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1550系電車異世界へ行く
不審車両
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オームラの里の民はアーク(天空)郊外にある『オームラ鉄道』の側線付近に集まっていた。
里の長老であるヒミコは里の子供のリノを連れて、郊外までやってきた。
「おばあ様、あの列車はどうして銀色なのですか?」
リノの投げた質問に「わしも分からぬ・・・・・・」と返答する。
「英知の金属による物であるのは確かだが、客車とも違う奇妙な列車だ。わしも何十年も生きていたが、このような列車は見たことがない」
平面顔の車両はシルバーメタリックに緑色の帯を巻いたスマートな車体、屋根には白い角ばった物体と腕のような形をした何かが畳まれた状態で載っており、オームラの里の民は誰もが興味を持っていた。
床下は黒色に塗装されているが、新品のような状態で、『オームラ鉄道』の木造客車と比べ、比較にならないほどきれいだった。
シルバーメタリックの謎の金属車体、『オームラ鉄道』の製造から60年以上経過した木造客車とは比べ物にならないくらいきれいに輝いている。
ドアも付いており、見た限り両開きだが、取っ手のようなものがない。
『オームラ鉄道』の客車はどれも大国から払い下げられた60年前に製造された旧型で、状態も結構ギリギリ保っている。
当然ではあるが前後左右の揺れも激しく、乗り心地はあまりいい評価はできない。
観衆が騒めく。
「ほらほら、下がるんだ!カカシ様とジル社長が来たぞ!」
役人の一人が叫ぶと、里の民はリノ含め、カカシとジルに対して誰もが頭を下げる。
「なんだあの車両は?」
ジルも目を疑う。
「このワシも何十年、他国の鉄道は見てきたつもりだが、これはどういうことなのか・・・・・・」
カカシも声を失った。
その車両は客車ではないのだ。
「ジル殿、あの車両は蒸気機関ではなさそうだな?」
カカシが尋ねると「ええ、そうですね」と返すしかなかった。
『オームラ鉄道』は開業当初から蒸気機関車『ウィリー号』を所有しており、蒸気機関車に客車や貨車などが牽引される。
しかし目の前の車両には蒸気機関らしきものもない。
客車にしても不自然だ。
両開きの取っ手なしのドア、3つドア18m車体は『オームラ鉄道』の中でも大型クラスであった。
「あの車両、18mもあるのか・・・・・・」
ジルはとにかく驚きを隠せなかった。
『オームラ鉄道』であのような車両を製造するとなると、どんなに短くても20年以上はかかるかもしれない。
「ジル殿、あの車両を調査してみてはどうか?」
「ええ、鉄道技師のハンツマンを呼びましょう。彼は他国の鉄道技術にも詳しい男です。もしかしたら、この車両の謎が分かるかもしれない」
ジルはすぐ側近を呼び出した。
「ハンツマンに連絡しろ、アーク(天空)郊外の側線にすぐ駆けつけてくれと」
「私もよいかのう?」
ヒミコも話に割り込む。
「ババ様、あの車両に興味が?」
カカシは表情を曇らせた。
「これでも魔法に精通している老婆、何か分かることもあろう」
ジルは「調査にはヒミコ殿も加わっていただこう」と快諾する。
「今は少しでも多面的に情報を見ていく必要があります。あの車両の謎を、早く解き明かす必要はあるでしょうな」
「うーん・・・・・・」
カカシは不審な鉄道車両に目を向ける。
どうしてこの里にこの車両が来たのか、謎を解き明かす必要があるかもしれない。
里の長老であるヒミコは里の子供のリノを連れて、郊外までやってきた。
「おばあ様、あの列車はどうして銀色なのですか?」
リノの投げた質問に「わしも分からぬ・・・・・・」と返答する。
「英知の金属による物であるのは確かだが、客車とも違う奇妙な列車だ。わしも何十年も生きていたが、このような列車は見たことがない」
平面顔の車両はシルバーメタリックに緑色の帯を巻いたスマートな車体、屋根には白い角ばった物体と腕のような形をした何かが畳まれた状態で載っており、オームラの里の民は誰もが興味を持っていた。
床下は黒色に塗装されているが、新品のような状態で、『オームラ鉄道』の木造客車と比べ、比較にならないほどきれいだった。
シルバーメタリックの謎の金属車体、『オームラ鉄道』の製造から60年以上経過した木造客車とは比べ物にならないくらいきれいに輝いている。
ドアも付いており、見た限り両開きだが、取っ手のようなものがない。
『オームラ鉄道』の客車はどれも大国から払い下げられた60年前に製造された旧型で、状態も結構ギリギリ保っている。
当然ではあるが前後左右の揺れも激しく、乗り心地はあまりいい評価はできない。
観衆が騒めく。
「ほらほら、下がるんだ!カカシ様とジル社長が来たぞ!」
役人の一人が叫ぶと、里の民はリノ含め、カカシとジルに対して誰もが頭を下げる。
「なんだあの車両は?」
ジルも目を疑う。
「このワシも何十年、他国の鉄道は見てきたつもりだが、これはどういうことなのか・・・・・・」
カカシも声を失った。
その車両は客車ではないのだ。
「ジル殿、あの車両は蒸気機関ではなさそうだな?」
カカシが尋ねると「ええ、そうですね」と返すしかなかった。
『オームラ鉄道』は開業当初から蒸気機関車『ウィリー号』を所有しており、蒸気機関車に客車や貨車などが牽引される。
しかし目の前の車両には蒸気機関らしきものもない。
客車にしても不自然だ。
両開きの取っ手なしのドア、3つドア18m車体は『オームラ鉄道』の中でも大型クラスであった。
「あの車両、18mもあるのか・・・・・・」
ジルはとにかく驚きを隠せなかった。
『オームラ鉄道』であのような車両を製造するとなると、どんなに短くても20年以上はかかるかもしれない。
「ジル殿、あの車両を調査してみてはどうか?」
「ええ、鉄道技師のハンツマンを呼びましょう。彼は他国の鉄道技術にも詳しい男です。もしかしたら、この車両の謎が分かるかもしれない」
ジルはすぐ側近を呼び出した。
「ハンツマンに連絡しろ、アーク(天空)郊外の側線にすぐ駆けつけてくれと」
「私もよいかのう?」
ヒミコも話に割り込む。
「ババ様、あの車両に興味が?」
カカシは表情を曇らせた。
「これでも魔法に精通している老婆、何か分かることもあろう」
ジルは「調査にはヒミコ殿も加わっていただこう」と快諾する。
「今は少しでも多面的に情報を見ていく必要があります。あの車両の謎を、早く解き明かす必要はあるでしょうな」
「うーん・・・・・・」
カカシは不審な鉄道車両に目を向ける。
どうしてこの里にこの車両が来たのか、謎を解き明かす必要があるかもしれない。
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