上 下
153 / 260
死の大陸編 青年期

第150話 点と点

しおりを挟む


 アトランティー先生から過去の出来事や魔族に関しての貴重な情報が聴けたことで、何やら点と点が繋がり始める


 これで過去の出来事に対して、ある程度の確信が自分の中で持て始めた

 アトランティーと会話をしている内容は僕にしか聴こえてないので、当然ながら内容も僕にしか分からず周りからしてみれば、その場に突っ立ってるだけでしかないんだが、エルフからして観れば一目瞭然で僕とアトランティーが会話しているのをみんなは知っている

 アトランティーとの会話を終えると、待っていましたと言わんかばかりにエミリーが僕の腕にしがみ付いてきた

 「リン様!精霊様との会話は終わりましたか⁉︎もう大丈夫ですか⁉︎」

 何故こうもエミリーには僕とアトランティーとの会話が終わったのがすぐに分かったのか疑問に思えたので聞いてみる

 「大丈夫!今終わったけど、何故エミリーは僕とアトランティーの会話が終わったと思ったの?」

 「それは、精霊様がリン様から離れられましたからです!」

 「んっ?そんなのがエミリーには見えるの?」

 「はい、見えます」

 それはエミリーだけが見えるのか、それともエルフだから見えるのか疑問に感じた

 「それってみんな見えてるの?」

 「はい、見えています!・・・精霊様、リン様にお応えしてもいいでしょうか?」

 「構いません!聴くより見たほうが早いでしょう」

 「あぁ、なるほど!」


 エミリーとアトランティーがやりとりを始めた事で、ようやく僕も謎が解けた

 アトランティーと交信している時は光り輝く樹木の一部である光の粒子がエミリーにまとわりつくように付着していた

 そしてアトランティーからの声が聞こえなくなる時は光の粒子が樹木に戻っていたのだった

 「そういうことだったのね、ありがとう、エミリー」

 「いえ、とんでもありません、リン様のお役に立てれば私はそれだけで・・・・」

 それだけでのあとがなんだか気になるが、ふれちゃいけないと思いスルーする


 横でエミリーが満面の笑みを浮かべていたので、そのまま一緒に宴会の席へと戻る


 いまだにアースは美味しそうに次々と骨付き肉にかぶりつき、必死にまだ食べているじゃないか

 「リィン、お話しは終わったの⁉︎このお肉美味しいよぉ!」

 ・・・・・・・

  何も言葉がでない!

 「フェンリル様!まだまだ沢山のお肉を準備していますのでゆっくりと召し上がってくださいね」

 「うん!エミリー!美味しいねぇー」

 ・・・・・・・

 「⁉︎」

  皆んなが飲み食いしてる最中に数人のエルフとビリーがこの場から離れて行くのが目に入る

 急ぎ足でこの場から離れて行く際に何やら会話しながら弓矢と剣を取り出し、走って行く姿を他のエルフも観ているが慌てる事もなくそのまま何事もなかったかの様に皆んなは宴会を続けている

 ひょっとしてこれはアース君が相当量のお肉をずっと食べ続けているので追加の食材確保に向かったのではと思いアースに振り返ると

 「どうしたのリン⁉︎食べないの⁉︎お肉美味しいよお!!」

  ・・・・・・・

 申し訳ないと思っていると、横からエミリーが僕にしがみ付いたまま、あれやこれやと食べ物を取り分けてくれている


 それから数十分が経ち先程出て行ったビリー達御一行ごいっこうが戻ると、それから普通に何も無かったように飲み食いを始めている

 とりあえずビリーに一言お礼を言っておこうと思い席を立つと、エミリーがすぐに気付きビリーを呼びに行ってくれた

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

追放された付与術士、別の職業に就く

志位斗 茂家波
ファンタジー
「…‥‥レーラ。君はもう、このパーティから出て行ってくれないか?」 ……その一言で、私、付与術士のレーラは冒険者パーティから追放された。 けれども、別にそういう事はどうでもいい。なぜならば、別の就職先なら用意してあるもの。 とは言え、これで明暗が分かれるとは……人生とは不思議である。 たまにやる短編。今回は流行りの追放系を取り入れて見ました。作者の他作品のキャラも出す予定デス。 作者の連載作品「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」より、一部出していますので、興味があればそちらもどうぞ。

キャンピングカーで往く異世界徒然紀行

タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》 【書籍化!】 コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。 早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。 そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。 道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが… ※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜 ※カクヨム様でも投稿をしております

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました

ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。 会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。 タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

処理中です...