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第一章・夢はゲームで叶えよう花梨と芽衣と小百合の冒険譚

*四十・魔法感謝祭の砲撃ゲーム

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「ロリコンと断定って小夜……俺は違うって言ってるだろう。それに俺は普通の人間だ」

 早苗は小さく笑ったままだ。

「ふ~ん。西尾君が普通の人間ねぇ~?」

「確かに普通の人達と違って属性もないしこの世界の魔力もないけど、後は普通の人間だ」

 小夜も小さく笑う。

「西尾……わたしがいい事を教えてあげる。普通の人間はあのパンチングマホマシンで700点台は無理。それこそ怪獣ないと無理」

「いや俺以外にもいるだろう、それこそ1000点間近のヤツとか」

 小夜は西尾の言い訳を叩き潰す。

「アレは、アテにならない。西尾から見たら後輩と弟子とその仲間。あの娘らも怪獣の可能性が高い」

 萌衣は反論する。

「ボクは普通の女の子だ。ボクみたいな女の子や花梨を怪獣呼ばわり? いくらなんでも失礼すぎるんじゃないかな?」

 小春も反論する。

「わたしも怪獣違うよ。合ってるのは西尾先輩がロリコンということだけだよ」

 花梨も納得がいかない。

「西尾お兄ちゃんは、わたしのお嫁さんさんだから。ロリコンはあながち間違いじゃあないとしても、わたしや西尾お兄ちゃんは怪獣じゃあないからね」

 西尾は肩を落とす。

「お前ら言いたい放題だな……否定しているところは怪獣一点のみかよ……んで花梨、一万歩譲って花梨みずからが『わたしは西尾お兄ちゃんのお嫁さん』というのなら、まだ分かるが逆は意味が分からないぞ」

 花梨は両手を上げて喜ぶ。

「やったー! わたし西尾お兄ちゃんのお嫁さんだ! ワーイ! ワーイ!」

「コ、コラッ花梨、一部だけ意味を抜き取るな。あくまで一万歩譲ってだ」

 花梨は呟く。

「一万歩一万歩……」

 花梨は異質な全魔力を解放してそれに月属性を付与。
 時間を確認11時50分。
 辺り一面を一万歩で駆け抜けた。
 時間を確認11時55分。 

 花梨は悟った。

「一万歩って時間にして約5分だね。5分待てば、」
 花梨は再び両手を上げて喜んだ。
「わたしは、西尾お兄ちゃんのお嫁さん。ワーイワーイ」

 西尾は膝を付いた。 

「花梨……計算ずくなのか?」

「違うよ。だってわたしそこまで頭良くないもん」

 西尾は膝を付いたまま納得。

「そうだった花梨は馬鹿だった」

 西尾はとりあえず気分を変えたい。
「とりあえず今は遊ぶか。とりあえず、」
 辺りを見回してとある物を指差す。
「魔法の砲撃撃ゲームとか面白そうじゃあないか?」

 西尾が指差したのは、魔法砲撃ゲームの屋台だ。
 前に遊んだオモチャのライフルを使う射撃ゲームの屋台と違って、こちらは純粋に魔法そのものを2回ぶつけて点数を競うゲームだ。
 的は4種類あり、条件なし最高100点。ほかに特殊な的が3種類あり・燃焼・凍結。感電。その3種類は最高150点。

 火は燃焼。水は凍結。感電は雷として、一般的には風属性とされている。
 普通に考えたら、火・水・風属性を扱えた方が有利で、怪獣らの属性を把握している小夜と彰は勝つ気満まんだった。

 彰は魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、風属性。風よ雷を帯よ」
 詠唱する。

 魔法陣から雷が直線状に放たれ、的に命中。
 直径50センチぐらいの的に対して、直径2~3メートルの範囲の放電と帯電の視認が出来る程の威力だ。

 彰・感電まと・137点。

 次に彰が選んだ物は、燃焼まとだ。
 彰は魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、火属性。炎よ燃え上がれ」
 詠唱する。
 魔法陣から炎が放たれ的に命中して2~3メートル以上の火柱が上がった。

 彰・燃焼的・142点。

 まあまあかな。
 と彰自身そこそこ満足が出来た点数だった。 

 次は小夜の順番で選んだのは凍結まとだ。
 小夜は魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、水属性。水よ凍れ」
 詠唱する。
 魔法陣から氷の結晶が解き放たれ的に命中して、3メートル以上の範囲が氷付けになる。
 小夜・凍結的・147点。

 小夜は魔法陣を描いて、
「魔法陣にとおすは、地属性。槍となり貫け」
 詠唱する。 

 全長2メートル越えの岩の槍が的を直撃。

 小夜・条件なし的・100満点。

 小夜も合計200点を大きく越えてそこそこ満足出来た。

 凍結・燃焼・感電的は、徹底的に破壊したとしても条件を満たさない限りは点数は0だ。
 怪獣といえども少女達である事には間違いないはず? パンチングマホマシンで明らかに点数負けしていた事実はそれなりにショックだった。年齢的には、カッコいいお兄さんお姉さん的な立場だから。
 彰と小夜は怪獣らに対してドヤ顔の表情を隠しきれなかった。

 対して萌衣は対抗心も燃やして夕維・妹にも良い姿を見せたかったが、ルールが不利すぎる。

 月属性の攻撃魔法を知らない萌衣は条件なしの的を選び月属性に血のちからを付与して、無詠唱で魔力のエネルギー弾を2回放った。

 萌衣・条件なし的・100点満点。
 萌衣・条件なし的・100点満点。
 無詠唱ボーナス・50点。
 無詠唱ボーナス・50点。

 この結果に思わず萌衣は目をパチクリさせた。
 彰も小夜も目をパチクリ。 

 萌衣は思う。
 無詠唱ボーナスって何? ボク基本的に月属性の攻撃魔法の詠唱知らないんだよね。
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