上 下
39 / 173
Act 3. 学園に入った鳥

愛しい半身(side:Ibuki)※※

しおりを挟む
※R18/双子近親

(Ibuki.side)

「来い」

 腕の袖で涙を拭き、僕は織の言葉をバネに、目の前のピンク色の唇に貪りついた。唾液を交換するように舌を絡め合い、舌先で喉の奥から上の歯の裏にかけてなぞっていく。

「ふっ……ん……」

 感じているのか織が眉を寄せ、鼻に抜けるような声を出した。
 お互いの吐息。
 水音と、鼻に抜ける織の声。
 快楽から逃れようとする織の眉に寄せた表情。

 織の全てが僕の頭をおかしくさせる。
 まるで媚薬を飲んだかの様に、思考が欲望へとなだれ込む。

「んっ……」

 唇を離すと、織がとろんとした目で見上げてきた。その濡れた瞳に抑えていた欲望が決壊したように感じた。
 余裕なんて一つもない。今だって、今までだって。
 もう一度唇に噛み付きながら、部屋着を押し上げて、左手で胸の突起を弄る。

「…っ…ぅん」

 右手は下着の中に手を入れ、太ももの裏筋から織の雄の周りにかけて手を這わす。

「あっ……やめっ、ろ」

「やめない」

 あくまで中心に触らない僕にもどかしさを感じているのか、織の腰が揺れた。縋るような織の瞳が、僕を捉える。
 心が満たされていく気がした。

「触ってほしい?」

「分かってる、だろ」

「勿論、織の事なら」

「早くしろっ…」

「痛かったら言って」

「ん」

 その言葉を合図に、僕は織の雄に手をかけた。

 既に限界近くまで屹立に指を這わせ、膨らんだ所の形を辿る。
 胸の突起をいじり、織に口づけをしながら、右手は鈴口を親指で白濁を塗り広げながらくちゅくちゅと転がすように撫でる。

 小さな白濁の入り口に指を押し付けると、織の身体がビクッと跳ねた。

「ぁっ…!」

 小さな喘ぎと共に、白濁が溢れ出してくる。脱力する織の身体と、上下に大きく動く胸。あまりの早さ相当恥ずかしかったのか、織は両腕で自分の顔を覆い隠してしまう。
 織のプライド的に、弟より早くイクのは許せなかったのだろう。

 孤高なプライド。揺るがない瞳。

 いつだって織は、僕に正しい道を示してくれた。
 頭の出来なんて最初から違う。
 双子だけど、織は天才で、僕は出来損ないだ。
 だけど、そんな僕にずっと付いててくれた。僕が分かるまで、何度も何度も教えてくれて、励ましてくれた。

 僕だけが織を独り占め出来た。

 勉強が出来れば、誰よりも一番に織が喜んでくれた。アメリカにいる時も、自分の事よりも、一番に僕の事を考えてくれた。

 一番身近な存在。
 愛しくて自慢の僕の半身。

 だけれど、織の中に、時折他の誰かを感じる時がある。
 それが酷く遠くに感じて、不安に押しつぶされそうになる。

 そんな織と、やっと一つになれるんだ。
 これ以上の幸せが、この世の中にあるはずがない。

「隠さないで」

「嫌、だ」

「僕を見て」

 白濁に濡れていない方の左手で、織の腕を解くと、涙に濡れた織が恥じらいながら目を逸らす。

「可愛い」

「お前のが、可愛い」

「愛しくて、胸が張り裂けそう。……世界に織だけ居ればいい」

 誓いのような触れるだけのキスをした。

(side:Ibuki end)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

親父は息子に犯され教師は生徒に犯される!ド淫乱達の放課後

BL
天が裂け地は割れ嵐を呼ぶ! 救いなき男と男の淫乱天国! 男は快楽を求め愛を知り自分を知る。 めくるめく肛の向こうへ。

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う

らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。 唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。 そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。 いったいどうなる!? [強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。 ※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。 ※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。

超絶美形な俺がBLゲームに転生した件

抹茶ごはん
BL
同性婚が当たり前に認められている世界観のBLゲーム、『白い薔薇は愛の象徴となり得るか』略して白薔薇の攻略対象キャラである第二王子、その婚約者でありゲームでは名前も出てこないモブキャラだったミレクシア・サンダルフォンに生まれ変わった美麗は憤怒した。 何故なら第二王子は婚約者がいながらゲームの主人公にひとめぼれし、第二王子ルートだろうが他のルートだろうが勝手に婚約破棄、ゲームの主人公にアピールしまくる恋愛モンスターになるのだ。…俺はこんなに美形なのに!! 別に第二王子のことなんて好きでもなんでもないけれど、美形ゆえにプライドが高く婚約破棄を受け入れられない本作主人公が奮闘する話。 この作品はフィクションです。実際のあらゆるものと関係ありません。

俺の番が変態で狂愛過ぎる

moca
BL
御曹司鬼畜ドS‪なα × 容姿平凡なツンデレ無意識ドMΩの鬼畜狂愛甘々調教オメガバースストーリー!! ほぼエロです!!気をつけてください!! ※鬼畜・お漏らし・SM・首絞め・緊縛・拘束・寸止め・尿道責め・あなる責め・玩具・浣腸・スカ表現…等有かも!! ※オメガバース作品です!苦手な方ご注意下さい⚠️ 初執筆なので、誤字脱字が多々だったり、色々話がおかしかったりと変かもしれません(><)温かい目で見守ってください◀

元会計には首輪がついている

笹坂寧
BL
 【帝華学園】の生徒会会計を務め、無事卒業した俺。  こんな恐ろしい学園とっとと離れてやる、とばかりに一般入試を受けて遠く遠くの公立高校に入学し、無事、魔の学園から逃げ果すことが出来た。  卒業式から入学式前日まで、誘拐やらなんやらされて無理くり連れ戻されでもしないか戦々恐々としながら前後左右全ての気配を探って生き抜いた毎日が今では懐かしい。  俺は無事高校に入学を果たし、無事毎日登学して講義を受け、無事部活に入って友人を作り、無事彼女まで手に入れることが出来たのだ。    なのに。 「逃げられると思ったか?颯夏」 「ーーな、んで」  目の前に立つ恐ろしい男を前にして、こうも身体が動かないなんて。

管理委員長なんてさっさと辞めたい

白鳩 唯斗
BL
王道転校生のせいでストレス爆発寸前の主人公のお話

処理中です...