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死の大陸編 幼少期

第14話. 貯蔵庫

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 「残りの分は今日の夜に食べさせてあげるから、それまで我慢しようね!」

 「ホントっ!うん、分かったぁ‼︎」

  「その代わり君がいる洞窟で寝かせてもらうからね」
 
 「うんっ、いいよぉ‼︎」

 絶対にコイツは食べ物の誘惑には勝てないなと思った瞬間だった


 意外とあっさりフェンリルの許可が出た事もあり、この後フェンリルに魔法の事をいろいろと教えてもらってから洞窟に向かった

 洞窟に着くなりすぐに釣った魚を保存しておける冷蔵庫の様な物を準備したかったので、地魔法の練習を兼ねて貯蔵庫制作にチャレンジしてみる

 魚10匹と保存量が少ないので、小さめのサイズにしてみたけが、それでも余裕で僕が中に入れる大きさではある

 岩をくり抜き、扉で蓋する簡単な造りの貯蔵庫第がなんとか完成したので、中に入ってみるとかなりヒンヤリとしている

 これにあと氷があれば充分に食材を置いておける

 今はこれで充分なので残りの魚を貯蔵庫内に置き、入口を閉めて完了!

 「よし!次は氷魔法を覚えてお肉を冷凍保存したい」

 フェンリルと話しがしたいと思い、洞窟内を見渡すが・・・・

 既に洞窟にはおらず、どこかに行っていた。

  どうせまた、そこにある岩山にいるんだろうと思い気配を探ってみるが、どうやらこの近くにはいないようだった


 この際なので、小さい反応がいる場所に直接行ってみて、どんな生物がいるのか、この眼で確認してみようと思い1人で洞窟を離れる

 危険が伴うので極力、更に極力小さな反応を見つけて近くまで歩いてやってきた

 どんな魔物か分からないので、ゆっくりと近付き警戒しながら進んで木陰から恐る恐る覗くと、そこにいたのは昨日の夜に見た、頭と胴体がバラバラになっていたブラックパイソンがとぐろを巻いて眠っていた

 でかい!

 昨日の蛇も大きかったが、コイツは更に大きい!

 極力小さい反応を選んだつもりなのだが、実際に見る個体としては大きい

 個体の大きさと生命反応とでは別々に考えた方がいい事が分かった!

 フェンリルの見た目は小さいのに生命反応は桁違いに大きいのに対してこの蛇は生命反応は相当小さいのに実物は巨大だ!!

 ホントはコイツ図体ずうたいだけで実は弱いんじゃないかと思ってしまう

 なんせ昨日の僕は意識がなく、起きたら隣に頭と胴体だけがあったんだから、強さなんて分かるわけがない

 その後はみるも無残な姿でミンチになり、最後はまる焦げにされたうえ、僕がその周辺を岩山にしてしまった

 あっ‼︎

 そう言えば頭だけはまだ、何処どこか近くに転がってるんじゃないかな

 そんな事を考えながら、今日の夜ご飯はこの蛇に決定する

 食べれるのかどうかも分からないが、この世界に来て僕の感覚はおかしくなっているんだろう

 本来ならこんな大きな蛇を見たら普通は真っ先に逃げるのだろうが、僕は逃げるという選択肢よりも魔法の練習相手として見ていた

 今は使えるレパートリーが少ないが風魔法を試したかったので、僕の使う魔法がこの蛇にどこまで通用するのか知りたかった

 それがこの蛇の最後の命運尽きる事となる
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