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四章 侵略者と夏休み
第48話 宮殿
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三匹の様子がおかしくなったことに、俺は察しがついた。この奥にサターン様がいる。この宮殿で、この惑星で一番偉い女性。年はまだ二十代くらいの若い女性なのに、この惑星では女王の立場。
キィと重たい扉が開いた。左右に開いていく扉。待ち受けていた先には神秘的で美しい場所。
一面真っ白で床には赤い絨毯が敷かれているのが、一際目立つ。白い壁から赤い絨毯に目をかけると目がチカチカする。
赤い絨毯は続いており、また階段があった。その階段の先には身長と体格に見合わぬ椅子。
サターン様がニコリと笑っていた。目を細めて、愛しい子を見下ろす。
「コスモ、スター、ダスク。おかえりなさい」
柔らかな声が宮殿内に響いた。聖母マリアのような温かで優しい笑み。コスモたちはわっと喜んで階段を駆け上がった。
「サターン様! お元気でしたか? わたしはいっつも元気でした!」
「サターン様! 今日もお美しい!」
階段を駆け上がって、サターン様に抱きついた。地球では見たことない幼い女の子みたい。サターン様は純白の白いドレスを着ていて、黒髪なのが余計に目立つ。
「こらこら。サターン様が困っておられます。退きなさい」
注意をしたのはサターン様の忠実な部下、ギャラクシー。抱きついたスターとダスクは顔を赤くして一歩下がった。
サターン様は微笑む。
「元気そうで何よりです。こうして触れると、あなたたちの成長が何より分かります。相原一樹さん?」
ふと、俺のほうに顔を向けた。端正な顔立ちで一瞬見惚れてた。階段をゆっくり降りて、俺の側によるとふわりと良い匂いがした。
クラリと目眩がするほどの。
側にきて、俺の手を掴んだ。びっくりして目を見開く。
「あなたが相原一樹さん?」
「え……あ、はい」
直視出来ない。
サターン様は微笑みかけている。手を掴んでいる温もりがほんの少し、冷たかった。
「初めてお会いしますよね? 初めまして、この惑星の女王サターンです。ダスクからよく話を聞いています。大変あの子たちを可愛がってくれてるのですね。ありがとうございます。一樹さんがいて、本当に良かった」
黒い瞳をキラキラ輝かせた。
人間の俺にもこんな、優しくしてくれるなんて。
俺をここに招いたのはサターン様だ。サターン様が会いたいと思ったから。久しぶりに再会した三匹は、サターン様とお話した。報告していなかったもの。地球で合ったことを一喜一憂に喋る。
この間起こったガーディアン機関との争いを話すと、サターン様の表情が少しだけ曇った。親しくしてたガーディアン機関の子が弾かれ全く知らない子たちと喧嘩が起きて、それから、三大柱まで現れてガーディアン機関の長がいるところまで連れて行かれて大変だった、と。
「それは大変でしたね。何もされなかったですか?」
眉を潜めて訊くと、スターがドヤ顔で報告した。
「わたし、人間なんかに負けてないから! 余裕で大丈夫だった」
「それはスターだけでしょ」
「一樹たちがやられたよ?」
「まぁ、一樹さんが!?」
何気ない報告でサターン様は口を開けた。俺に顔をむける。その目の奥が既に潤っていた。
「ただ、夢を見せられただけですから。その、大丈夫でした」
「そうなんですか? 良かった。安心しました」
ほっと胸をなでおろした。
一度夢の中で死んだことは言わないでおこう。あのとき言うと、あの雫が零れ出そうだった。それから話が脱線して食べ物や遊園地の話になった。
三匹は、サターン様と話していると、まるでほんとに幼い子供みたいになる。サターン様をまるで親のように慕っている。飽きることもなく会話が続き、食事にしようと、ギャラクシーが間に入るまで会話は止まらなかった。
「そうでした。お客様がいるのに、お茶も出さないで、食事にしましょう。あなたたちもお腹が空いているでしょう?」
サターン様が胸の前で手を叩き、そう提案した。コスモは食事と聞いて目を輝かせる。
長いテーブルと各自の椅子が用意され、机の上には豪華な品が。次々とメイドさんたちが運んでくる。
「さぁ、食べてください」
サターン様の合図でコスモがむしゃぶりつく。
「ちょっと、品がなってないわよ! 恥ずかしいじゃない。音ださない!」
スターがいちいち文句を言う。むしゃぶりついているのはコスモだけじゃない。ダスクも出されたものはすぐに食べている。
「与えられたものは与えられた時に食う。それがサバンナの常識」
「何ドヤ顔で言ってんの。わたしの分がないじゃない!」
「おい、揺らすなばか」
食べ物を争ってスターとダスクとコスモの目には火花が散る。同じ机だから俺もそれに巻き込まないでくれ。
故郷のものは食べれないと言ってたやつが、余裕でムシャムシャ食っているし、どういう神経してるんだ。
「静かにしなさい! 全く。品がなっていないのはどちらもです」
正論をぶちまけたのは、お茶を持ってきたギャラクシー。それぞれのカップにお茶を注ぐ。
「あ、どうも」
この香り、宮殿内でも同じだ。
ギャラクシーがふと耳元に唇を近づけた。
「わたくしの銃、使われて良かったです」
俺はあのとき、銃を使ったなんて一言も言ってない。俺はびっくりして、振り向いた。ギャラクシーの顔をまじまじ見る。眼鏡越しの赤い眼と合った。
まるで全部を見透かしているかのようにくすりと笑う。不気味だ。心でも読んでいるのか。すぐに視線をそらした。
地球の食べ物ぽく見えるけどどうもおかしい。卵ぽい料理品に目玉が浮いている。キョロキョロ目玉が動いている。これ、生きているのか。生きているつもりなのか。
なるべく視線は合いたくない。それだけじゃない。ナイフで切ると、そこからデロリと青い液体が出てきた。気味が悪い食べ物だ。
こんなの、歓迎してくれたサターン様には言えない。言えっこない。お茶だけ飲んで何度もおかわりをもらい、おトイレが近いことに。そしてもうすぐ濁流していくことに気がついた。
お茶を新たに注いできてくれたギャラクシーにボソボソ耳打ちする。
「トイレ、て何処ですかね」
「あぁ、ここを曲がって階段があったら降りてすぐ目の前ですね」
「ありがとうございます!」
飛ぶように出ていき、階段を目指した。階段を降りてすぐって言ってたが、この宮殿なんせ階段が長い。
冗談じゃない。濁流しかけているのに階段なんて降りたら、ダム破壊。近くのトイレないのかよ。一歩一歩慎重にかつ、スピーディーに降りていき、やがてトイレの看板が見えた。
まさに天国への道だった。
ダム破壊するのを防いで、トイレから出た。そしてある事に気がついた。
「ここどこだ」
トイレを目指して無我夢中だった。周り事なんて全然見てない。とりあえず、階段を登って行こう。階段を登ったらその先に幾つも部屋があって、何処だったけ、コスモたちがいる場所。
階段を登りきって深く考え込む。
今までいた場所に何か目印なかったか記憶を探るも、記憶力が乏しいせいで全然浮かばない。どれも似たような部屋でそれに、造りが同じなせいで迷う。
ゲームの迷路は見渡せるからいいけど、リアル迷路は無理なんだよ。勘弁してくれ。げっそりして前に進む。こういうとき、対処法があったような。ネットがいってたからあまり信用できんが。
確か、壁に手をつくとゴールに辿りつく、と。ほんとなのか、恐る恐る実践してみることに。
すると、左部屋からきぃ、と重い扉が開いた。気がした。恐る恐る顔を向けると、ほんの少し、扉が開いていた。
室内は暗くしているのか、その中から顔を出している人は分からない。しかも、顔の半分も見えない空間。
ただ、中からこっちを眺める誰かの視線だけは分かった。こちらをじっと見つめる目。警戒しているのか、中々現れない。
すると、背後から気配がした。影の形がおかしい。びっくりして振り向くと、サターン様が立っていた。
「弟よ」
「おと、うと?」
俺は愕然してオウム返しに聞き返す。
サターン様は中々帰ってこない俺を心配して、探しに来てくれたらしい。弟だと言う部屋をまた覗くと、もう扉は閉まっていた。畏怖、孤独、羨む眼差しだった。
「病弱なんです。床にずっと伏せていて、滅多に顔を出さない。来客がきて、戸惑っているのです。一樹さんも、怖い想いしたでしょう? こちらです」
サターン様が踵を返した。俺は何度もその部屋を眺めて、サターン様の後ろをついていった。何度振り向いて確かめても、その部屋から全く音も気配もしなくなった。
背丈は俺より低い。クラスでは五番目に背が高いのだが、サターン様のつむじがみえる。華奢で細長くて、白いドレスがまた似合う。
艶のある長い黒髪がサラサラ揺れている。床に届く長さまで伸びている。踏みそうだ。絶対踏まないけど。
さっきまでいた場所まで案内されて、ようやくホッとした。
キィと重たい扉が開いた。左右に開いていく扉。待ち受けていた先には神秘的で美しい場所。
一面真っ白で床には赤い絨毯が敷かれているのが、一際目立つ。白い壁から赤い絨毯に目をかけると目がチカチカする。
赤い絨毯は続いており、また階段があった。その階段の先には身長と体格に見合わぬ椅子。
サターン様がニコリと笑っていた。目を細めて、愛しい子を見下ろす。
「コスモ、スター、ダスク。おかえりなさい」
柔らかな声が宮殿内に響いた。聖母マリアのような温かで優しい笑み。コスモたちはわっと喜んで階段を駆け上がった。
「サターン様! お元気でしたか? わたしはいっつも元気でした!」
「サターン様! 今日もお美しい!」
階段を駆け上がって、サターン様に抱きついた。地球では見たことない幼い女の子みたい。サターン様は純白の白いドレスを着ていて、黒髪なのが余計に目立つ。
「こらこら。サターン様が困っておられます。退きなさい」
注意をしたのはサターン様の忠実な部下、ギャラクシー。抱きついたスターとダスクは顔を赤くして一歩下がった。
サターン様は微笑む。
「元気そうで何よりです。こうして触れると、あなたたちの成長が何より分かります。相原一樹さん?」
ふと、俺のほうに顔を向けた。端正な顔立ちで一瞬見惚れてた。階段をゆっくり降りて、俺の側によるとふわりと良い匂いがした。
クラリと目眩がするほどの。
側にきて、俺の手を掴んだ。びっくりして目を見開く。
「あなたが相原一樹さん?」
「え……あ、はい」
直視出来ない。
サターン様は微笑みかけている。手を掴んでいる温もりがほんの少し、冷たかった。
「初めてお会いしますよね? 初めまして、この惑星の女王サターンです。ダスクからよく話を聞いています。大変あの子たちを可愛がってくれてるのですね。ありがとうございます。一樹さんがいて、本当に良かった」
黒い瞳をキラキラ輝かせた。
人間の俺にもこんな、優しくしてくれるなんて。
俺をここに招いたのはサターン様だ。サターン様が会いたいと思ったから。久しぶりに再会した三匹は、サターン様とお話した。報告していなかったもの。地球で合ったことを一喜一憂に喋る。
この間起こったガーディアン機関との争いを話すと、サターン様の表情が少しだけ曇った。親しくしてたガーディアン機関の子が弾かれ全く知らない子たちと喧嘩が起きて、それから、三大柱まで現れてガーディアン機関の長がいるところまで連れて行かれて大変だった、と。
「それは大変でしたね。何もされなかったですか?」
眉を潜めて訊くと、スターがドヤ顔で報告した。
「わたし、人間なんかに負けてないから! 余裕で大丈夫だった」
「それはスターだけでしょ」
「一樹たちがやられたよ?」
「まぁ、一樹さんが!?」
何気ない報告でサターン様は口を開けた。俺に顔をむける。その目の奥が既に潤っていた。
「ただ、夢を見せられただけですから。その、大丈夫でした」
「そうなんですか? 良かった。安心しました」
ほっと胸をなでおろした。
一度夢の中で死んだことは言わないでおこう。あのとき言うと、あの雫が零れ出そうだった。それから話が脱線して食べ物や遊園地の話になった。
三匹は、サターン様と話していると、まるでほんとに幼い子供みたいになる。サターン様をまるで親のように慕っている。飽きることもなく会話が続き、食事にしようと、ギャラクシーが間に入るまで会話は止まらなかった。
「そうでした。お客様がいるのに、お茶も出さないで、食事にしましょう。あなたたちもお腹が空いているでしょう?」
サターン様が胸の前で手を叩き、そう提案した。コスモは食事と聞いて目を輝かせる。
長いテーブルと各自の椅子が用意され、机の上には豪華な品が。次々とメイドさんたちが運んでくる。
「さぁ、食べてください」
サターン様の合図でコスモがむしゃぶりつく。
「ちょっと、品がなってないわよ! 恥ずかしいじゃない。音ださない!」
スターがいちいち文句を言う。むしゃぶりついているのはコスモだけじゃない。ダスクも出されたものはすぐに食べている。
「与えられたものは与えられた時に食う。それがサバンナの常識」
「何ドヤ顔で言ってんの。わたしの分がないじゃない!」
「おい、揺らすなばか」
食べ物を争ってスターとダスクとコスモの目には火花が散る。同じ机だから俺もそれに巻き込まないでくれ。
故郷のものは食べれないと言ってたやつが、余裕でムシャムシャ食っているし、どういう神経してるんだ。
「静かにしなさい! 全く。品がなっていないのはどちらもです」
正論をぶちまけたのは、お茶を持ってきたギャラクシー。それぞれのカップにお茶を注ぐ。
「あ、どうも」
この香り、宮殿内でも同じだ。
ギャラクシーがふと耳元に唇を近づけた。
「わたくしの銃、使われて良かったです」
俺はあのとき、銃を使ったなんて一言も言ってない。俺はびっくりして、振り向いた。ギャラクシーの顔をまじまじ見る。眼鏡越しの赤い眼と合った。
まるで全部を見透かしているかのようにくすりと笑う。不気味だ。心でも読んでいるのか。すぐに視線をそらした。
地球の食べ物ぽく見えるけどどうもおかしい。卵ぽい料理品に目玉が浮いている。キョロキョロ目玉が動いている。これ、生きているのか。生きているつもりなのか。
なるべく視線は合いたくない。それだけじゃない。ナイフで切ると、そこからデロリと青い液体が出てきた。気味が悪い食べ物だ。
こんなの、歓迎してくれたサターン様には言えない。言えっこない。お茶だけ飲んで何度もおかわりをもらい、おトイレが近いことに。そしてもうすぐ濁流していくことに気がついた。
お茶を新たに注いできてくれたギャラクシーにボソボソ耳打ちする。
「トイレ、て何処ですかね」
「あぁ、ここを曲がって階段があったら降りてすぐ目の前ですね」
「ありがとうございます!」
飛ぶように出ていき、階段を目指した。階段を降りてすぐって言ってたが、この宮殿なんせ階段が長い。
冗談じゃない。濁流しかけているのに階段なんて降りたら、ダム破壊。近くのトイレないのかよ。一歩一歩慎重にかつ、スピーディーに降りていき、やがてトイレの看板が見えた。
まさに天国への道だった。
ダム破壊するのを防いで、トイレから出た。そしてある事に気がついた。
「ここどこだ」
トイレを目指して無我夢中だった。周り事なんて全然見てない。とりあえず、階段を登って行こう。階段を登ったらその先に幾つも部屋があって、何処だったけ、コスモたちがいる場所。
階段を登りきって深く考え込む。
今までいた場所に何か目印なかったか記憶を探るも、記憶力が乏しいせいで全然浮かばない。どれも似たような部屋でそれに、造りが同じなせいで迷う。
ゲームの迷路は見渡せるからいいけど、リアル迷路は無理なんだよ。勘弁してくれ。げっそりして前に進む。こういうとき、対処法があったような。ネットがいってたからあまり信用できんが。
確か、壁に手をつくとゴールに辿りつく、と。ほんとなのか、恐る恐る実践してみることに。
すると、左部屋からきぃ、と重い扉が開いた。気がした。恐る恐る顔を向けると、ほんの少し、扉が開いていた。
室内は暗くしているのか、その中から顔を出している人は分からない。しかも、顔の半分も見えない空間。
ただ、中からこっちを眺める誰かの視線だけは分かった。こちらをじっと見つめる目。警戒しているのか、中々現れない。
すると、背後から気配がした。影の形がおかしい。びっくりして振り向くと、サターン様が立っていた。
「弟よ」
「おと、うと?」
俺は愕然してオウム返しに聞き返す。
サターン様は中々帰ってこない俺を心配して、探しに来てくれたらしい。弟だと言う部屋をまた覗くと、もう扉は閉まっていた。畏怖、孤独、羨む眼差しだった。
「病弱なんです。床にずっと伏せていて、滅多に顔を出さない。来客がきて、戸惑っているのです。一樹さんも、怖い想いしたでしょう? こちらです」
サターン様が踵を返した。俺は何度もその部屋を眺めて、サターン様の後ろをついていった。何度振り向いて確かめても、その部屋から全く音も気配もしなくなった。
背丈は俺より低い。クラスでは五番目に背が高いのだが、サターン様のつむじがみえる。華奢で細長くて、白いドレスがまた似合う。
艶のある長い黒髪がサラサラ揺れている。床に届く長さまで伸びている。踏みそうだ。絶対踏まないけど。
さっきまでいた場所まで案内されて、ようやくホッとした。
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※すでになろうで完結済みの小説です。
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