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19 追い詰められた王子様
しおりを挟むぽか~ん。。。。。
妹の発言を聞いて驚きの声をあげた後。
かわいいお口を開けたまま固まってしまった猫の王子様。
……分かる。この流れでそれはないわ~……と思うも、欲に目がくらんだ妹は止まらない。
「あいたたた、傷口が疼くぅ……! この傷じゃあ、もうお嫁に行けないわね。これは……この痛みは、きっと王子妃にならないと取れないわぁ♪ アスク様、きちんと男として責任♡ 取ってくれますよね?(ニヤニヤニヤニヤ)」
「ニャニャニャアニャ! ニャアにゃにゃにゃん……」
解る。ふざけるな! 馬鹿妹……とか言っているのだろうが、長い間共に暮らした私だからそれが解るのであって、残念ながらニャアニャアとしか聞こえない。
じゃあ、元の姿に戻ればいいじゃないか――となるのだが、猫になった段階で着ていた服が脱げて裸になってしまっているので、今すぐここで元の姿に――という訳にはいかないのだろう。
結果、王子様は言われ放題になったまま、自らが着ていた服の上で途方に暮れている。
可哀想に。王子様は妹から『責任♪ 責任♪』と迫られて、完全に耳がぺたんと伏せられてしまっている。権力欲とは無縁の優しい人なので、妹のような欲深いタイプの人間とは相性が悪いのだろう。
このままではまずい。
私は王子様を抱き上げると妹に向き合った。
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