目覚めたら天使でした。

momo

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閑話:王国に伝わる伝承

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※病気・戦争などの描写が少し入ります※





 その昔、世界は大きく3つに別れていた。

堕天使のたちの住む地下界

人間の住む地上界

そして、天使の住む天界である。


この世界の創生より続いていた3界はとある日その均衡を崩す事になる。それが堕天使たちの反乱である。
地下界は天界より堕とされた天使たちの巣窟だったので、いつか反旗を翻し天界へ戻る事が堕天使たちの悲願であったのだ。
天界に攻め込んだ堕天使たちは天使たちを消し去っていった。聖の象徴である天使たちと闇の象徴である堕天使たちの力は拮抗していたが、非道な方法で天使たちは次々に消されてしまっていたのである。
戦いはその激しさから人界にまで影響が及んでいたが、天使たちの守護があり少しの天災だけで済んでいた。
すべてを創造した神は人間を殊更に愛していたので、天使たちもまた人間を慈しんでいたのだ。
しかし地下界に近い場所にある魔の山が一部崩れた為そこから漏れ出た瘴気により、人界には恐ろしい病気が蔓延してしまった。
戦いのせいで気付くのが遅れた天使たちの働きによりその病気は過半数を超える人間の女性に悪影響を与えただけで収束した。

戦いは何百年も続き、互いの長が相打ちになり膠着状態にまで発展してしまっていた。
やがてほとんど影響を受けない人界では、他の2界を知る者も居なくなりその存在は伝承の中に息づくのみとなってしまった。

今、地下界と天界の戦いがどうなっているのか。

それを知る者はほとんど居ない。
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