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第一章 ルード皇国 編
告白・その2
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俺は、エレオノールに図書館へと呼び出された。
エレオノールが、俺を誘うのは珍しかった。それに、イグニスとのこの間のやりとりがあった後だったので『これは、もしや・・・』と胸が高鳴った。
正直に言うと、俺は恋愛感情というものを、この世界に来て抱いたことはなかった。竜人達の容姿はみな整っていて、美男美女が多かった。しかし、尻尾があるからなのか、竜だと知っているからなのか、そこまでの感情にはならなかった。
といっても、好きだと告白されるならば、素直に嬉しいものだ。エレオノールは、ボーイッシュな女の子だっただが、最近は胸が少し膨らんで、女の子らしくなってきていた。
俺は図書館に向かいながら、どう返事をしようかと考えた。
そして図書館に入ると、エレオノールがいた。相変わらず、本を読みあさっていた。俺に気づくと、手を挙げて俺を招いた。
「遅くなったんだけど、ここのところを見てくれないかい?」
そう言って本を手渡された。
俺はどきどきしながら、本を受け取った。『愛のメッセージが書かれているのか……』
全然違った。そこに書かれていたのは、最近師匠に教えてもらっている人間の言葉がところどころにあった。
告白イベントかと思ったが、どうやら俺の勘違いだったようだ。
エレオノールはあれからも、魔導書の言葉を探してくれていたのか。何か申し訳ない気がした。
「これは、あの魔導書に書かれた文字と一緒だ………どこでこれを?」
俺は、この言葉は今勉強中だというのは悪い気がして、話を合わせることにした。
「昔、神殿にあったという本で、この図書館に寄贈された本の中にあったんだ。」
「内容はどういったものが書かれているの?」
俺は、ページをめくりながら聞いた。
「人と関わり方に関するものだそうだ。その5章に、人の世界で使われる言語について、解説してるところがあったんだ。それがこのページというわけさ。その文字は古代文字かと思っていたが、どうやら人間の言葉のようだ。」
開いたページには人間の言葉での挨拶の仕方などがのっていた。
「見つけてくれてありがとう。これで、魔法の詠唱ができるよ。」
俺はひとまず礼を言った。
「ああ、魔法が使えるようになるといいね。」
俺は、格闘訓練の時に身体強化と魔法防御以外の目に見えて分かるような魔法を使ったことがなかった。師匠に止められていたからである。魔獣討伐の時でも、魔法を使わなかった。日常生活では、なおさらである。特に使わなくても、うまくやっていけたからである。
いつかみんなに見せてびっくりさせてやろうと密かに考えていた。だから、他のみんなは俺が魔法を使えないと思っていたのである。
しかし、今状況が変わった。エレオノールがわざわざ見つけて来てくれたのだから、詠唱の魔法を使ってみんなに見せようかなと思った。エレオノールは喜んでくれるかもしれない。
俺は図書館にある魔導書を借りて魔法の詠唱の勉強をし始めた。
そして、俺は病に冒されることになった。俺は詠唱の魔法に手をだすべきではなかったのだ………
エレオノールが、俺を誘うのは珍しかった。それに、イグニスとのこの間のやりとりがあった後だったので『これは、もしや・・・』と胸が高鳴った。
正直に言うと、俺は恋愛感情というものを、この世界に来て抱いたことはなかった。竜人達の容姿はみな整っていて、美男美女が多かった。しかし、尻尾があるからなのか、竜だと知っているからなのか、そこまでの感情にはならなかった。
といっても、好きだと告白されるならば、素直に嬉しいものだ。エレオノールは、ボーイッシュな女の子だっただが、最近は胸が少し膨らんで、女の子らしくなってきていた。
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そして図書館に入ると、エレオノールがいた。相変わらず、本を読みあさっていた。俺に気づくと、手を挙げて俺を招いた。
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俺は、この言葉は今勉強中だというのは悪い気がして、話を合わせることにした。
「昔、神殿にあったという本で、この図書館に寄贈された本の中にあったんだ。」
「内容はどういったものが書かれているの?」
俺は、ページをめくりながら聞いた。
「人と関わり方に関するものだそうだ。その5章に、人の世界で使われる言語について、解説してるところがあったんだ。それがこのページというわけさ。その文字は古代文字かと思っていたが、どうやら人間の言葉のようだ。」
開いたページには人間の言葉での挨拶の仕方などがのっていた。
「見つけてくれてありがとう。これで、魔法の詠唱ができるよ。」
俺はひとまず礼を言った。
「ああ、魔法が使えるようになるといいね。」
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しかし、今状況が変わった。エレオノールがわざわざ見つけて来てくれたのだから、詠唱の魔法を使ってみんなに見せようかなと思った。エレオノールは喜んでくれるかもしれない。
俺は図書館にある魔導書を借りて魔法の詠唱の勉強をし始めた。
そして、俺は病に冒されることになった。俺は詠唱の魔法に手をだすべきではなかったのだ………
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