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死の大陸編 青年期
第163話 サキ
しおりを挟む「どうしよおーーー」
「おそらく事態を深刻に受け止めたオーガの頭領がすでに動いてるよ」
「えっ?サキのお父さんが」
「そう、そして日付が変わって今日になるが、昨日の件でオーガ3人は戻って来なかったので、オーガの頭領自ら巨人族の住んでる集落に向かったと思うんだよね」
「それでサキの父さんが、ここにいないんだね」
「だから今頃、巨人族とオーガの頭領同士が話し合いをしているか、もしくは戦ってたりしてるんじゃないのかな⁉︎」
「えっ⁉︎僕の父さんと?そんな!リ、リ、リンの予想だよね⁉︎」
「うん!僕の予想だけどね」
「そうだよ、サキの父さんが何とかしてくれるよ」
「巨人族の集落はここから1時間位行った所で川の上流の岩山あたりにあるんじゃない⁉︎」
「そ、そうだよ!何で分かるの⁉︎」
実はすでにオーガの頭領が巨人族の場所にいる事は探知で確認済みだだったが、今の状況から考えてもシモンには言えず、先に確認したい事もあったので、ただ可能性として伝えた
「やっぱりね⁉︎じゃあサキに会いに行ってみるか!」
「えっ?行けるの?サキの場所に?どうやって」
「今、僕が言ったことは考えられる可能性なので、当然違ってるかもしれないけど、もしそれが現実だったらシモンはどうする?」
「えっ?それは絶対に嫌だ!リン!お願いします!僕も一緒に連れてって下さい!!」
いかん、いかん、自分から面倒事にどんどん首を突っ込んでいるではないか!!
「リン様、素敵です!流石、私のリン様です!」
おい、エミリーよ!何かボソッと言ったよね
「私はリン様に何処までも付いて行きますわ」
・・・・・
「仕方ない、僕も推測を検証する必要があるので、行くか!」
「はい!リン様」
「ありがとう、リン」
「じゃあ急ぐから付いて来て!」
「えっ?どうやって?」
僕は探知を使い周囲を確認しながらサキがいると思われる建物に行く為、まずは今いる牢屋から出て行く
おそらくサキが居るのは昨日確認した強い反応があった場所に間違いないだろう
サキがオーガの頭領の娘であるならば、当然その場所に居るだろうと思い行動する
今は反応がないが、その場所はすでに分かっているので、そこにサキがいる前提で牢屋の建物を出てからその場に飛んで向かう
シモンは初めての強制飛行だった為、まさか自分が飛んで行くなんてこれっぽっちも思っておらず、ただただ空中で手足をバタつかせた状態のまま飛んでいた
あっという間にサキがいると思われる建物に到着したが、その周辺にいたオーガ達にすぐ見つかり一気に詰め寄られ包囲される
「はい!ではシモン君、大きな声でサキを呼んでやって下さいな!」
「うん、分かったよ!リン」
「では、ヨロシク」
「サアアキイイィィーーー!!!!俺だよ!!シイィモオォォーーンだぁーー!!いぃたぁらぁーーこぉーこぉーにいぃーーきぃてぇくぅれぇーー!!」
キーーーン!
流石、シモン君だ!巨人族だけあって耳がおかしくなりそうな声量をしていたが、始めての飛行で腰が抜けていたのか地面に座り込んだ格好で叫んでいた
あぁ、まだ耳がキーンって鳴ってるよ
オーガ達もビックリして更にオーガが集まって来ちゃいました
すると建物の中から女の子が走って来る
サキと思われる女の子の後ろを追うように護衛の1人とお母さんの姿があり、シモンだと分かると少し距離を置いてずっと此方を伺っている
「シモン!無事だったのね、生きていたのね!」
「ごめんねサキ!心配かけちゃったね!でもホントにサキが無事で良かったぁ!!無事で!」
「シモンはあれからどうしてたの⁉︎お兄ちゃんは?」
「僕はあれからすぐサキを追いかけて来たんだけど此処で捕らえられてしまって、牢屋にいたんだよね」
「えっ⁉︎なんで⁉︎」
「君がサキかい⁉︎すまないがちょっと急いでいるから僕の聞きたい事に答えてくれないか」
「貴方は誰⁉︎」
「サキ!ごめんけど今はこの方の言う事に答えてくれるかい」
「分かったわ、シモンが言うのなら」
「すまないね!僕の名前はリン」
「私はサキです」
「まず君に教えてもらいたいのは昨日シモンと離れてからの行動を詳しく教えてくれるかい」
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