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Act 2. 生まれ変わった鳥

成長→高校

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 あと密かにびっくりした事は、双子だったという事だ。

 俺は双子の兄で、伊吹が弟。
 伊吹の方が格好いい名前だったから、交換して欲しかった位だ。

 ブロンドに、色素の薄い碧の目。一卵性の為か、外見はそっくり。最初は鏡を見ているのかと思った。おばあちゃんがイギリス人らしく、俺たちはイギリス人のクォーターになるらしい。

 3大びっくり。3度おいしい?

 おいしく見えておいしくないのは、18歳の精神を持っていながら、子供のフリをしなくてはいけない事だった。幸い伊吹が居た為、伊吹の真似をすれば子供がどういう行動をとるのか、良いお手本があったから目に見えた失敗はなかったが。

 俺の異常な理解力に気がついたのは、両親だった。

 両親達が話す会話を、ふんふん、と聞いていたのがまずかったらしい。普通の子供は、ぽかーん、と聞くべきところだったのだ。

 そんなの知るか。とも思ったが、伊吹をちらりと見ると、確かにぽかーんとした表情を浮かべていた。

「伊織は天才だ!」

 父様が随分喜んだのを覚えてる。

 あ、ちなみに、この家庭では、父様母様で呼ぶのが基本。(もちろん、小さいときはパパとママ)
 その頃は、父様はよく俺と伊吹を社交の場に連れて行った。

 製薬会社の社長の父と、元CA(キャビンアテンダント)の母親の家柄の良さもあってか、何一つ不自由する事がなかった。小学校にあがると共に、家庭教師を付けてもらえた為、勉強に困る事もなかった。

 天才、将来有望。

 いつしか俺について回る代名詞になったが、高校生まで終えている俺にとって負担ではなかった。



 しかし、歪みというのは生まれるもので、俺が出来る反面、弟である伊吹への風当たりは酷かった。
 両親は惜しみない愛情を注いでくれるが、周りは結果でしか評価しない。

 父様は社交会に俺らを出す事を避けた。これ以上伊吹が傷つかないようにする為、と夜な夜な母様と話し合っていた事を聞いた事があった。

「織にどうやったら、追いつける?」

 周りの期待に答えるべく真剣に訪ねてくる弟に、俺も必死で勉強を教えた。家庭教師が見ていないときは、全部俺が伊吹に知識を教え込んだ。

 その甲斐あって、ずっと俺の隣で一緒になって勉強するためか、伊吹もどんどん知識を吸収していった。

 この遺伝子の脳はつくづく出来が良いらしい。知りたいと思った事は、際限なく記憶する事が出来た。



 中学に上がる頃には、伊吹も高校生だった俺と同じ位の知識量で、2人でアメリカ留学し、高校の年齢になる頃には博士号を取得して日本に帰国を果たしたのだった。
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