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3.アジト
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フランス・パリ、バスティーユ広場。
かつて、ここにはバスティーユ牢獄があった。
1357年に建築が始まったこの巨大な要塞は、『フランス革命』の引き金になった場所として苦い歴史の轍が残る。
バスティーユの地下は納骨堂になっている。
しかしバスティーユの地下には奇妙な噂があり、地下深くには財宝や金貨を蓄える隠し部屋があるのではないかと噂されている。
その地下に足を運んだ調査員は二度と姿を表さなかったという噂もある。
真相は地下の薄闇と同じ色に溶け込む。
その地下には、異形の魔物が潜んでいた。
ラムジンだった。
「くそっ!あの金髪の軽装歩兵め!」
苛立っていた。
愛機を大破された怒りをどこにぶつければいいのか。
地下には広間があり、ラムジンは広間のソファーに腰掛ける。
「キャル!ルビー!アルスバッハ!プリア!サンドラ!来てくれるか?!」
ラムジンの呼びかけに、異形の怪人たちが姿を現す。
ネコ・ゴリラ・クモ・人魚・ハチと人間と生き物が一体になった人物が、ラムジンに頭を下げる。
「男爵、聞きましたよ。金髪の軽装歩兵と交戦したと・・・・・・」
クモの怪人、ルビーが口を開く。
「ああ、フランス軍の軍服を着た若い軽装歩兵だった!」
「しかし、『フォルティシモ』を大破させるとは・・・・・・」
「何やってんのよ!歩兵なんか踏み潰せばいいじゃん!」
ネコの怪人キャルが軽く批判した。
「まあ、子猫はともかく、我々の存在を察知されるのはまずいことですわね」
「誰が子猫よ?」
「今、私と話している人物に決まっているでしょう?」
「クモおばさん、下手なことを言えば、その口にダイヤモンドナックルをぶつけて顔をミンチにするよ!」
キャルとルビーは犬猿の仲であった。
他の怪人たちもそれは知っていた。
「喧嘩はいけません!皆さんで力を合わせてその軽装歩兵さんのことを調べましょうよ!」
人魚の怪人プリアが仲裁に入る。
「あなた、甘いわね?」
「人魚さん、クモおばさんとの間に割って入ると痛い目見るわよ?」
プリアは「ひいっ!」と怖がる。
「まあまあ、キャル様もルビー様も心の剣を収めるゴリ。お疲れの男爵閣下を困らせるのは如何かと?」
ゴリラの怪人アルスバッハが援護するよう冷静に仲裁する。
「ふん!」
「けっ!」
ルビーとキャルは顔を向けることもなかった。
「ったく、お前ら呑気だな。これからバカの国を乗っ取るというのに、お前らがそれじゃあ話にならないぜ。まずは地方の基地・屋敷・物資を手当たり次第に破壊する。だがあの金髪の軽装歩兵を放置するわけにはいかない。見つけて必ず殺せ」
ラムジンは金髪の軽装歩兵を追うことにした。
「男爵の決定、このアルスバッハも感嘆の極みゴリ。その後にこの国の貴族どもに我らこそが本当の貴族であることを思い知らせるのです。さて、誰を派遣しましょう?」
アルスバッハも金髪の軽装歩兵で誰を派遣させるかは考えていなかった。
「あの、男爵の会った軽装歩兵さんを手分けして探すのはどうでしょう?その後に色々考えてみるとか」
プリアからの思いがけない提案に怪人たちも「おーっ」と声が出る。
「男爵、私とプリアと同意見です。私とプリア、キャルの3名で変装し、パリ市内を探るというのはどうでしょう?」
今まで口を開かなかった仮面を被ったハチの怪人サンドラが提案する。
怪人の中では謎の多い少女だ。
「なるほど、やつを密偵するというのか。それもいい、サンドラとプリアで金髪の軽装歩兵の様子を探れ、暗殺はキャルに任せる。それなら役割分担もできていい」
ラムジンは皮肉な笑みを浮かべた。
「よっしゃ!早速地上に出るしかないわね!このキャルちゃんが金髪の軽装歩兵なんかミンチにしてやるわ!」
キャルはやる気に満ちていた。
「程々にしろよ?」
ラムジンの忠告に「問題ない!問題ない!いってきま~す!」と返す。
「クモおばさん!これからは楽をさせてあげるわ!アンタの機械人形、しっかり磨いておきなさい!」
キャルはノリノリで広間を去った。
「私たちも行きましょうか?」
「ああ、だが地上は水の世界とは違う。気をつけろよ、プリア」
プリアとサンドラも広間を去った。
ため息を吐いたルビーは「大丈夫です?」とラムジンに問う。
「まあ、あいつらはやる時はやる。心配するな」
「だといいのですが・・・・・・」
アルスバッハは咳払いをした。
「ルビー様、我々は我々の貴族社会を取り戻すためにここにいます。男爵が必ずや理想の国家をこの国に建国するでしょう。そのためにも我々が争ってはいけないゴリ」
ラムジンも少し苦い表情を浮かべ、タバコを手にする。
「すまないな、アルスバッハ。苦労ばかりかけさせる」
「いえ、男爵閣下のお役に立てるのであれば、どんな苦難もどうということないゴリ」
「ありがてえなあ。そこでアルスバッハ、作戦計画を練り直してくれないか。近々、機械人形でバカの国を揺さぶる。ルビーも機体の整備はしっかり頼むぞ」
ルビーは「大義のため、ですわね・・・・・・」と呟いた。
かつて、ここにはバスティーユ牢獄があった。
1357年に建築が始まったこの巨大な要塞は、『フランス革命』の引き金になった場所として苦い歴史の轍が残る。
バスティーユの地下は納骨堂になっている。
しかしバスティーユの地下には奇妙な噂があり、地下深くには財宝や金貨を蓄える隠し部屋があるのではないかと噂されている。
その地下に足を運んだ調査員は二度と姿を表さなかったという噂もある。
真相は地下の薄闇と同じ色に溶け込む。
その地下には、異形の魔物が潜んでいた。
ラムジンだった。
「くそっ!あの金髪の軽装歩兵め!」
苛立っていた。
愛機を大破された怒りをどこにぶつければいいのか。
地下には広間があり、ラムジンは広間のソファーに腰掛ける。
「キャル!ルビー!アルスバッハ!プリア!サンドラ!来てくれるか?!」
ラムジンの呼びかけに、異形の怪人たちが姿を現す。
ネコ・ゴリラ・クモ・人魚・ハチと人間と生き物が一体になった人物が、ラムジンに頭を下げる。
「男爵、聞きましたよ。金髪の軽装歩兵と交戦したと・・・・・・」
クモの怪人、ルビーが口を開く。
「ああ、フランス軍の軍服を着た若い軽装歩兵だった!」
「しかし、『フォルティシモ』を大破させるとは・・・・・・」
「何やってんのよ!歩兵なんか踏み潰せばいいじゃん!」
ネコの怪人キャルが軽く批判した。
「まあ、子猫はともかく、我々の存在を察知されるのはまずいことですわね」
「誰が子猫よ?」
「今、私と話している人物に決まっているでしょう?」
「クモおばさん、下手なことを言えば、その口にダイヤモンドナックルをぶつけて顔をミンチにするよ!」
キャルとルビーは犬猿の仲であった。
他の怪人たちもそれは知っていた。
「喧嘩はいけません!皆さんで力を合わせてその軽装歩兵さんのことを調べましょうよ!」
人魚の怪人プリアが仲裁に入る。
「あなた、甘いわね?」
「人魚さん、クモおばさんとの間に割って入ると痛い目見るわよ?」
プリアは「ひいっ!」と怖がる。
「まあまあ、キャル様もルビー様も心の剣を収めるゴリ。お疲れの男爵閣下を困らせるのは如何かと?」
ゴリラの怪人アルスバッハが援護するよう冷静に仲裁する。
「ふん!」
「けっ!」
ルビーとキャルは顔を向けることもなかった。
「ったく、お前ら呑気だな。これからバカの国を乗っ取るというのに、お前らがそれじゃあ話にならないぜ。まずは地方の基地・屋敷・物資を手当たり次第に破壊する。だがあの金髪の軽装歩兵を放置するわけにはいかない。見つけて必ず殺せ」
ラムジンは金髪の軽装歩兵を追うことにした。
「男爵の決定、このアルスバッハも感嘆の極みゴリ。その後にこの国の貴族どもに我らこそが本当の貴族であることを思い知らせるのです。さて、誰を派遣しましょう?」
アルスバッハも金髪の軽装歩兵で誰を派遣させるかは考えていなかった。
「あの、男爵の会った軽装歩兵さんを手分けして探すのはどうでしょう?その後に色々考えてみるとか」
プリアからの思いがけない提案に怪人たちも「おーっ」と声が出る。
「男爵、私とプリアと同意見です。私とプリア、キャルの3名で変装し、パリ市内を探るというのはどうでしょう?」
今まで口を開かなかった仮面を被ったハチの怪人サンドラが提案する。
怪人の中では謎の多い少女だ。
「なるほど、やつを密偵するというのか。それもいい、サンドラとプリアで金髪の軽装歩兵の様子を探れ、暗殺はキャルに任せる。それなら役割分担もできていい」
ラムジンは皮肉な笑みを浮かべた。
「よっしゃ!早速地上に出るしかないわね!このキャルちゃんが金髪の軽装歩兵なんかミンチにしてやるわ!」
キャルはやる気に満ちていた。
「程々にしろよ?」
ラムジンの忠告に「問題ない!問題ない!いってきま~す!」と返す。
「クモおばさん!これからは楽をさせてあげるわ!アンタの機械人形、しっかり磨いておきなさい!」
キャルはノリノリで広間を去った。
「私たちも行きましょうか?」
「ああ、だが地上は水の世界とは違う。気をつけろよ、プリア」
プリアとサンドラも広間を去った。
ため息を吐いたルビーは「大丈夫です?」とラムジンに問う。
「まあ、あいつらはやる時はやる。心配するな」
「だといいのですが・・・・・・」
アルスバッハは咳払いをした。
「ルビー様、我々は我々の貴族社会を取り戻すためにここにいます。男爵が必ずや理想の国家をこの国に建国するでしょう。そのためにも我々が争ってはいけないゴリ」
ラムジンも少し苦い表情を浮かべ、タバコを手にする。
「すまないな、アルスバッハ。苦労ばかりかけさせる」
「いえ、男爵閣下のお役に立てるのであれば、どんな苦難もどうということないゴリ」
「ありがてえなあ。そこでアルスバッハ、作戦計画を練り直してくれないか。近々、機械人形でバカの国を揺さぶる。ルビーも機体の整備はしっかり頼むぞ」
ルビーは「大義のため、ですわね・・・・・・」と呟いた。
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