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第二十六話 追加調査の依頼 前編

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 注目を浴びるうちはできれば外に出たくないと昼食後は居間のソファの上で膝を抱えていじけだしたオリンドに、じゃあフェリちゃん置いてくし、お土産も買ってくるからご機嫌直してねと言い置いてウェンシェスランはイドリックとアレグの三人で出掛けていった。なんでも冒険者ギルドに呼ばれているらしい。
 アルベロスパツィアレが新しい薪を焚べ直してくれた暖炉の火を見ながら、オリンドはいつの間にかずり落ちた薄手の毛布をゆるゆると肩まで引き上げる。ついでにたくさん乗せられたクッションのうちのひとつを引き寄せて隣に置くと、側頭部を預けて片手を添えた。
「……なんかすごいこと言われた気がする…」
 俺のご機嫌取りに賢者エウフェリオその人を置いていくってなんだ。
「なにもすごいことなど言われてませんよ?」
 また私のこと格別的な扱いしてますね?と唇を尖らせたエウフェリオが隣に座り、手ずから煎れた紅茶を差し出してくる。
「うあ、…う、ご、ごめんなさい。なかなか癖が抜けない…」
 起き上がって受け取ったオリンドはカップに口元を隠してバツの悪そうな顔をした。
「謝ることは無いですけど。ああ、でも、最初の頃を思えばだいぶ砕けてきてくれましたねオリンド。ありがとうございます」
「ええ?そこ礼を言うとこなのかな」
「とこですよ。とっても嬉しいんですから」
 などと。紅茶のカップに口を付けながら微笑む姿があまりにも優雅でオリンドには眩しすぎる。
 喉の奥で、きゅぇぁあ、と小さく悲鳴を上げて茹で上がると、エウフェリオは一旦息を強く飲み込んでから眉尻を下げて笑った。危うく茶を吹き出すところだ。
「っふふ。そろそろ見慣れてくださいな」
「ややや無理無理無理…っ!まいにち新鮮にかっこい眩しい…」
 片手で顔を覆って頭を振るオリンドに、エウフェリオこそ笑顔のままで頭を振った。この可愛い人は何故こうも易々と心を揺さぶってくるのか。言葉選びが素直すぎる。
 壁に取られた大きな窓にかかる薄布のカーテン越しに差し込む柔らかな陽の光の中で、この二ヶ月と少しでほんのりと肉付きの良くなってきた頬を真っ赤にさせて、照れ隠しなのか紅茶をぎこちなく小分けに飲んでいる姿が愛らしい。
「……オリンド」
 手にしていた紅茶を置いたエウフェリオは、そっとオリンドの持つカップに手を添えた。
 不思議そうに見上げてくる目元も出会った日の落ち窪みように比べればだいぶ張りが出てきている。
「ああ、唇も。とても健康そうになってきましたね」
 まだ晩夏の頃だったというのにひび割れそうに乾燥して捲れ上がり土気色だった口元も、冬に差し掛かった今では血色も良くなってぷっくりとふくよかさが現れ始めていた。
 空いた指先でなぞると心地よい弾力が返ってくる。
「……っ!」
 ひくりとオリンドの肩が跳ね上がった。
 知らず口付けていたのだと気付いたのはゆっくりと身を離した後だった。
 呆けた赤ら顔がこちらを見ている、とぼんやり考えてしばし、唇に残る自分のものでは無い僅かな体温の名残に思い至る。
「………!!」
 エウフェリオはソファを飛び退った。後にオリンドの曰く、虚をつかれた猫科の獣のような身のこなしでもって、空を舞いテーブルの向こう側に着地するという芸当を見せた。直後に二人の手を失ったカップが絨毯に転がる。
「っ、す、すみませんオリンド!了承も得ず!」
「…りょ、…了承て…」
 いやそりゃびっくりしたけど。すっごい驚いたけど。俺なんかにエウフェリオがちゅーしてくるとか思いもしなかったっていうか、むしろ付き合ってるとかいうこと自体が夢だったんじゃないのかってくらいで、いやほっぺにちゅーは一回あったけど、いやそもそもそこから幻っていうか妄想だったんじゃないのかって…えっ、あれ、ちゅー?…えっ、ちゅー…て、…き、キスか?キスされたの俺?…待って誰に?えっ、エウフェリオに?…なんで?…なん、…なんでって、そりゃ…。
 ほろり、と、一粒の涙が頬を伝った。
 ぎょっとしたエウフェリオが慌てて駆け寄る。
「っあ、オリンド…っ!…す、すみませ…」
「…つ…」
「つ?」
「……付き合っ…てた」
 夢じゃ無かった。
「~~っ!オリンド…!」
 良かったと声を上げてあられもなく泣き出すオリンドの姿に、ウェンシェスランにあれほど釘を刺されたにも関わらず大事にしすぎたことを猛省したエウフェリオは唇といわず頬といわず目といわず、顔中に口付け抱きしめる。
「すみませんオリンド…。こんなに心細くさせてしまって…」
「っ、ちが…、え、えぅふぇり、お、の…せいっじゃ、なくてっ…俺がっ…じ、自信…っ、な、なくてっ」
「いいえ、私のせいです。私のせいですから、いっぱい泣いて吐き出してください。したいこともしてほしいことも全部、言ってください。全部叶えますから…っ」
「…っ、ぅ、う…っ、…ぅぁあぁあ…っ」
 号泣の合間に、抱っこしたい、だとか、たくさんキスしたい、だとか、呟かれるささやかな願い事が愛しくて嬉しくて切ない。
「抱っこもキスもたくさんします。毎日します。…他には?」
「っぅ、り、りんど…。りんど、って、よんでほし…」
「リンド?」
「うんっ、…と、とうちゃんと、かあちゃんだけっ、よんでた…」
「…ご両親が…」
 家族だけが呼んでいた愛称。それを私に許してくれるのか。
「ありがとうございます。リンド」
 ソファに座り直したエウフェリオはオリンドを膝の上に抱き上げて何度も何度も口付け、泣き止むまでいつまでも腕の中で温めた。
 気付かぬ間に三度目の薪をそっと焚べたアルベロスパツィアレが静かに扉を閉める。
 暖炉の火に照らされ艶の揺れる唇をもう一度啄んだエウフェリオは額に額をくっつけた。ようやく泣き止んだオリンドの、まだ雫を纏うまつ毛が少し震えて開かれた後、ちぱりと瞬く。
「…愛していますよ、リンド」
 ゆっくりと目を合わせて囁くと控えめな頷きが返ってくる。
「うん。…お、俺も…愛してる…ふぇ、フェリ」
 真剣な顔をして蕩けそうな声で告げられたエウフェリオの胸も強く震え、涙が滲んだ。
「あ、さ、寒い?」
 その震えを寒さからくるものかと受け取ったオリンドが、自身の羽織る毛布を広げてみせるのが堪らなく愛おしい。
「ふふっ、ありがとうございます。一緒に温まらせてください」
 そっと片目を拭ったエウフェリオはオリンドを抱き込んで毛布にくるまった。そのままありったけのクッションを背中や首の下、腕回りに集めて仰向けに寝そべる。
 嬉しそうな顔で胸元に頬を擦り付け身を寄せるオリンドの位置をもう少々上に抱き上げ直すと、幸せな温もりに目を閉じた。
「……あららあ。すっかり寝ちゃってるわね」
 夕方、帰宅したウェンシェスランたちは静かにするよう身振り手振りをするアルベロスパツィアレにぴんと来て、こっそりと居間の中を伺った。見ているだけで温まる光景に、こりゃあ土産も土産話も後だなと食堂に赴く。
「っあー!いいわねえフェリちゃん。あんな可愛いお嫁さん見付けちゃって」
「えっ。フェリとオリンド結婚すんの?」
 冗談を真に受けるアレグにウェンシェスランは笑いかけて、しかしふと考え込む。
 もしかするともしかするかもしれない。
「何年かしたらするんじゃない?フェリちゃんクソ真面目だし」
「しそうだな。…教会にどう話をつけるか知らんが」
「はんっ。あんなとこ通さなくていいのよ。…あら、ベルちゃんありがとう」
 それぞれに紅茶を差し出してくるアルベロスパツィアレに礼を言って受け取ったウェンシェスランは、ひと口含むと、それにしても、と話題を変えた。
「んねえ、どうする?今度の依頼」
「ああ。…当分オリンドを目立たせたか無いんだがな」
「それなー。でも隠し扉なんかの解除もってなってくると、どうしても探査スキルは必要だろ?」
 呼び出されたギルドで打診された依頼内容を思い返しながら、イドリックもアレグも紅茶に口を付けつつ眉を寄せた。
「おや、探査の必要な依頼なんですか?」
 するとウッドビーズカーテンを割り開いてエウフェリオが顔を出す。
「フェリ。なんだ、起きちまったのか」
「夕飯できてくるまでリンちゃんとゆっくりしてればいいのに」
「そうしたいのは山々ですが、依頼の話が聞こえてきたのにそんなわけにもいかないでしょう。用を足したらリンドも呼んできます」
 どうやらトイレに起き出してきて通りかかったところで話が聞こえたらしい。しばらくして、眠たそうにしてはいるが足取りも軽いオリンドを連れて戻ってきたエウフェリオも食卓についた。
「あらあ、リンちゃんすっかりご機嫌直ったみたいね。よかった」
「え、へへ」
 照れ笑いながらふわふわとした動作で席に着くオリンドに、ウェンシェスランも嬉しそうな笑顔を向ける。
「んふふ。あたしたちが出掛けてる間にイイコトしてもらった?」
 にやにやと、その笑みは物語の挿絵で見る猫のようだ。
「へはっ!?」
 着いたばかりの椅子の上で飛び上がったオリンドの顔が音を立てそうなほど一瞬で赤く染まる。何より明確に語る反応にアレグとイドリックも相好を崩した。
「ちょっとシェスカ」
「いいじゃない!聞かせなさいよ!依頼の話なんか後回しよ!ねえ、あんたたち絶対今朝までキスもしてなかったでしょ!ねえ、してもらえてなかったでしょリンちゃん!?」
「えっ、うん。…あっ!」
 聞かれたら反射で答えてしまうのがオリンドだ。しまった、と両手で口を塞いでますます茹で上がる。
「リンドに聞くのは卑怯でしょう!?」
「っあー!聞き間違いじゃなかった!やっぱりリンちゃんのことリンドって呼んでる!ちょっと裸のお付き合いしたからって…!」
「これはっ、そういうことではなく!というかキスしかしていません!」
「えっ…!?うっそだろ、ちょこっとエロいことくらいはしたかと思ってたのに…。マジかよフェリおまえ、オリンドかわいそ…。そんなんオリンドから言えるはずねえじゃん、かわいそ…。あと俺もオリンドのこと愛称呼びしたい」
「そこは反省しきりのところなれば!というか貴方が涙ぐまないでくださいよアル!」
「そうか…。二ヶ月放置か」
「うおっ…!」
 静かなイドリックのひと言はこれ以上無く効いた。胸元を抑えて天板に突っ伏し、ぴくりとも動かなくなる。
「…も、もうこれ以上は…、いじめないであげて…っ」
 丸まった背中を一生懸命に撫でながらオリンドが涙目で懇願する。可愛い。こんな大事にしすぎて寂しい思いをさせるような馬鹿たれのことがこんなに大好きだなんて。
「んーもう。仕方ないわね。リンちゃんに免じて許したげる。…でも、いい?リンちゃん。辛かったらちゃんとあたしたちに言うのよ?フェリちゃんのことガッツンガッツンにとっちめてやるから」
「いやっ、あのっ、だ、だっ、大丈夫。これからはしたいこと全部言ってほしいって言ってもらったから、ちゃんとちゅーしてって言うし!」
 ご心配なく!
 啖呵を切るように言ってしまってから、正直なことは美徳だが時と場合によりけりである。などと昔からよく聞く定番句を思い出しながら、オリンドはエウフェリオの堪えきれずくつくつと跳ねる背中にゆっくりと崩れ伏した。
「…それで依頼というのは」
 なんのかんので結構な時間がかかり、主に「ちゅーだって、ちゅー!可愛い!」とはしゃぐウェンシェスランを静めることに時間がかかり、食卓をばんばん叩きながら地元ではキスのことをチューと言うから言い損なうのだと泣きそうになりながら訴えるオリンドを宥めるのにも時間がかかり、さらにはリンド呼びしたいと詰め寄るアレグとイドリックにオーリン呼びで勘弁してほしい理由を渋々告げるともう冷やかしどころの騒ぎでは無かった。結局は騒ぎすぎてアルベロスパツィアレにまとめて小鍋で頭をどやされ先に夕食を済ませた後、改めて居間に設けた席でエウフェリオは依頼の件について切り出した。
「それがねえ、リンちゃんの噂がさっそく城まで届いちゃったんですって。アストロフィツムの方は延期していいから、クラッスラで珍奇なもの採ってきてほしいって王の使者が来たそうよ」
「相変わらずの収集癖ですね。年に一度の機会しか無いアストロフィツムを延期とはまた…」
「ほんとよね。まあでもギルドからリンちゃんが描いた地図の隠し転送陣含む正式な検分と、新階層の魔物調査を依頼されたから、そっちのついでで頼むって話だったわ」
 ギルドのものは予想された依頼だ。オリンドの地図を発行販売するにあたって、アレグが行ったような流し見では根拠に弱い。
「まあそのような話になるでしょうね。隠された転送陣までとなると、確かにリンドの探査が必要ですが…」
 廊下で聞いたアレグの言葉はこれか。とエウフェリオは頷き、オリンドを見た。
「んぇっ、…あ、俺?」
「そう。あんただ。どうする?俺たちとしては描いてもらった地図もあることだし、アルの力があれば辿り着けんことも無い」
「辿り着けないことも…?…って?」
「アルちゃんのパゥワーでバッコーン!ってことよ」
「っええ、それ壁とか壊してくってこと!?あんな景色良いとこを!?それは、やだっ。…あの、仕事ならちゃんとする。するし…」
 と、そこで一旦言葉を区切ったオリンドは言うか言うまいかあぐねたが、食卓に乗せた手にそっとエウフェリオの手が重ねられて意を決する。
「その、…こないだは七階層まで通用するか、試せて無いから、やってみたい…」
 せっかく世界一の人達に教えてもらっているのに、せっかく剣と鎧も見繕ってもらったのに、その上マニア垂涎もとい尊敬するイドリックのお下がり小盾も貰えたのに、先日はただ歩くことしかできなかった。
「リンド。無理しなくていいんですよ?」
「ん。うん。無理してない。宴会とかは出たく無いけど…」
「あっ…、それ俺が痛いぃ」
 途端にアレグが頭を抱えて突っ伏した。イドリックとエウフェリオも額に手を当てそっと反省し直す。
「ふへへっ。…あ。あと、あの、まだ早いかも知れないけど、できたら上級階層に居るクラスの魔物の威圧に慣れておきたい…」
 この先様々な冒険について行くにあたり、ちょっとでも足を引っ張らないよう、探査で垣間見ただけでも命を削られると感じた圧倒的な恐怖を何とか少しでも克服したい。青ざめながら照れるという芸当でもってオリンドは希望を口にした。
「…っ!その意気や良し!!俺について来いオーリン!フェリの防壁ガンガンでな!?」
 がぁん。椅子を飛ばして立ち上がったアレグは片手をオリンドに差し出した。
「よっ、よろしくお願いしますアレグさん!」
 ばぁん。食卓の天板を叩いて立ち上がったオリンドもアレグに片手を差し出してガッツリと握手を決めた。
「……いや、そろそろさん付けやめよ?」
「っこればっかりは!もう少し慣れるまで許していただきたい所存っ!」
 まだまだエウフェリオ以外には時間の掛かりそうなオリンドだ。
「ふふふ、まあ、ゆっくり行きましょう?…ところで、正式な調査と言っても具体的にはどのように?」
「ああ、それだがな」
 言ってイドリックはギルドでカロジェロと話し合ったことを思い返した。
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