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第二章
救いよう
しおりを挟む「ああ!!うちのプリンセスはなんていい子なんだぁ!こんな奴らに対しても気遣いを欠かさないとは流石私の娘だ!」
「やだわお父様、これくらい当然ですわ」
フリーズしてる私達をよそに目の前の親子は呆れるくらいの親馬鹿ぶりとファザコンぶりを発揮していた
この親子、揃いも揃って話にならない
ていうか、百歩譲って私だけの時ならまだいいよ、冗談で済ませられるんだから
でも、うちの親に対してあの口の利き方はない
いくらまだ子供だからと言って一家の令嬢だ
しかもウォーレイ家はそんじょそこらの家じゃない
この親子はそんなことにも気づかないのか……それか気づいてて敢えてやったことだと言うなら
「「救いようがない」」
タイミング良くお父様と声が被った
どうたら同じ事を考えていたみたいだ
救いようがない、確かに今のままじゃそうだ
でも、アイシャちゃんならまだなんとかなるかもしれない
子は親を見て育つって言うからな、ギーベルのおっさんはどうでもいいが、アイシャちゃんの方はもしかしたら言えば目を覚ましてくれない
何より、こんなかわいい子が無礼なままだと思われるのが勿体無い!!
よし!!ここはまず私がアイシャちゃんと仲良くなって両家の間にある何かしらの誤解を解くとしようじゃないか!!そしてよくよくはアイシャちゃんとちゃんとしたお友達に…あわよくば、し、親友にも…!!
「ギーベル様、少しアイシャ様とお話してもよろしいかしら?」
「は?」
「え?」
言うや否や、私はアイシャちゃんの手を引いて小走りを始めた
後ろからあのおっさんの声が聞こえるけどそんなん知ったことか
ここだけは同い年の女の子と話したい子どもを演じさせてもらうぜ!ってことで、ダディとマミー
よ!後は任せた!!
小さくて柔らかい手を握ってたどり着いたのはバルコニーだった
ここなら喧騒から離れられるし、今は誰もいないから好都合だと思った
繋いでいた手を離してアイシャちゃんと向き合えば、彼女は不機嫌そうな顔を隠そうともしていなかった
「急に失礼ではないかしら?」
「ごめんごめん、ちょっとアイシャちゃんと話したいことがあってさ」
「……奇遇ですわね、丁度私もあなたに聞きたいことがありましたの」
「そうなんだ!なんでも聞いてよ!私で答えられる範囲ならなんでも答えるよ!」
これは予想外!向こうの方から接点を持ってきてくれるとは!
ワクワクしたままアイシャちゃんの言葉を待つ
この時、私は本当に舞い上がっていた
最初から彼女がなぜか初対面である私を嫌っていたことも忘れて
「一体どんな汚い手を使ってソフィール殿下に取り入ったのかしら?」
聞こえてきたのは、今までと比べ物にならないくらいの棘があって憎悪と嫌悪が込められているような声だった
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