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リリーside

8 お茶会をしよう

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 そういえば、ゲームならそろそろお茶会イベントが開かれている時期だ。豪華なケーキが並び、恋愛関係なくひそかに楽しみにしていたイベントだった。こっちじゃ絶対、なさそうだけど。そう思った私は生徒会長に直談判した。

「お茶会イベントができなくなったのだから責任をとれ」と。
 もう、攻略対象ではないんだから何言ったっていいわよね。

 そうして開催されたのはゲームとは程遠いしょぼいお茶会だった。ケーキも安物。でもまあ、委員長の他にも友達が出来たから良しとしましょう。
 そう満足していたのに。なんと悪役令嬢がマナー講師役として出張ってきた。

 は?このイベントを苦労して開催させたの私なのよ。なのに、なんで私よりでかい顔して優雅にお茶飲んでんの??
 なんでみんなに「すごーい」とか言われてるの?

 ムカついた。でも、チャンスだとも思った。第一王子と離れている以上、第一王子から悪役令嬢への好感度も下げられない。今のところ王子から私への好感度は高いみたいだけど、王子から悪役令嬢への好感度は未知数だ。悪役令嬢が逆ハーレムルートに入るにしても、幸せエンドに入るにしても、王子から悪役令嬢への好感度は低いのが条件。しっかりと下げておきたい。

 だから。今回のことは「イジメ」として王子に報告しよう。
そのためにもしっかり既成事実化しておかなくちゃ。

「私の企画したイベントなのに手柄を横取りして!! 虐めるなんてひどいっ」

 大袈裟に騒いだら、参加者がみんな呆れたようにこっちを見てる。ほら。みんな不愉快そうよ。
 イジメは駄目!絶対。

 よし。やることはやった。

 だからあとは思いっきりケーキを楽しんだ。
 そうしたら、生徒会長が可哀そうなものを見るようにこちらを見てた。

 ふふん。今さら庇護欲を感じたって遅いのよ。



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