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死の大陸編 幼少期
第28話. フェンリルの棲家8
しおりを挟むtheフェンリル母が僕に語りかけてくる
「リンよっ!」
「はい、なんでしょう」
「あなたには、知っておいてもらいたいのでいくつか言っておく事があります」
「はい」
「私達フェンリルはこの世界では神獣と呼ばれている高貴な存在です。神獣とは限られた種の個体が繰り返し進化を続けて行く事で、その種の生態系の頂点に上り詰め、最終的に神獣と呼ばれる領域に達するのです」
「やがて子孫を残し自身の終の棲家を探し求め、その場所を見つける事でそこは領域となり、生涯を通してその地をずっと護り続ける事になります」
「世界にはいくつもの領域があり、私達のようにその地を護るとされる神獣や聖獣と言った存在が各地に点々とあります」
「そして貴方とアースはたった今、契約に基き契りを交わしました。これはアースの生命が貴方と繋がりを持ったと認識してください。アースが行った契約により、種は違えど私達も貴方を家族として受け入れます」
「私達、神獣の名は同族と認めた者以外に明かす事は本来ありません。それは血族の契りにより禁じられているからです。……相手に意思の決意を持って名を明かす時は、その者の眷属になると言う覚悟が必要とされます」
「今回、アースはリンとの契約を結びはしましたが、ヒト族の寿命と私達フェンリルとの寿命とでは時の進み方が異なるため、必ず先にリンが一生を終えてしまうでしょう」
「リンが一生を終えたその瞬間、貴方達2人に交わされた契約もなくなります」
「よってこの契約とは簡単に、誰でもが交わす事も破棄する事もできるものでもありません」
「契約出来うる者も神獣や聖獣クラス以上の、知識と理性のある高貴なる者に限られます」
「低俗な魔物は理性を持ち合わせておらず、進化を繰り返して行く過程で二足歩行で歩けたり、魔法を使えたりできる程度です」
「高度になると会話や念話が出来るまで、度重なる進化が必要とし、理性を持ち得た存在に限られます」
「アースは貴方と出会い、そして貴方を選び共に生きる選択を致しました。であれば親である私達は、貴方達をこれから先も見守り手助け致しましょう」
深い!なんかめちゃくちゃ深い内容になってしまい話しについて行くのに精一杯だ
「ありがとうございます」
急な展開からのカミングアウト
theフェンリル母の言っている事が現代離れし過ぎていて、さっぱり意味が分からないんですけど!
ただ、そんな雰囲気のなか、もう一度それを聞ける勇気もなく、僕はお礼を言う位しか出来なかった
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