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Act 5. 祭に興ずる鳥
いざ、バスケ?
しおりを挟む学園祭に浮かれる校内の姿は、昔も今も変わらない。
劇や出し物をしている教室の装飾はどこも派手だったが、よく見てみると発泡スチロールや色を塗った新聞紙や木だったりと、ある材料で上手く装飾がなされていた。
俺たちは渡り廊下に並ぶ屋台や店で、焼きそばやらたこ焼きを買って歩きながら、俺と日下は薫がやっている部活の出し物へと向かった。
第2体育館は他の運動部系の出し物が多くやっているようで、割とアクティブなミニゲーム的な出し物が多かった。
日下の話によると、レギュラーの選手からポイントを取ると景品が貰えるシステムで、バスケ部の他に、バトミントン部、卓球、カーリングにフットサルと初心者でも簡単に出来るよう部活はこういった出し物をするらしい。逆に水泳部とか、馬術、アーチェリー部等は飲食系に回っているらしい。
広い体育館は、各運動部でどこも賑わいを見せていた。
「あ、伊織ちゃんっ! 薫おったで!」
「どこ?」
「あっこのゴール下」
日下の指が指す方を見ると、薫が参加者を前にガードしているところだった。
190cm近くある薫にゴール下でガードされたら、フェードアウェーでもしなきゃ入らないだろう。フェードアウェーでも少し厳しいか。
と、自然と頭が策略を練り始める。
「よっしゃ、薫ちゃんから一本決めてやろーや!」
「それいいな」
俺と日下は競争するように、バスケ部の受付まで走りだした。
「かーおるちゃんっ!」
単純な点取りゲームが終わった薫を日下が呼び止める。
「ああ、来たのか」
「来い言ったん薫ちゃんやろうが」
「それより、もう昼食べたか?」
「いや、まだだ」
さっき一緒に買っておいた焼きそばとたこ焼きを薫に渡した。
「悪いな、伊織」
「俺ら薫ちゃんから一本取るから覚悟しといてや」
「ハンデつけてやろうか?」
「いらんわっ!」
日下が噛み付くように言って、ずかずかとコートの中に入っていく。
「ゲームは2つ。ストリートかフリースローだ」
本来のストリートはハーフコートで1対1、3対3とかだが、今回のゲームは景品が豪華なこともあって、バスケ部員3人に対して1人で攻めるものらしい。
フリースローは、5本中3回入れば小さめの景品が貰える、とのことだ。
ちなみに景品は学内生なら、食券1ヶ月分。フリースローだと一週間分が貰えるらしい。
「俺は薫ちゃん抜きたいからー、ストリートで」
「じゃあ、俺も」
フリースローかストリートかって聞かれたら、ストリートに決まってる。
俺がそう言うと、日下が焦ったように止めに入った。
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