりょくは、満杯まんぱいだ。

「ねぇ、シガミャーン♪」
「……ブツブツブツ……じゃあ、あまりはなれなけりゃ……」
 ぽぎゅむ♪
 がしりと背中せなか大荷物おおにもつをつかまれた。

「な、なな、なんでぇい!?」
 ジタバタともがいてから、振りかえると――シシガニャン二号にごうの、まゆが吊り上がっていた。

もぉーにゃがぁちゃんとにゃん聞いてよっみゃにゃやっ!」
 ここまでちかいとちいさくしたはずの猫共通語ねこきょうつうごも、ふつうに聞こえてくる。

「わるいわるい、ちょっとかんがえごとしてたよ……わぜ。どうした?」
「えっとねー、たぶんダメって言われるとおもうけど――」
 なんだその前置まえおき。
「ダメっておれが言いそうなことなら、ダメだな」
「まだ言ってない――ニャ」
 背中せなか荷物にもつにじゃれつく二号にごう
 本当ほんとう野良猫どらねこみてぇだ

「なんだよ、言ってみろ」
「え、えっとねぇー。こ、この子、わたしにくれなぁい?」
 ぽきゅぽきゅぽきゅむ♪
 うるせぇ足音あしおとかくれてすすむようなときには、なんとかしねぇと。

「うん、聞くまでもなかった。やっぱりダメだな」
 〝この子〟ってのは、シシガニャンのことだ。
「すっごく大事だいじにするからっ!」
「だめだ。言っとくが今回こんかいレイダに貸したのだって、仕方しかたなくだからな」
「なんでっ!? 上手じょうずに着れてるでしょぉ?」

「――レイダ。残念ざンねんナがら、コの強化服きょウかふく譲渡じょうトすルことはかナいマせん――」
迅雷ジンライまでっ、なんでよ!」

「それ一個いっこしか、予備よびがねぇからだよ」
「えー、そんなのうそだもんねっ! おまつりのときに、いっぱい居たじゃない!」
「ありゃぁ使つかい捨てで、とても使つかいもんにはならねぇ……らしいよ」
 こんな、あちこちからほのおが噴き出してる場所ばしょでは、よけいに。

「そ――それじゃぁ、だめか――ニャァ?」
 ほほに手を添え小首こくびをかしげても、「ダメなものはダメだ」

「シガミー、フォチャカがどくを喰らいました!」
 先行せんこうしてた〝ひかりのたま〟が、リオのこえ一緒いっしょに引きかえしてきた。
どくだぁ!?」
 おれは状態異常じょうたいいじょうおちいらねぇから、おれがまえに出たほうが良さそうだ。
 スタタタトォン――!
 ひろ場所ばしょに出た。
 リオと合流ぼうりゅう、フッカが指先ゆびさきを押さえている。

「〝解毒薬げどくやく〟をだすから、ちょっと待ってくれ」
 薬草師やくそうしでも簡単かんたんくすりつくれる。
 ましてやおれは、このあいだくすり調合ちょうごう使つかえるスキルを沢山取たくさんとった。
 たぶんだけど……この世界せかい存在そんざいするすべてのくすりつくれる。

 荷物にもつを降ろすと――「ふっギャ!」
 二号レイダのうめきごえ
 ぽっきゅごろごろごろろぉっ――――♪

 いきおいあまってみちさきころがっていく、薄桜色うすさくらいろ
 見ればおおきな亀裂きれつがあり、みちみっつに分かれている。

 すたたたっトトォォォン――――――ジャリィィン♪
 強化服レイダみみ錫杖しゃくじょうの鉄輪てつわを引っかけて、なんとか止めた。
あぶねぇなっ! 気をつけるって約束やくそくだっただろ!」
「ご、ごめん――ミャ♪」

 そして三本道さんぼんみちうえには、無数むすうの――なんだ?
 ひもで巻かれた……巻物まきものみてぇなのが、バラ撒かれていた。
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