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6 : 初めてのクエスト③
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支度をしているとケニルは僕に剣を渡してきた。
「え?これ僕が使うの?」
「ああ!これからその剣はずっとお前の物だ!大事するんだぞ!」
断ろうとしたが、その剣には『Aluma . skulallt 』と刻まれていた。剣が僕をキラリと写す。少し自信が持てた気がした。
「よし、いくぞ!」
そうケニルの声が聞こえ、僕は船を出た。
島の入り口にゴブリンの姿はなかった。きっと何処かに固まっているのか、それとも近くに隠れているのか。汗が頬を津足るのが分かった。すると僕の近くで音が聞こえた。
カサカサ……カサ。その音はケニルにも伝わっており、ケニルはジェスチャーで静かにね、と表した。
音の主へ近づき、剣を構える。そしてゴブリンが草影から出てきた。
「うわっ!」僕は間抜けな声を出して、尻をついてしまった。ケニルはそれを予知していたかのように、直ぐ様にゴブリンを殺った。血が飛び散り、服に模様を作る。そして、ケニルは僕の手を引いて立ち上がらせた。
「よし、まず一体だな!まだまだ来るから頑張ろーぜ!」
「う、うん!」
その後も僕は沢山の迷惑をかけた。迫り来るゴブリン達はほぼ、ケニルによって殺され、僕はケニルに目が行ってるゴブリンを後ろから刺した位だ。ゴブリンの五分の四くらいだろうか。まあ、とりあえず僕達は特に怪我もなく、無事にリューズシーへ戻った。
リューズシーに戻ると、直ぐ様に役所の受付へ向かった。クエストを達成したこと、報酬の契約等、ケニルが全て話を進めていった。報酬は薬草と金、そして戦闘力だった。その途中、役所内の方が僕に話しかけてきた。
「あら?そこの勇者さん、『カノン』は持っていらっしゃらないんですか?『カノン』がなかったら、戦闘力の増加が難しいですが。」
『カノン』?何だ、それ。するとケニルが
「ああ!忘れてた!じゃあこいつの分の『カノン』作ってもらっていいか?」
「かしこまりました。少々お待ちを。」
そう言って、役所の奥の方まで走っていった。
「すまんな、お前の分作るの忘れてたわ。」
「あの……『カノン』ってなに?」
「そうだなー…簡単に言うと、自分の戦闘力、体力とかいろんな情報が『カノン』に全て記されているんだ!えっとなー、俺の見てみろ。」
と言ってケニルが自分の腕を見せてきた。見ると、赤く水晶が輝いたブレスレットがあった。
「綺麗だろ?これが…えっと報酬契約完了っと。よしおっけ!」
そう言うと水晶が光り、何処からかも分からない声が聞こえた。
-戦闘力、を獲得しました。取り入れ中、取り入れ中……。完了しました。戦闘力ステータス合計、現在1200、1200-
水晶が戻り、謎の声も消えていった。そして終わったと同時に、さっきの人が戻ってきて、僕にケニルと同じような青色の『カノン』を差し出し、契約をした。ケニルが『カノン』を僕の腕に通し、くくりつけた。着けた瞬間、一瞬きつくなり、そして戻り、と動きが止まり、一生離れない設定になったらしい。僕もこれで、戦闘力が……。そう思い、カノンに触れる。すると同じように、水晶が光りだした。
-戦闘力取得中、戦闘力取得中…………。獲得失敗しました-
と言い切って声が消えた。おい、僕の戦闘力、おい!!
「ア、アルマ…。ど、どんまい…。」
さすがにケニルも気を使った。
やっぱり、僕はいくら戦ったって無駄だ…。もう……。
そう諦めかけると、ケニルは僕の思考を止めることを言った。
「なあ、これから旅をしないか?魔王を倒しに、一緒に!」
「へ?な、何で?」
「俺が魔王に復讐したいのと、アルマを強くするためだ!」
「い、良いのか?僕、足手まといになるし…」
今言ったことは本音だ。僕がケニルを死に引き摺ってしまうかもしれない。
「足手まといにならないように、俺が強くするんだ!」
「え、ええ…」と引きぎみに言った。
するともう話は早く、僕の手を掴んで港へと向かおうとしていた。
「ほら!行くぞ!船がもう出発する!!」
僕はもうケニルの思うがままに、船へ全力疾走した。
何とか船に乗り込み、今僕は船に揺らされている。
そういえば、今何処に向かってるんだろう…。ケニルに尋ねた。
「え?知らねーけど…」
「……。」僕は言葉を失い、ケニルの馬鹿さに呆れながら、船の行く手を待つようにした。
「え?これ僕が使うの?」
「ああ!これからその剣はずっとお前の物だ!大事するんだぞ!」
断ろうとしたが、その剣には『Aluma . skulallt 』と刻まれていた。剣が僕をキラリと写す。少し自信が持てた気がした。
「よし、いくぞ!」
そうケニルの声が聞こえ、僕は船を出た。
島の入り口にゴブリンの姿はなかった。きっと何処かに固まっているのか、それとも近くに隠れているのか。汗が頬を津足るのが分かった。すると僕の近くで音が聞こえた。
カサカサ……カサ。その音はケニルにも伝わっており、ケニルはジェスチャーで静かにね、と表した。
音の主へ近づき、剣を構える。そしてゴブリンが草影から出てきた。
「うわっ!」僕は間抜けな声を出して、尻をついてしまった。ケニルはそれを予知していたかのように、直ぐ様にゴブリンを殺った。血が飛び散り、服に模様を作る。そして、ケニルは僕の手を引いて立ち上がらせた。
「よし、まず一体だな!まだまだ来るから頑張ろーぜ!」
「う、うん!」
その後も僕は沢山の迷惑をかけた。迫り来るゴブリン達はほぼ、ケニルによって殺され、僕はケニルに目が行ってるゴブリンを後ろから刺した位だ。ゴブリンの五分の四くらいだろうか。まあ、とりあえず僕達は特に怪我もなく、無事にリューズシーへ戻った。
リューズシーに戻ると、直ぐ様に役所の受付へ向かった。クエストを達成したこと、報酬の契約等、ケニルが全て話を進めていった。報酬は薬草と金、そして戦闘力だった。その途中、役所内の方が僕に話しかけてきた。
「あら?そこの勇者さん、『カノン』は持っていらっしゃらないんですか?『カノン』がなかったら、戦闘力の増加が難しいですが。」
『カノン』?何だ、それ。するとケニルが
「ああ!忘れてた!じゃあこいつの分の『カノン』作ってもらっていいか?」
「かしこまりました。少々お待ちを。」
そう言って、役所の奥の方まで走っていった。
「すまんな、お前の分作るの忘れてたわ。」
「あの……『カノン』ってなに?」
「そうだなー…簡単に言うと、自分の戦闘力、体力とかいろんな情報が『カノン』に全て記されているんだ!えっとなー、俺の見てみろ。」
と言ってケニルが自分の腕を見せてきた。見ると、赤く水晶が輝いたブレスレットがあった。
「綺麗だろ?これが…えっと報酬契約完了っと。よしおっけ!」
そう言うと水晶が光り、何処からかも分からない声が聞こえた。
-戦闘力、を獲得しました。取り入れ中、取り入れ中……。完了しました。戦闘力ステータス合計、現在1200、1200-
水晶が戻り、謎の声も消えていった。そして終わったと同時に、さっきの人が戻ってきて、僕にケニルと同じような青色の『カノン』を差し出し、契約をした。ケニルが『カノン』を僕の腕に通し、くくりつけた。着けた瞬間、一瞬きつくなり、そして戻り、と動きが止まり、一生離れない設定になったらしい。僕もこれで、戦闘力が……。そう思い、カノンに触れる。すると同じように、水晶が光りだした。
-戦闘力取得中、戦闘力取得中…………。獲得失敗しました-
と言い切って声が消えた。おい、僕の戦闘力、おい!!
「ア、アルマ…。ど、どんまい…。」
さすがにケニルも気を使った。
やっぱり、僕はいくら戦ったって無駄だ…。もう……。
そう諦めかけると、ケニルは僕の思考を止めることを言った。
「なあ、これから旅をしないか?魔王を倒しに、一緒に!」
「へ?な、何で?」
「俺が魔王に復讐したいのと、アルマを強くするためだ!」
「い、良いのか?僕、足手まといになるし…」
今言ったことは本音だ。僕がケニルを死に引き摺ってしまうかもしれない。
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「え、ええ…」と引きぎみに言った。
するともう話は早く、僕の手を掴んで港へと向かおうとしていた。
「ほら!行くぞ!船がもう出発する!!」
僕はもうケニルの思うがままに、船へ全力疾走した。
何とか船に乗り込み、今僕は船に揺らされている。
そういえば、今何処に向かってるんだろう…。ケニルに尋ねた。
「え?知らねーけど…」
「……。」僕は言葉を失い、ケニルの馬鹿さに呆れながら、船の行く手を待つようにした。
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