目覚めたら天使でした。

momo

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 今日のマリアはサラとサラの自室に居た。結婚した女性は通常自室を与えられる。貴族でも平民でも夫が数人居るのが当たり前なのでその日家に居る夫の誰かと夜を共にする為決まった寝室がないのだ。そのうえで日中過ごす部屋が誰かに偏ってしまわないように自室が与えられるのである。
そのサラの自室で領地に帰る為のマリアの衣装を決めているのだ。マリア自身はそこまで拘りがないのだがサラはオシャレが大好きなのでウキウキとワンピース、装飾品、靴などを決めていっている。

「母様、これで良いよ?」

着せてもらったワンピースはとても涼やかなサックスに白のレースで十分可愛い。なのにサラはまだ気に入らないらしい。

「駄目よーマリアちゃん!お外のお茶会に遊びに行かない分、こういう時にいっぱいオシャレするのよ!」

過保護過ぎる父親と兄たちによりマリアは外出を規制されてしまっている。邸でのサラ主催のお茶会ならサラと一緒に居る事を条件に参加出来るのだが・・・。
キツくダメダメ言われればもしかしたらマリアも反発したかも知れないが必死に或いは不安げに説得されてしまうとサラもマリアも何も言えない。
特にサラは美少女であったが故に被った様々な被害を鑑みれば、男たちの危惧を一概に否定も出来ないのであった。

「次はこれよ!」

ちょっぴり疲れたものの楽しそうな母親の姿にマリアは今日一日は付き合う覚悟を決めて優しい若葉色のワンピースに手を伸ばすのであった。



ちなみに、父親たちが領地行き用の衣装一式をそれぞれが買って帰ってくるせいでせっかく決まった服装がまた一からやり直しになるのだがこの時の母娘はまだ知らない。
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