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2:カブキーフェスタへの道

181:龍脈の棟梁(シガミー)、フェスタ一日目

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「あれ? シガミーが二匹にひきに増えたっ!? さっきあっちでも見たよ?」
 また言われた。
おはようにゃぁニゲルみゃっ
 薄桜色コイツを着て、早二日はやふつか

「――「マ、魔物まモの!?」のクだりがなくなっただけ、良しとしマしょう。おおムね好意的こうイてきニ受ケ入れられているようデすし――」

そうだなーにゃにゃ〝1号〟はどうしてるみゃみゃやぁー?」
 ちなみに薄桜色ぼくはらには、大きく『2』が書かれてる。

 色違いろちがいだから見分みわけは付くけど、ねんのために『しるし』を書いたのだ。
 もともとはらのど鼻先はなさきしろかったから、その毛皮けがわを染めるようにいろを変えたら――
 見事みごとにやりかえされた。

 〝おにぎり強化服シガミー(?)〟に『1』って書いたら、『2』と書きかえされたのだ。
 かしこくなっては居るけど――基本的きほんてきには〝やりかえす〟か〝真似まねをする〟だけだから、あつかいには気をつけないといけない。
 そして、ぼくが2号にごう着た・・ことによって、同族意識どうぞくいしき芽生めばえたのか――
 ぼくに付きまとうくせが、どっか行ってくれた。

 この采配さいはい迅雷ジンライつく使役すあやつるほどの、神々かみがみ知恵ちえならではで――迅雷ジンライにもかんがえつかなかった。
 やっぱり、どんなにくさっても、五百乃大角いおのはらかみなのだ。

「っぎゃっ!? ま、魔物まもの――じゃない?」
 けど結果けっかとして、〝数字すうじ〟が書かれた魔物まものなんか居ないってんで、そとから来た観光客おきゃくじんから「ま、魔物まもの!?」のくだりをはぶくのに、一役ひとやくかっている。

いらっしゃいにゃみゃーガムラン町へよーこそみにゃみゃやぁー♪」
 親子連おやこづれに、かるく手を振った。
「「かわいいっ!」」
 どがんっ――――おうわっ!
 子供こどもふたりに飛びつかれると、いたくはねぇけど〝なか〟まで揺れる。

 なんせ、五百乃大角いおのはらが作った〝極所作業用きょくしょさぎょうよう汎用強化服はんようきょうかふく:シシガニャン(薄桜色にごう)〟は、〝廉価版れんかばん〟らしいからな。
 迅雷ジンライが居るから、〝若草色いちごう〟とおなじく使つかえるけど――多少たしょうもろいところがある。

 ふぉん♪
『▼――――<シシガニャン1号>』
「――一号いちごうはレイダといっしょにいるので、おそらくは本日ほんじつ主役しゅやくで有る
〝ミラノレアじょう〟の付きびとにでも、かり出されているとおもわれます――」
「(そんな大役任たいやくまかせて、あぶなくねぇか?)」

 ふぉふぉん♪
『餌を与えないでください。
 強く押したり叩いたり、
 魔法や呪いを掛けないでください。
 ※1・3倍のチカラでやり返されます。
  ~カブキーフェスタ事務局~』

 一号シシガニャン姿すがたうつし出され、くびに提げたかるくて丈夫じょうぶ薄板かんばん大写おおうつしにされた。
「(たしかに、こんだけ書いときゃ、問題もんだいねぇかな?)」

「――はイ。まんいちのテロ……辻斬つじぎりにも対応たいおうできるので……コントゥル母娘おやこ手出しでもしない限り・・・・・・・・・・は良い采配さいはいかもしれませン――」
 兄神あにがみさま渾身こんしん妖狐ようこルリーロを退治たいじした一号コイツは、たぶん二号ぼくならぶくらいにつえぇ。
 事務局あっちには五百乃大角いおのはら完備されてはりついてるから、丸投まるなげでい一だろ。

 ちなみに、看板かんばん若草色いちごうだけで、薄桜色ぼくには付いていない。
 飛びつく子供こどもたちを、ちぎってはあたまをなでつづけること、やくふん
つ、つかれたよにゃみゃーご♪」
 ようやく開放かいほうされた。

 さて、そしたら今日きょうは――なにをスルかな。
 おれはシガミーとして結婚式けっこんしきに、参加さんかしてることになってるし。
 客寄きゃくよせのまねごとでもしながら、猪蟹屋みせでも手伝てつだわせてもらおうか。

   §

「ルコル、ルコル! なんか、おいしそーないろのヤツが、来たミャ♪」
「もぎゅもぎゅもぎゅもぎゅ、ほはへ、へんへーはへほ、ははほーははんひはひひふ」
 あー、来てたのか。
 そりゃ、こんな面白おもしろげな催し物フェスタに、かれらが参加さんかしないわけがない。

うんにゃ何言ってるかみゃにゃわからないしみゃうんそんなにがっつくとにゃにゃみゃー又お腹壊すよみゃにゅや?)」
 最初さいしょから魔物まものおもわれなかったのは、さすがだなとおもった。
 なにがさすがなのかは、わからないけれども。

「んやっ? にゃみゃにゃやーゆ、にゃにゃふぎゃ!?」
 あれ? ニャミカが、串揚くしあげのさきをこっちに突きつけてきたぞ?
 なんて言ってるんだ?

「――「にゃ? オマエだれにゃ、それにどーしてまえにも食べ過ぎたルコルが、おなかこわしたことを知ってるにゃ!?」といぶかしんでいまス――」
 いまは強化服シシガニャン2号にごうだから、烏天狗ぼくとは気づかないか。

「にゃみゃにゃや、やーみゃにゃにゃにゃー♪」
 おや、店番みせばんのネコアタマ青年せいねんまで、ねこみたいな言葉ことばしゃべってる――?
 あ、猫耳族ねこみみぞくがつかう猫語ねこごか!

ぼくだよにゃみゃ烏天狗のにゃみゃやカラテェーだよにゃにゃみゃーごいらっしゃいみゃみゃみゃん♪」
「みゃにゃやっ――!? なかにカラテェーが入ってるミャっ!?」
「コォン――もぎゅり!?」

 二人つたりともおどろいてたけど、すぐに二号ぼくのおなかをなではじめた。
みゃちょっとまってにゃにゃっ! ぼくのお腹でみゃやぅー手を拭かないでよみゃうやーうにゃ!」
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