滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
124 / 741
2:カブキーフェスタへの道

124:カブキ者(シガミー)、カブキーフェスタ前哨戦

しおりを挟む
「いいわ! けど、おチビちゃんに勝ったらテェーングさまと、お手合てあわせしてもらうわよ?」
 ぺろり――その綺麗きれいかおで、したなめずりをするな。

「えっ――ズルいっ! ならわたくし――」
 やめろ、混ざろうとすんな。
 姫さんリカルル相手あいてじゃ――金剛力こんごうりき使つかえなきゃ、簡単かんたんふたつに・・・・されちまう。

「カラステェー? 服装ふくそうは、たしかにテェーングさまそっくりですが……シガミーは、あの少年しょうねんを、ごぞんじで――あら、いない?」
「シガミーなら、さっきトイレに行くって、一階いっかいにあがっていったよ」
 白いのリオレイニア若ぇのニゲルが、ぼくのウワサをしている。
 一気いっきにケリをつけて、さっさと会議かいぎにもどらないと――

「クカカカカッ――――師より受け継ぎし修験しゅげんわざ、うけてみろ!」
 階段かいだんの手すりのうえから、鬼娘オルコ見下みおろす。

 本調子ほんちょうしなら、余裕よゆう圧倒あっとうできる立位置まあい
 けど、いまは非力ひりきからだたたかうしかない。
 それでもこの世界せかいに〝落ちてきた〟ときからみたら、LVレベル100の底上そこあげで随分ずいぶん頑丈がんじょうになった。
 この子供シガミー柔軟じゅうなんさ――自在じざいにうごく手足てあし武器ぶきになる。
 剣速けんそく達人たつじんいきをとうに超え、前世ぜんせのおれよりはえぇ。

 ふらりっ――からだをたおし、落ちていく。
 金剛力パワーなんたらのない、長手甲ながてっこうでもない――ただの籠手こて
 おおきく伸ばして、姿勢しせい安定あんていさせる。

 ギャギィィィィ――――!!!
 階段かいだんしたでは――火花ひばなを散らす剣先けんさきが――ゆかに埋まってる。
 むこうは、自前の・・・金剛力こんごうりきをつかう。
 おに怪力かいりきは――倉庫そうこかたゆかに食い込んでも――おかまいなしに、切りつけられる。

「コラッ――オルコトリア! 修理しゅうりにいくらかかるとおもってんの!?」
 職員しょくいんのだれかが、おこってる。

 ィンッ――――火花ひばな途切とぎれ、剣先けんさきはなたれた!
 コッチの武器ぶきは、みじか小太刀こだちだ。
 居合いあい剣速はやさ遠閒そとから――到達する・・・・長大ちょうだいけん
 あれに真っこうからぶつかれば――小太刀こだちも、ぼくのからだも折られちまう。

「(迅雷ジンライ――〝ゲタスベール〟は使つかえるな?)」
「――はイ。可能かのウでス――」
「(じゃ、合図あいズしたら使つかってくれ――)」
「――はイ。オンオフは自在じざイでスが、積層構造せきそうこうぞウノ切り替エは一方向いちほうコうだけデす、順序・・に気をつケて――――」

 ブォォォォォォォンッ――――!
 斜め上空カラステングに向かって、突き上げられた長大ちょうだい鉄板つるぎ
 アレは工房長ノヴァドたのんで、つくなおされた――特別製とくべつせいだ。
 コッチの小太刀こだちと、おなじ手順てじゅんつくられてる。
 つまり、ただのてつだが――切れあじ段違たんちがいにするどい。

「(かたなで)――ながす!」
 シュッカン――――!
 黒鞘くろさやから撃たれた、最速さいそく居合いあい

 ――――リィィィィィィィィッン!
 天上てんじょうまで振り抜かれた、オルコ金剛力こんごうりき

 コッ――切結きりむすやいばやいば
 火は散らず、上剣じょうけん下刀かとうおもさがぶつかる。
 そしてその衝撃しょうげきがすべて、〝烏天狗ぼくおもさ〟になった。

なにこの手応てごたえ――羽根はねみたいっ!?」
 おののく、綺麗な顔の鬼オルコトリア

 ――――――――ブォォン!
 烏天狗からすてんぐちいさなからだが、吹き飛ばされる。
「「カラテェー!?」」
 影天狗ニャミカさけぶ。
 一階いっかい階段横かいだんよこかくれた、ルコルのこえまで聞こえた。

 スゥゥゥゥッ――チャキン♪
 小太刀かたなおさめ、もういちど籠手うでを大きくひろげる。

 階段かいだんを飛びこえ――天井てんじょうかどにぶち当たる直前ちょくぜん
「(下駄で)――受ける!」
 片足かたあしを振り上げ、天井てんじょうかど下駄げたを突き込んだ!

 ガゴコオォン!
 下駄げたが突き刺さり、天井てんじょうささえる石材せきざいに――ギャキギュコギギッ――ヒビがはいった。

ってっ!」
「――大丈夫だいじょうブでスか、シガみー?――」
「(かまうなっ……つぎは下駄げたで)――ながす!」
 両足りょうあしをそろえ、下駄げたの歯を横向よこむきにして――壁伝かべづたいに落ちる。

 ――――シャシャァッ!
 階段ここ天井てんじょうなんて、たかさはほとんど無い。
 すぐぶつかる!

「(昨夜ゆうべ断崖絶壁だんがいぜっぺきを駆けおりたのに、くらべたらかるい、かるい!)――ぃよぉっとぉっ!」
 かべをおもいきり蹴り――階段かいだん着地ちゃくち――できたっ!

 シャシャァッ――おっとぉ――シャシャァァァッ!
 ルコルの魔法杖ギルドいすのうしろで、下駄げたの歯をななめに立てた要領ようりょうで――ズザザザッシュッ!
 よし曲がれる。なれれば、かいふねぐようなものだ。

 階段かいだんさきにははしらが有ったから――いきおいまかせにはしらを蹴った。
 どかん――ズシャシャァッ!

 空中ちゅうを飛び――あらよっとぉ――作戦会議室さくせんかいぎしつけん倉庫そうこかべ着地ちゃくちした。
 シャシャァァァァァァァッ――――――――――――!

「か、かべをすべって――る!? た、たしかにテェーングと似たうごきをするわね! けど――」
 ダダダッ――――鬼娘《オルコトリア》が、長剣ちょうけんかついで駆けだす!
 見ればさきには通路つうろがあって、足場が途切れていたかべ・・・・・・・

「うぬぅ――!?」
 ぐりん――――ッシャァァァッ――――!
 こしをひねり、天上てんじょう方向がわへにげる。

「「うふふふ――?」」
 耳栓みみせんが、コントゥル母娘おやここえを拾った。
「――ねぇ、リカルルちゃん?」
「――なんですか、おかあさま?」

今日きょうわねぇ、じつは〝あの子・・・〟に会いに来たのよぉー♪ 会えてうれぇしいぃぃぃぃぃいわぁぁ――――くすくすくすくすくすくす、コォォン♪」
 なんか昼日中ひるひなかに、ましてや建物たてものなかで見えたらいけない月影つきのひかりが――爛々らんらんとしてる気がする。

「ぬぬぅ――!?」
 ぐりん――――ッシャァァァッ――――!
 すぐに天上てんじょうせまり、床方向ゆかがわかじを切る。

「そうだったんですの? すっごく興味きょうみあるので、そのおはなしのちほどくわしく――うふふふふふふふふっ♪」
 月影つきかげが、一人分ひとりぶん増したような気がする。

「さぁっ、来いぃぃ――っ!」
 やべぇ、オルコトリアが通路おおあなまえに陣取じんどった。
 逃げ場がねぇ……よし!
 ぐりん――――ッシャァァァッ――――!
 こしをひねり、もう一度いちど天上てんじょう方向がわへにげる。

「けれど、ガムランちょう子供こどもは、レイダとシガミーしか居ないはずでは?」
 ギュギュギュィィィィィン――――!

「さっき、テェーングじいさんの弟子でしって言ってたよねー?」
 お、いいぞ若ぇのニゲル
 弟子でし関係者かんけいしゃってところを、もっと吹聴ふいちょうしてくれ。

「うっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――ごきり、びきびき、ぼきり―――!!!」
 長剣ちょうけんを振りまわすうでだけじゃなく、両足りょうあしくびまわりまでが、倍化ばいかする!
 さすがはおにだ。相手あいてにとって不足ふそくはねぇ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

懐いてた年下の女の子が三年空けると口が悪くなってた話

六剣
恋愛
社会人の鳳健吾(おおとりけんご)と高校生の鮫島凛香(さめじまりんか)はアパートのお隣同士だった。 兄貴気質であるケンゴはシングルマザーで常に働きに出ているリンカの母親に代わってよく彼女の面倒を見ていた。 リンカが中学生になった頃、ケンゴは海外に転勤してしまい、三年の月日が流れる。 三年ぶりに日本のアパートに戻って来たケンゴに対してリンカは、 「なんだ。帰ってきたんだ」 と、嫌悪な様子で接するのだった。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

処理中です...