ファンタジアストーリーズ

メカタニア戦記 君が為に捧げる花

異世界

　地球が存在する銀河系を超えて、未知の銀河系にある辺境惑星、『アースグリム』の発見から20年が経過したある日に、ヒューマノイドロボットたち2000万人が移民船に乗って、地球から脱出し、2000万人のヒューマノイドロボットたちは自分たちの国家を建国した。
　それから30年、『アースグリム』では300もの国家が建国されては滅びた。
　多くのヒューマノイドロボットたちは移住した別の世界で難民になり、モンスターロボットと呼ばれる正体不明の魔物形のロボットによる襲撃被害など、時代は混迷を極めていた。
　そんな中、北欧から亡命したシャルルは自らの王国を建国する。
　後々、『メカタニア王国』と名づけられた国家は、亡命したヒューマノイドロボットや亡国の民を受け入れ、飛躍的な経済発展を遂げていく。
　しかし戦乱の世、安泰は約束されなかった。
　『メカタニア王国』は幾度となく、他国の侵略やモンスターロボットの存在に脅かされてきたが、決して他国の侵略を許さず、他国を侵略せず、他国の戦争に介入せず、独自の政治・経済運営を継続していった。
　シャルルは、シャルル・リ・メカタニアを名乗り、ヒューマノイドロボット難民たちに参政権を付与する法案を認め、王国でありながらも民主的な政治開放を実現、さらには同盟を組んだ小国との交易を開始し、『メカタニア王国』は経済的にも大きな国へと発展していく。
　シャルルは、見ず知らずのヒューマノイドロボットの少女、アネモネを自らの娘として育て、アネモネ・リ・メカタニアの名前を与え、正式に王女として認められた。
　アネモネは国防軍の騎士団団長に任命され、幾度となく敵国の侵略を阻止した。
　時には前線に出て自ら陣頭指揮を取り、敵を圧倒したと言われている。
　荒れ果てた新天地で絶望と恐怖が支配する世界で、アネモネ王女とシャルル王、『メカタニア王国』の民は一時の平和を約束した。
　しかし、『アースグリム』の空は闇色に染まり、暗い歴史が動き出す。
　生きるか死ぬか、勝利か敗北か、結末は誰にも分からない。
　1人の少女、王女であり騎士でもあるアネモネの戦いは今、始まろうとしていた。
　自らの信念のために・・・・・・。
　民の幸せのために・・・・・・。