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リリーside
7 生徒会長の攻略
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生徒会長は整ったタイプのイケメンだった。目も、鼻も、口も、とにかくすべてのバランスがいい。ただ、その分特徴がなく地味に見える。1位の彼のように全体的に華があるわけでもなく、2位の彼のように大きく魅力的な目を持っているわけでもない。
髪型を流行のモノに変えれば、オシャレな着こなしをすれば、ランキングはすぐにでも入れ替わりそうなものだが、髪型はごく平凡だし、制服もまるで入学案内のパンフレットのようにキッチリと着こなしている。それはそれで清潔感があるが、とにかく特徴がない。秀でているといえば、学年トップの成績と生徒会長という立場だろうか。
クラスメイトにどんな人かと聞いてみても、「もろ生徒会長!」としか返ってこない。確かに、観察してみると自分に厳しく他人にも厳しく、だけどどこまでも面倒見がいい。もろに生真面目な生徒会長タイプだ。あれ……誰かに似ているな。誰だっけ?
まあ、生徒会長といえば定番だし、攻略対象としてはふさわしいだろう――そう思っていつも通りにくっつこうとしたら。
避けられた。
不意を突いても自然に距離をとられる。
え?なにこれどうなってるの??
「悪い。親しくない人にくっつかれるの苦手なんだ。あと、クラスの人からも苦情が来ているよ。君は人との距離の取り方がおかしいようだ。異世界とは生活習慣が違うのかもしれないけど、気を付けた方がいい。少し練習してみようか」
そう言うと、椅子に座らされ、周囲を机で囲まれた。
え?なにこれ……
「やだ、もー、生徒会長ったらぁ……」
甘えた声で手を伸ばしたら
「ああ。君はスタイルがいい分、手も長いね。机二つくらいから練習しようか」
――机を二列に増やされた。
「もー、冗談ばっか……」
立ち上がって手を伸ばしたら三列目の机を物色し始めたので冗談ではないと悟った。
だから。
「分かった! 机二つね」(にこっ)
「分かってもらえて嬉しいよ。また、距離感が分からなくなったら声かけて」(にっこり)
彼の攻略は中止した。
べ……別に、私の魅力が足りなかった訳じゃないわ。趣味じゃないからやめただけよ。所詮は5位だし。
それに、どうやら私のサポート役となっている委員長が生徒会長のことを好きらしい。
彼女の言動から何となく察した。あの変人のどこがいいのかと聞いてみれば「生徒会長は昔から優しいから。それに、眼鏡が似合いそう」と返ってきた。
確かに、バランスの良いシンプルな顔立ちは眼鏡をかければイケメン度が上がりそうだ。残念ながら目は良さそうだけど。私がそう言えば、
「今はそうでも30年もすればいずれかけるようになるでしょう? 別に焦ってないからいいの。それに、心の中ではいつでも着脱可能だわ」
とか、遠くから彼を見ながら言っていた。どうやら委員長は眼鏡男子好きらしい。老眼鏡狙いか。気の長い話だ。私も遠くからその姿を想像し、彼が誰に似ているか気が付いた。
神官長だ。生真面目で、厳しくて、融通が利かない。一回り以上は年上の神官長は老眼鏡ではないけど、眼鏡をかけている。顔自体は違うけれど、まとう雰囲気がそもそも似てるのだ。生徒会長が歳を取って、眼鏡をかけさせれば更に似るだろう。考えてみれば性格もそっくり。
私、あの人苦手だったんだよね……。
何にしても、友人の思い人に手を出すようなマネはしない。え?第一王子?悪役令嬢は友達ではないからいいのよ。
その悪役令嬢はずっと生徒会長と行動を共にしている。委員長に聞いたところ、どうやら生徒会長が悪役令嬢の世話係としてついたらしい。
クラスメイトの思い人に手を出すとか最低だわっ。
やっぱり嫌いよ。あの、悪役令嬢。
髪型を流行のモノに変えれば、オシャレな着こなしをすれば、ランキングはすぐにでも入れ替わりそうなものだが、髪型はごく平凡だし、制服もまるで入学案内のパンフレットのようにキッチリと着こなしている。それはそれで清潔感があるが、とにかく特徴がない。秀でているといえば、学年トップの成績と生徒会長という立場だろうか。
クラスメイトにどんな人かと聞いてみても、「もろ生徒会長!」としか返ってこない。確かに、観察してみると自分に厳しく他人にも厳しく、だけどどこまでも面倒見がいい。もろに生真面目な生徒会長タイプだ。あれ……誰かに似ているな。誰だっけ?
まあ、生徒会長といえば定番だし、攻略対象としてはふさわしいだろう――そう思っていつも通りにくっつこうとしたら。
避けられた。
不意を突いても自然に距離をとられる。
え?なにこれどうなってるの??
「悪い。親しくない人にくっつかれるの苦手なんだ。あと、クラスの人からも苦情が来ているよ。君は人との距離の取り方がおかしいようだ。異世界とは生活習慣が違うのかもしれないけど、気を付けた方がいい。少し練習してみようか」
そう言うと、椅子に座らされ、周囲を机で囲まれた。
え?なにこれ……
「やだ、もー、生徒会長ったらぁ……」
甘えた声で手を伸ばしたら
「ああ。君はスタイルがいい分、手も長いね。机二つくらいから練習しようか」
――机を二列に増やされた。
「もー、冗談ばっか……」
立ち上がって手を伸ばしたら三列目の机を物色し始めたので冗談ではないと悟った。
だから。
「分かった! 机二つね」(にこっ)
「分かってもらえて嬉しいよ。また、距離感が分からなくなったら声かけて」(にっこり)
彼の攻略は中止した。
べ……別に、私の魅力が足りなかった訳じゃないわ。趣味じゃないからやめただけよ。所詮は5位だし。
それに、どうやら私のサポート役となっている委員長が生徒会長のことを好きらしい。
彼女の言動から何となく察した。あの変人のどこがいいのかと聞いてみれば「生徒会長は昔から優しいから。それに、眼鏡が似合いそう」と返ってきた。
確かに、バランスの良いシンプルな顔立ちは眼鏡をかければイケメン度が上がりそうだ。残念ながら目は良さそうだけど。私がそう言えば、
「今はそうでも30年もすればいずれかけるようになるでしょう? 別に焦ってないからいいの。それに、心の中ではいつでも着脱可能だわ」
とか、遠くから彼を見ながら言っていた。どうやら委員長は眼鏡男子好きらしい。老眼鏡狙いか。気の長い話だ。私も遠くからその姿を想像し、彼が誰に似ているか気が付いた。
神官長だ。生真面目で、厳しくて、融通が利かない。一回り以上は年上の神官長は老眼鏡ではないけど、眼鏡をかけている。顔自体は違うけれど、まとう雰囲気がそもそも似てるのだ。生徒会長が歳を取って、眼鏡をかけさせれば更に似るだろう。考えてみれば性格もそっくり。
私、あの人苦手だったんだよね……。
何にしても、友人の思い人に手を出すようなマネはしない。え?第一王子?悪役令嬢は友達ではないからいいのよ。
その悪役令嬢はずっと生徒会長と行動を共にしている。委員長に聞いたところ、どうやら生徒会長が悪役令嬢の世話係としてついたらしい。
クラスメイトの思い人に手を出すとか最低だわっ。
やっぱり嫌いよ。あの、悪役令嬢。
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