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Act 3. 学園に入った鳥

従者or先輩?

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 5、6限は体育だったらしく、教室には誰も居なかった。
 机の上には新品の体育着が、体育館までの地図と共に置いてあった。

 机の横に掛けている鞄から携帯を取り出すと、15件着信が入っている。
 電話の主は伊吹と知らない電話番号が2件。
 その電話主は、メールを確認すると、日下と薫だという事が分かった。2人のメールの内容は、伊吹からメアドと電話番号を聞いた旨と共に、2人のアドレスが添付されていた。

 俺はそれを登録すると、廊下で待つ神の元に戻って、赤外線でアドレスを交換した。

「体育のようですね」

「そうだな。体育って途中から入れそうな授業か?」

「入れなくもないとは思います。俺が教師に口添えしましょうか?」

「いや、そこまで迷惑かけるのも悪いから、自分で何とかする」

「ですが……」

「神も授業あるだろうし、本当に1人で大丈夫だから」

「分かりました。何かあったら、メールして下さい」

「色々助かった。ありがとう」

「伊織さんの役に立てるなら、これ位大した事じゃありません」

「あんまり甘やかすなよ。コキ使いまわすぞ」

「With pleasure.(喜んで)」

 飄々とそう抜かすと、西洋の騎士の様に膝を折り、俺の手の甲にキスをした。

「Yuck.(げっ)」

 やっぱりこいつ、苦手だ。

 着替えが見たいと抜かす変態と漸く別れを告げ、俺は地図を片手に体育館に向かったのだった。
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