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8 落ち着きのない番
しおりを挟む「ふえぇ……い、言えって言うから言ったのに、何でこんないじわる……ぅ、ううっ………うええぇーん……!!」
「しま……っ、ごめ、ラシーヌその………う…ゴメンっ!!」
「!?!?」
あまりの理不尽さに涙が出て、バスタオルでぐしぐしと拭いていたら、突然ギュッと抱きしめられた。
「そんな事したら見…っ…あ、い、いやその…(ゴニョゴニョ)。……悪い。えーと、ラシーヌの従兄弟のローバストって、騎士団のアイツだろ。女にモテモテの。その……フリとは言え、あんな奴とお前が恋人の真似事をするとか思ったら」
「うぅ……ひっく。で、でもローは確かに強いけど、年上だけど、頭の出来の方がちょっと……アレだから…………相談するなら絶対、ファンゲンの方がいいと思ったし。お父様を除いたらファンゲン以上に頼れる相手は居ないわ。お父様は……番のお母様が絡むと頼りにならないから。そう言った意味では私が一番信頼しているのが大好きなファンゲンだもの……って、ファンゲン?」
自分から壁際に追いつめてくっついておきながら。私から身を離し、もぞもぞとぎこちない動きで後ろへと後退するファンゲン。
不思議に思って首をかしげて下から彼の顔をのぞき込むとベッドの上の毛布をひっつかみ、ガバッ…っと勢いよく頭からかぶってしまった。
ゴツン☆
「あいたっ☆」
一方の私はといえば、乗っかっていた毛布をファンゲンに力任せにひっぱりぬかれた反動で、後ろによろけて盛大に壁に頭をぶつけてしまった。
「あ……わ、悪い!」
焦ったファンゲンが毛布から顔と手を出し、シーツの上で後ろに倒れ込んでしまった私を助け起こそうと手を掴んで――そのままの体勢で目を見開いたまま固まってしまった。
どうしたのだろうかと彼の視線の方向を確認すれば、体勢を崩したせいでバスタオルが盛大にはだけてしまって、私の上半身と、下半身の大事な部分……が、足の間…から……丸見え、に――。
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