転移失敗！！此処は何処？僕は誰？

死の大陸編 青年期

第１６６話. 確信

　少し離れた所でずっとこちらを伺っていた身なりの整ったオーガをサキが呼ぶとすぐにサキの元へとやって来る


　　「なんだ、サキ」

　「あのね、このお兄ちゃんがショーンとお話しがしたいんだって」

　「そうか、分かった！」

　「初めまして、リンと言います」
　
　「ショーンだ！すまないがサキとの会話は向こうで聴かせて貰っていたので大体の内容は分かるが、この私に何が聴きたいのだ？」

　「話しが早くて助かるよ！単刀直入に聞くけど貴方はサキ達の味方？それとも敵かな⁉︎」

　「貴様、何を言っている、私はサキの味方だ！」

　「それじゃ、今そこにいるサキの友達で巨人族のシモンは知っているかい⁉︎」

　「あぁ、知っているぞ」

　「じゃあシモンが昨日からずっと此処ここの牢屋で捕まっていた事は⁉︎」

　「何？シモンが捕まってた？」

　「貴方は知らなかったの？」

　「何？どう言うことだ」

　「それじゃ質問を変えるけど、ダンベルは何処どこにいるの⁉︎」

　「なぜここでダンベルが出てくるんだ？」

　「もぉ、話しが進まないじゃないか！まずは僕の質問に答えてくれないかな」

　「分かった、ダンベルは何やらラキの件で急ぎ調べたい事があるからと外に出て行ったぞ」

　「それは直接ダンベルが貴方に言ったの？」

　「いや、ローゼンからだが」

　このショーンの返答で僕の中でオーガの裏切り者がローゼンだと確信する

　そしてローゼンはシモンの存在がダンベルに知られてしまったので、証拠を消す為に此処から連れ出したのだろう

　力の差はダンベルが上だろうが、巨人族の反逆者達と合流なんて事になってたら、まず勝ち目はないだろう

　そうするとやはり、急ぐに越したことはないか