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プロローグ
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昔々あるところに可哀想な女の子がいました。
父親と継母は妹ばかりを可愛がり女の子のお世話をしてくれません。
ある日、女の子はケガをした子猫を拾いました。寂しかった女の子は一生懸命子猫の世話をして可愛がりました。けれど、ケガが治ると子猫は姿を消してしまいます。
女の子は寂しくなって泣きました。
女の子が大人になった時、お城から王子様が迎えに来ました。
「私はあのときの子猫です。悪い魔法使いに猫の姿に変えられて、ケガをして困っていたところを貴女に助けてもらいました。あの時のお礼がしたいです。どうか私の花嫁となってください。そして夫婦となって、お城でずっと一緒に暮らしましょう」
可哀想な女の子と猫だった王子様は結婚してずっと仲良くお城で暮らしました。
めでたしめでたし。
☆☆☆☆☆☆☆
母から貰ったそんな絵本を何度も何度も繰り返し読んでいたからだろうか。
「貴方は王子様? 私を迎えに来てくれたの?」
義母と妹に置き去りにされた森の中で。
ケガをした黒猫を助けた時に、ついそんな風に声をかけてしまったのは。
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