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死の大陸編 青年期
第246話. チビドラゴン
しおりを挟む「ん?どうゆうこと?」
『詳しい事は後から話すのでちょっと待っていてくれるか、リン』
「うん、いいよ!」
『バルジオスよ!、長いこと迷惑をかけたな!』
「おおおおおぉぉぉぉぉーーー、や、やはりジルだったかぁ!!!!」
『ああ、私だ!』
「よくぞ、生きていてくれたぁー!!あの時は本当にすまなかったぁ!!」
『バルジオスよ!私が不甲斐なかった所為でお前にまで迷惑をかけたな……私こそすまなかった』
「アイツがあの時、下に落ちたジルを吸収しようと俺にとどめを刺す前にすぐにジルを探しに行ったので、すぐに俺もジルがいる場所に向かったんだ」
『ああ、分かっていたよ』
「俺達はあの時、互いが視覚共有していたから、なんとか奴にジルの吸収だけは阻止しようと、急いでジルの元に向かったが、途中でいきなり視覚共有が遮断されたので、まさか奴に吸収されてしまったのかと思ったぞ」
『私もあの時、既に魔力が無く瀕死で倒れている所を魔族に心臓を貫かれてしまい、いよいよヤバい状態になったが、バジリスクよ、お前があの時に魔族を上空から攻撃してくれたおかげで、私はすぐに魔石で心臓を代用しながら生命を費やし、自身の身体を幼体レベルまで小さくしてから、すぐにその後ミリアン王国に転移したんだ』
「そうか、それで俺が魔族を倒した後にジルを探しても見つからなかったのか」
『ああ、しかし既にミリアン王国も魔族の手がかかっており、王国は崩壊寸前にまでなっていたが、私の友がすぐに安全な場所へと匿ってくれ、その場所で私は友に、事の顛末を一部始終伝え、私の最後の願いを聴いてもらう事にした』
『数百年後に再び魔族が復活する事はヤツが言っていたので、その時に備える為に私も傷ついた身体を万全の状態に戻すには幼体から更に卵へと還り生命そのものを休眠させなければいけなかったのだ』
『それからどれだけの年月が経ったかは知らないがある時、魔族が復活したのが分かり、私にはまだ卵から出られるほどの魔力も戻っておらず、ただただ焦りだけが生じていた。しかし、その時、奇跡的にリンに見つけられ、これも運命だと感じ、それ以降はリンの中で視覚共有しながら状況を把握する事が出来た』
おいおいおいおい、ちょっと待ってもらえますかね、なんだか突拍子もない展開になっているんですけど、このチビドラゴンがマスタードラゴンって事なのか?
『ただ問題だったのは私が完全に力を取り戻せておらず、孵化できない事だった!!』
『そこで私は考えた。リンとアースが契約の元、共同体であることを知っているので、私の孵化に必要な魔力を少しずつアースから回してもらう事にした』
んっ?んっ?待てよ・・・
「ちょっと取り込み中で悪いんですが、アースがいつもいつもお腹を空かせていたのは、ひょっとして、貴方に魔力を吸収され続けていたので、その魔力を補い空腹を満たす為にあの暴食のスキルを発動し続けていた原因は、それだったりします⁉︎」
『すまんっ!!』
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