4 / 10
【神コロ死】
しおりを挟む
ある死刑囚が監視にこう言った。
「三日後、ある男が小学生幼女に手を出す。そいつは教師だ。気をつけろ」と。
監視は何を言っているだ、とその死刑囚の言うことなど端から信じてない。さも病気になったんだ、と思い相手もしなかった。
その3日後――。
死刑囚の言うとおり、教師が逮捕された。特に監視は何とも思わなかった。でたらめが当たったことで、死刑囚にはなんの力もない。相手にするものか。しかし死刑囚は再び予知能力を発言する。
「一週間後、大型トラックの運転者が居眠りのせいで人がたくさん死ぬ」
その一週間後、本当に起きた。事故は悲惨なものだった。大型連休の高速道路だったせいで老人から子供まで死者が出た。ここまで来ると信じざる負えない。そしてまた、予言したのだ。
「二日後、少年が軟禁される。山の麓だ。探せ。相手はジジイだ」
その予言に警察が出動した。
死刑囚が予言した山の麓というのは特定の名前を挙げなかった。警察は全国に監視の目を行かせる。
警察が動くと同時に報道陣もそれに気づき、新聞に【死刑囚が預言者】という話題を貼る。情報が流れ出すと一気に拡散する。たちまち、この死刑囚から目を離せなくなった。しかし、死刑囚はその四日後死刑され世間からバッシングが与えられた。【神殺し】だと。
死刑囚が神だなんて、バッシングをする世間は凡そ宗教団体だ。警察の風評被害も然程風は強くなかった。
だが、神殺しが決行され神がいなくなったその翌日、また別の場所で死刑囚が予言めいたことを言ったのだ。しかも、前の神と同じく言い当てる。信者が集まった。警察も束になってそれを終息させるがキリがない。その死刑囚はふたつ目の予言をして居なくなった。
今度は風が強かった。情報が漏れて拡散されれば、自ずと信者が集まる。人は皆、予言めいた人間に惹かれ興味を持ち始めるのだ。それから3日後。
再びこの世に予言者が現れた。
決まって死刑囚だ。そいつは極悪非道で10代の女の子を殺害、解体し冷蔵庫に詰めた人間とは思えない非道な人間である。それなのに、世間から神だの言われれば調子に乗る。そのくせ予言は100発百中。
警察はヘコヘコしながらその予言を受け入れるが本心では頭なんて下げていない。お挺骨を引っ張られたようにその場を過ごす。
信者が集まった。予言者により、世界が変わった。何百人も人を救っている。救世主様だ。信者の集まりにより、この死刑囚は死刑を免れた。
ようやく外に出られる。
シャバの空気は新鮮だ。
今度は檻のない世界で暴虐の限りを尽くす。それでも檻の中に入れない。この男を神と信じ、敬愛しやがて混沌な世界になる。この世の悪意は神を信じる疑念を持たない心か――または――衝動に素直に動く者か。
「三日後、ある男が小学生幼女に手を出す。そいつは教師だ。気をつけろ」と。
監視は何を言っているだ、とその死刑囚の言うことなど端から信じてない。さも病気になったんだ、と思い相手もしなかった。
その3日後――。
死刑囚の言うとおり、教師が逮捕された。特に監視は何とも思わなかった。でたらめが当たったことで、死刑囚にはなんの力もない。相手にするものか。しかし死刑囚は再び予知能力を発言する。
「一週間後、大型トラックの運転者が居眠りのせいで人がたくさん死ぬ」
その一週間後、本当に起きた。事故は悲惨なものだった。大型連休の高速道路だったせいで老人から子供まで死者が出た。ここまで来ると信じざる負えない。そしてまた、予言したのだ。
「二日後、少年が軟禁される。山の麓だ。探せ。相手はジジイだ」
その予言に警察が出動した。
死刑囚が予言した山の麓というのは特定の名前を挙げなかった。警察は全国に監視の目を行かせる。
警察が動くと同時に報道陣もそれに気づき、新聞に【死刑囚が預言者】という話題を貼る。情報が流れ出すと一気に拡散する。たちまち、この死刑囚から目を離せなくなった。しかし、死刑囚はその四日後死刑され世間からバッシングが与えられた。【神殺し】だと。
死刑囚が神だなんて、バッシングをする世間は凡そ宗教団体だ。警察の風評被害も然程風は強くなかった。
だが、神殺しが決行され神がいなくなったその翌日、また別の場所で死刑囚が予言めいたことを言ったのだ。しかも、前の神と同じく言い当てる。信者が集まった。警察も束になってそれを終息させるがキリがない。その死刑囚はふたつ目の予言をして居なくなった。
今度は風が強かった。情報が漏れて拡散されれば、自ずと信者が集まる。人は皆、予言めいた人間に惹かれ興味を持ち始めるのだ。それから3日後。
再びこの世に予言者が現れた。
決まって死刑囚だ。そいつは極悪非道で10代の女の子を殺害、解体し冷蔵庫に詰めた人間とは思えない非道な人間である。それなのに、世間から神だの言われれば調子に乗る。そのくせ予言は100発百中。
警察はヘコヘコしながらその予言を受け入れるが本心では頭なんて下げていない。お挺骨を引っ張られたようにその場を過ごす。
信者が集まった。予言者により、世界が変わった。何百人も人を救っている。救世主様だ。信者の集まりにより、この死刑囚は死刑を免れた。
ようやく外に出られる。
シャバの空気は新鮮だ。
今度は檻のない世界で暴虐の限りを尽くす。それでも檻の中に入れない。この男を神と信じ、敬愛しやがて混沌な世界になる。この世の悪意は神を信じる疑念を持たない心か――または――衝動に素直に動く者か。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる