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貴方の体調が心配です。

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コンコン「奥様、旦那様がお呼びです。」

あれから、入浴を済ませて再び自室に戻っていた私。
この時間に呼び出されるということは…旦那様からの今夜しませんか?というお誘い。

この屋敷はそれぞれの寝室とは別に、夫婦で過ごす寝室がある。
頻繁にではないがたまに、こういったお誘いを受けている。
毎回こういった合図をされるのは、旦那様から私への配慮だろう。
私が気乗りしなければ、いつでも断れる環境を作って下さる。
とても有難いことだ。
しかし、今まで私から旦那様のお誘いを断ったことは1度もない。
旦那様には、日頃お世話になっている。
せめて体だけでも恩返ししたい。

ーーーーーーーーーーー

「アリシアです、失礼します。」

「来てくれて嬉しいです、ここへ座って下さい。」

旦那様にそう促され近くのソファへ座る。
いつものキッチリした服装ではなく、寝巻姿の旦那様は話しやすい。
寝巻とはいえど容姿端麗なのでそれなりに決まっているのも、さすがと言える。

「…今日は抱くつもりで呼んだのではなく、貴方の体調が心配なので、呼びました。
というか、いつもそういうつもりで呼んでる訳ではないんですが…」

やだ、恥ずかしい。そういうつもりだと勝手に勘違いしていた。

「…そうなのですね、失礼致しました。」

「いえ、僕はただ、時間が許す限り、貴方と一緒に過ごしたいと思っています。貴方がいないと寂しいので。」

寂しい…?そんなことをおっしゃるなんて、どうしたのだろうか。
もしかして、憂鬱という私の思いが態度に出ていたのかしら?
それで心配なさっているのだとしたら…

「そうなのですか、、」

「すまない、君を困らせてしまいました。でも本当に、今日は貴方の体調が心配で、ただ傍で過ごしたいだけなので、普通に一緒に寝ませんか?」

「…そうですね。」


なにもしないで寝る、という展開。
やっと体を重ねる行為に慣れてきたはずなのに、それよりもハードルの低いはずの、一緒に寝るだけの行為に、緊張と羞恥を隠せない。
どっちを向くべきなのかさえ、よく分からない。
というかいつも私は、どちらを向いて寝ていたっけ。
そんな私を安心させるかのように身のこなしでスマートに私を引き寄せる旦那様。
そしてあっという間に、私を後ろから抱き寄せる。
さすがですわ。

「…そんなに緊張しないで、もっと楽にして下さい。」

無理ですわ、そんなの。
こんなご尊顔が近くにいて、落ち着けるわけない。
私息できてるわよね?なんだか酸欠になってしまいそう。

「…アリシア?」

あー…くらくらしてきた。
ダメだわこれ。緊張による酸欠で失神するなんて…無理。

「…アリシア?! 
クリス、医者を呼んでくれ!」
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