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第二章 初級講習
15 即断! 『リザレクション保険』
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「えっ!? 角無し香車ウサギに逃げられたんですか!?
あんなのやたらと遅い、ただのウサギと変わらないのに!? 子供大喜びの遊園地の動物型の乗り物よりも遅いですよ!?」
「あーすんません。すばしっこくて」
「はあ……(あれを逃がすとか)」
あの後。ほくほく顔で商業ギルドから帰ってきたインストラクターにドン引きされた。
まあ、あれだ。結論だけ言えばプロテインバーで元気を取り戻したウサギは超高速で逃げてった。
めでたしめでたし。元気に暮らせよ3kg(命名)。
そして、その後は収穫のないままスポーツクラブへと帰還した。
「角の方は鑑定が必要になりますので商業ギルドへと預けておきました! レアアイテムの場合は専門の鑑定が必要となるため時間がかかるのですが、これは期待度大ですね! 次回の討伐の際には太田様のカードの方へと振り込まれていると思います」
どうやら会員証にはお財布機能がついているらしい。
と、いうか。たとえダイエット目的とはいえ討伐報酬のようなものがあって、魔物を倒した分だけちゃんとポイントとして付与されるそうだ。
そしてそのポイントを使って、異世界での飲食やお買い物が楽しめるらしい。それを聞いて、俄然俺はやる気になった。
「討伐報酬の他に、今回のような素材の買取もありますし、薬草等の採取系で運動したい方には採取したモノの買取なんかもありますからね。ポイントを貯めれば当クラブの会費もポイントで支払うことができますよ」
「マジですか!?」
すげえ! 上手くいけば金かからずにスポーツクラブに通い続けられるじゃないか。いや、むしろ儲けられるかもしれない。
「勿論です。ただし、異世界とは通貨格差がありますのでこちらで使用する際はかなり目減りしてしまいますが。それでも討伐する魔物のランクが上がれば、月会費くらいは支払えるようになりますよ! 当然、太田様がご加入の『置いてけぼり保険』などの保険料のお支払いもできます。各種保険は入っておくと色々と安心ですよ! そして、本日ぜひお勧めしたいのが」
え。なんか勧誘始まった?
「じゃん!! 死んでも安心『リザレクション保険』です。初級はインストラクターも同伴なので、本日のように串刺しにされて死亡しても魔道具で蘇生できましたが、フリー討伐になればそうもいきません。今回のように、初見ではほぼ即死系の魔物も数多くいますから、加入しておくと安心ですよ!!」
「え? 俺、今回別に死んでいませんけど」
「あ! しまった!! これ通常時のAパターンの勧誘だった!! 今回のようなケースは……前例無いなあ、どうしよう。ブツブツ……」
マジかよ。死亡も織り込み済みかよ。ってか、本気で200gいなかったら一度死んでたのか俺。
脂肪減らすために死亡とか洒落にならない。
「…ええと、それでどうなさいますか? 今なら特別に月会費に1000円プラスするだけで、通常1回の所、2回まで蘇生のサービス付きで『リザレクション保険』にご加入いただけますが」
「……っ! 加入します!!」
即断した。よく分からんが、死亡前提で保険の加入を薦めてくるあたり、インストラクターの本気度を感じる。
断る選択肢などないだろう。……というか、断る勇気が俺にはない。
「あっ! そう言えばポイントで保険料も支払えるんですよね? それで、少し安くなったりとか」
「ええ、勿論です。太田様には現在、前回討伐分までのポイントが入っていますので、スライム5体分。合計250ポイントがお使いになれますよ」
「えっ! 250円引き!? すごい!!」
「あっ、いえ。通貨格差がありますので、2円引きで998円になります。ポイントをお使いになりますか?」
「……貯めたままで」
……どうやら異世界と日本の通貨格差は思いのほかでかいらしい。月会費無料までの道は遠そうだ。
あんなのやたらと遅い、ただのウサギと変わらないのに!? 子供大喜びの遊園地の動物型の乗り物よりも遅いですよ!?」
「あーすんません。すばしっこくて」
「はあ……(あれを逃がすとか)」
あの後。ほくほく顔で商業ギルドから帰ってきたインストラクターにドン引きされた。
まあ、あれだ。結論だけ言えばプロテインバーで元気を取り戻したウサギは超高速で逃げてった。
めでたしめでたし。元気に暮らせよ3kg(命名)。
そして、その後は収穫のないままスポーツクラブへと帰還した。
「角の方は鑑定が必要になりますので商業ギルドへと預けておきました! レアアイテムの場合は専門の鑑定が必要となるため時間がかかるのですが、これは期待度大ですね! 次回の討伐の際には太田様のカードの方へと振り込まれていると思います」
どうやら会員証にはお財布機能がついているらしい。
と、いうか。たとえダイエット目的とはいえ討伐報酬のようなものがあって、魔物を倒した分だけちゃんとポイントとして付与されるそうだ。
そしてそのポイントを使って、異世界での飲食やお買い物が楽しめるらしい。それを聞いて、俄然俺はやる気になった。
「討伐報酬の他に、今回のような素材の買取もありますし、薬草等の採取系で運動したい方には採取したモノの買取なんかもありますからね。ポイントを貯めれば当クラブの会費もポイントで支払うことができますよ」
「マジですか!?」
すげえ! 上手くいけば金かからずにスポーツクラブに通い続けられるじゃないか。いや、むしろ儲けられるかもしれない。
「勿論です。ただし、異世界とは通貨格差がありますのでこちらで使用する際はかなり目減りしてしまいますが。それでも討伐する魔物のランクが上がれば、月会費くらいは支払えるようになりますよ! 当然、太田様がご加入の『置いてけぼり保険』などの保険料のお支払いもできます。各種保険は入っておくと色々と安心ですよ! そして、本日ぜひお勧めしたいのが」
え。なんか勧誘始まった?
「じゃん!! 死んでも安心『リザレクション保険』です。初級はインストラクターも同伴なので、本日のように串刺しにされて死亡しても魔道具で蘇生できましたが、フリー討伐になればそうもいきません。今回のように、初見ではほぼ即死系の魔物も数多くいますから、加入しておくと安心ですよ!!」
「え? 俺、今回別に死んでいませんけど」
「あ! しまった!! これ通常時のAパターンの勧誘だった!! 今回のようなケースは……前例無いなあ、どうしよう。ブツブツ……」
マジかよ。死亡も織り込み済みかよ。ってか、本気で200gいなかったら一度死んでたのか俺。
脂肪減らすために死亡とか洒落にならない。
「…ええと、それでどうなさいますか? 今なら特別に月会費に1000円プラスするだけで、通常1回の所、2回まで蘇生のサービス付きで『リザレクション保険』にご加入いただけますが」
「……っ! 加入します!!」
即断した。よく分からんが、死亡前提で保険の加入を薦めてくるあたり、インストラクターの本気度を感じる。
断る選択肢などないだろう。……というか、断る勇気が俺にはない。
「あっ! そう言えばポイントで保険料も支払えるんですよね? それで、少し安くなったりとか」
「ええ、勿論です。太田様には現在、前回討伐分までのポイントが入っていますので、スライム5体分。合計250ポイントがお使いになれますよ」
「えっ! 250円引き!? すごい!!」
「あっ、いえ。通貨格差がありますので、2円引きで998円になります。ポイントをお使いになりますか?」
「……貯めたままで」
……どうやら異世界と日本の通貨格差は思いのほかでかいらしい。月会費無料までの道は遠そうだ。
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