だんだん~徒然~

祝木田 吉可

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高校時代②

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8月、お盆が過ぎ夏休みも折り返しになった頃。生徒会で学園祭の準備が始まった。

最初のミーティング。

会長の香具山さんが話を始めた。

「いよいよ、学園祭のシーズンが始まる。一年生は初めてだから説明すると、うちの高校は、体育祭は毎年恒例であるけど、文化祭は3年に1回の開催だから、体育祭と文化祭が重なる学園祭は3年に1回のチャンスなんだ。学年のタイミングによっては学園祭を経験できない年もあるようで。」

私はその説明を頷くように聞いていた。

隣で聞いていた月阪は、反応していた。

「えー!なんか、変なの!」

その反応に私は呟いた。

「でも、僕たちは1年の時に、学園祭が経験出来るから良いんじゃない?」

「えー!でも、学園祭って青春って感じじゃん。毎年ないと面白くなくない?」

「そうかな?僕は毎年文化祭無くても良いかな。毎年やるより何年かに1回のタイミングだと企画も良いもの出来そうな感じがするし、その方が楽しみ増すんじゃないかな。体育祭は毎年ある訳だから良いと思うんだけど。」

香具山さんが再び口火を切る。

「その反応はその位にして、本題に入るよ。」

(全員)「はい。」

「日程は11月20日21日22日金曜から日曜の3日間、20日が体育祭、21日が文化祭、22日がゲストDAYの日程というのは決まっているので今日はテーマとゲストを決めたいと思います。」

(全員)「はい。」

「じゃあ、まずテーマからだけど、何か良いテーマあったりする?」

副会長の猪口先輩が口を挟む。

「前回の学園祭のテーマは何だったの?」

「前回の学園祭のテーマは、「全力全笑」だったみたい。全力で取り組んで全力で笑おうって事らしいよ。」

「どういうふうに決めれば良いの?」

「四文字熟語と一言って感じかな。」

香具山さんの話に皆が考え込む。

ある程度時間の経過を確認した香具山さんが話を振りだした。

「全員からアイデアを貰おうと思ったけど、私と猪口が初期と進行を行うから、私と猪口抜きでアイデアを出してもらおうと思います。」

(全員)「はい。」

「明ちゃんからでも良い?」

(勝部)「そうだなぁ。「共笑絆強~共に笑って絆を強くしよう~」なんてどうかな。」

「由紀ちゃんは?」

(嶋村)「そうですね。私は前回と同じテーマでも良いと思います。テーマは同じでもゲストDAYの内容が異なっていれば良いんじゃないかなって思っちゃいました。ごめんなさい、案が浮かばなくて、安易な考えで。」

「大丈夫だよ。純ちゃんは?」

(古谷)「そうだなぁ。「一期一縁~今の時間を楽しもう~」ってどうかな。」

「千佳ちゃんは。」

(吉野)「そうだな。私も純ちゃんと同じ一期一縁がいいと思うな。」

「紗知ちゃんは。」

(友田)「私も嶋村さんと同じように前回と同じテーマで良いかなと思います。」

「新川くんは。」

「私も、勝部先輩の共笑絆強が良いと思います。色々考えたくて、四文字熟語に当てはめるのも難しいし、納得のいく言葉が見つからないし、勝部先輩のが一番しっくり来るなって思いました。」

「月阪くんは。」

「俺も勝部先輩の共笑絆強かな。なんか、オリジナル感あって楽しそう。」

「いのぐっちゃんは。」

「僕も前回と同じテーマで良いと思う。同じテーマでもそのテーマで続けることが意味あることなんじゃないかな。」

猪口先輩の意見に私は思わず納得してしまった。確かに毎回テーマを変えるのも良いけど、同じテーマでやり続けるのも意味があることなのかもしれない。そう思った私は口を挟んで訂正した。

「すみません、私もやっぱり前回と同じテーマでやりたいなと、変えても良いですか。今の猪口先輩の意見に納得しました。」

「大丈夫。同じでも理由がちゃんとあるなら被っても大丈夫だよ。」

会長の香具山さんが意見を集約して話を続ける。

「みんなの意見を聞くと、前回と同じ「全力全笑」になりました。テーマは前回と同じでも、私たちの色を出していきたいと思うので、よろしくお願いします。」

「はい!」

それから学園祭に向けての準備が始まった。

私は、月阪そして嶋村さんと大道具担当になった。

「大道具は、ウェルカムアーチ、廊下や共有スペースのデザインと製作が担当だって。」

「なるほど。」

「だから、先ずはデザインから考えよう。」

「分かりました。な、月阪。」

「はい、ワクワクします。」

3人でデザインを話し始める。90分の会議の末、無事にデザインが決まると、嶋村さんが喋る。

「じゃあ、このデザインを会長に持っていこう。」

3人は、会議室を出て、生徒会室にいる香具山さんにデザイン案を持っていった。

「会長、どうかな。」

香具山さんは、デザイン案に目を通して口を開く。

「うん。良いと思う。これでいこう。」

「ありがとう。」

OKを貰うと3人はガッツポーズをして喜んだ。

「デザイン的には良いけど、予算的に問題なかったら、修正なくそのままいけると思うよ。会計の純ちゃん(古谷)に許可が出たらまた報告して。」

「うん。分かった。」

1つの区切りが出来た。

「今日はこれで終わろう。明日は、予算を立てていこう。」

「分かりました。」

この日は、これで終わって私は月阪と途中まで一緒に帰ることにした。

「いよいよ、学園祭の準備が始まったね、新川。」

「そうだね。まだ、話し合いの段階だけど、これが形になっていくとより実感するんだろうね。」

「だよな、俺ワクワクしてるよ。」

信号待ちをしていると月阪が思い出したように言った。

「俺、本屋に寄って帰らなきゃ。じゃあね。」

「うん。また明日。」

そう言って、月阪と別れた。

私は近くにあったドーナツ屋で休憩することにした。

ホットのカフェオレを注文して、席を探す。イートインの奥のスペースが空いていたのでそこに座った。

しばらくカフェオレ片手に手帳のメモスペースを広げてさっきの会議で決まったことを振り返っていると、私に手を振ってる女の人がいた。

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