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第二十三話 転送陣と罠は使いよう

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 隠し通路は短いくの字型になっていて、角を曲がればすぐに袋小路になっていた。他人の発見した新たな通路に割り込んで他の冒険者やギルドのブラックリスト入りを果たそうなどという馬鹿も居るまいが、念の為入り口付近に軽く結界を張ってから進む。
 曲がり角から見える奥の壁にはレンガの間に髪一本に満たない薄らとした隙間があり、いかにも何か隠されていそうだが、お呼びじゃないとばかり無視して角の手前でレンガを二つほど取り外したオリンドが開いた穴に腕を突っ込みしばし弄ると、目の前の壁の一部が開戸と化した。重たそうにこちら側へ開く小さな扉を前に、三人とも唖然とする。
「そんなところに…扉……。つくづく嫌な性格ですねこのダンジョンの設計者は」
「奥のあの壁は何なのよ」
「んぁ、あっちはちょっと色の濃いレンガを上から順に押すと開く」
「…ああ、五階層行きの転送陣に出るんですね」
 地図を確認してエウフェリオが眉を寄せる。
「五…あんな仕掛けの後にか。泣けてくるな、おい…」
「うん。ほんとに、こんなダンジョン初めてだ。…えっと、通路は口実にしたけど、これ、一応持ってく?」
 窓の大きさほどの扉の向こうには戸棚ほどの空間があって、柔らかな布の敷かれた金属の箱に腕輪らしき装飾品が四つ収まっていた。
「持って行きましょう。何か持ち出してみせたほうが自然でしょうから」
「そうだな。鑑定してみにゃわからんが、使える道具かもしれんし。それで、フェリ。考えがあるとか言っていたがどうするんだ?」
「ええ。それなんですが、オリンド、三十一階層と三十二階層の間の転送陣は辿り着くまでに時間がかかりますか?」
「えっ?ううん。ここの通路みたいに壁の一部がスイッチになってて、隠し扉が開く仕組みになってる」
「では、そちらを使いましょう。魔石の晶洞に出るんですよね。各自シェスカに対魔素防壁を張ってもらって、危険だから入らないようにと警告してから飛びますよ」
「ええ?…そりゃいいけど、それじゃ連中を捲けたって素性が割れなくない?」
「いや、悪巧みしてるんなら、無理矢理にも付いてくるんじゃないか?」
「でしょうね。そこは立会いパーティを頼んで止めてもらうつもりではありますが、念の為に晶洞の落とし穴で七十七階層の隠し部屋に飛んで身を隠しましょう。八十三階層の通路に出る転送陣があるんでしたよね」
「あらまっ!やだあ。そんなことしたらあたしたちが飛んだと思って八十三階層に行っちゃうじゃないー。フェリちゃんたら涼しい顔してエグいんだからあ!…やっちゃいましょ」
「新発見の転送陣に準備無く飛び込むのは自殺行為だろう。いやあ、何の心構えもなく前人未到の階層か。はっはっは。俺なら勘弁願いたいな。はっはっはっは」
 三人とも、すごく、楽しそうでなにより。
 彼らのやりたいことを理解したオリンドは、ちょっと意識を遠くへ飛ばして提案におずおずと頷いた。
 さて、そうとなればさっそく転送陣巡りだ。予備的に七十七階層と八十三階層の地図をオリンドに描いてもらってから、隠し通路で良いものをゲットしたぜ、という風を装って戻り隠遁魔法を解除すると、これまでと同じ歩調で転送陣の隠された通路を目指す。意識すれば余計にチリチリと項の辺りを焦がす視線に耐えて三十一階層と三十二階層の間の壁前にオリンドは立った。先ほどの隠し通路とは異なり壁のレンガにも光苔がびっしりと付いている。
 件の、確かに悪意のこもった気配が付けてきていることをこっそり確認したイドリックが合図を送った。頷いたオリンドがレンガを六つ奥へ押し込むと、先ほどの隠し通路と似た音が上がり、同様に壁が奥へ下がると横に引き込まれていった。全く同じ仕掛けにウェンシェスランなどはちょっと拍子抜けしたが、見守る冒険者たちからはやはりざわつく声が上がった。
 いくばくか遠慮を無くした周囲から罠解除の技能だとか絡繰技師じゃないかという密やかな言葉がちらほらと聞こえてくる。
 そのどれもが検討外れであり、探査スキルの単語がひとつも上がらないことがエウフェリオたちには誇らしくも歯痒い。
「今よりこの転送陣から先は我々のクラッスラ新階層調査のため立ち入りを禁ずる!ギルドからの正式な依頼書はここにある。立ち会おうというBランク以上のパーティはあるか!?」
 今や剥き出しにされた転送陣を前にイドリックがギルド依頼の調査を行う際に定められた口上を述べる。すると呼応するようにひときわ装備の良い一団が進み出てきた。
「我々で良ければ立ち会おう」
「おや、フィロ。お久しぶりですね」
 面識があるらしくエウフェリオが顔を明るくするのに首を傾げて見ていると、ウェンシェスランがこっそりとAランクの四翼竜というパーティだと教えてくれた。その名は聞いたことがある。剣士を中心に攻撃系で纏まった新進気鋭の四人組だ。目を見張るオリンドにフィロと呼ばれた男は破顔して握手を求めてきた。
「初めまして。きみがオリンドくんかな?聞いていた印象よりだいぶ明るいけれど…。いや、失礼。四翼竜のリーダーを務めさせてもらってる、フィリッポだ。気軽にフィロと呼んでくれたまえよ。それから僕の頼もしい仲間、ブリジッタにジェラルディナ、グリゼルダだ」
「は、はじ、初めまして。…あ、あの、オリンド、と、いい、いいます。こ、こんにちは…」
 握られるがまま腕を振られつつ、紹介された面子にもオドオドと視線を送る。三人ともふくよかな女性だ。噂によるとフィリッポが安心感のあるタイプを好むらしい。返ってくるそれぞれの柔和な笑みにオリンドもなんとなく緊張を緩め、少し笑い返すことができた。
「ところで先程から拝見しているが、きみ、素晴らしい腕前だね。何の技能持ちだろうか?」
「えっ?…あっ、あう、…ぁ、え、えっと、あのっ…」
「すみませんがオリンドは極度の人見知りなんです。お手柔らかに願いしますね」
「おお。そうか。それはすまない。ならば後日、落ち着いた席で是非とも」
「お気遣い痛み入ります。ところでフィロ。もしかすると無理にでも通ろうとする者があるかもしれません。可能なら一人でも捕らえてもらえると助かります」
 声をひそめて言うエウフェリオに、フィリッポは悪戯っ子のような顔で目を剥いて同じく小声で返した。
「はっは。なんだ。楽しそうな状況に陥ってるようだな?いいだろう。取り逃すこともあるかも知れんが、タグなり誰ぞ一人なりは必ず捕らえてみせよう。その代わり、後日僕と茶を飲みたまえよ?」
「…仕方ありません。背に腹を代えましょう」
 よくわからないが交渉は成立したようだ。四翼竜が立ち会いを務めると聞いて冒険者たちが遠巻きになる中、イドリックは再度の警告を口にした。
「いいかお前ら!この転送陣の先には必ず未知の危険が待ち構えている!嫁旦那娘息子母ちゃん父ちゃん姉ちゃん兄ちゃん妹弟もしくは双子の片割れあるいは彼女彼氏にペットの待つ、それから誰も居ない家だろうが部屋だろうが、帰るべき場所に帰って寝たい奴は立ち入るんじゃないぞ!」
 こちらは勇者一行が新開拓地に先行する場面で必ず誰かが口にする決まり文句だ。周囲から歓声が沸き起こり、オリンドも興奮に頬を染めて目を輝かせた。まさかこれを隣に立って聞ける日が来るなんて。
「うっふっふ。リンちゃん嬉しそうね」
「っもう、すごい、かっこいい。声が良すぎて痺れる。特等席すぎて腰抜けそう…っ」
「よせよせ、褒めても何も出んぞ」
「おやおや、携帯食が出ているようですが」
「はいはい、茶番やってないでさっさと行くわよ」
 対魔素防壁を張り終えたウェンシェスランに背中をどやされて、オリンドたちは転送陣に飛び込んだ。
 独特の浮遊感のあと、万華鏡のごとく目まぐるしく入れ替わった景色が魔石特有の粘度を持った輝きに染まる。
「っうお、これは…!」
 思わずイドリックは呻いた。一面が様々な色形をした魔石の結晶で埋め尽くされている。ウェンシェスランの防壁があっても魔法慣れしていない身には危うく酔いそうな魔素量だ。壁が無かったらと思うとぞっとする。
「リック!こちらです、早く!」
 しばし呆としてしまったらしい。エウフェリオに腕を引かれて、我に返ったイドリックはウェンシェスランとオリンドの後に続き落とし穴に飛び込んだ。
「……っはあ!…なんだあ、ありゃあ!きっついなおい」
「大丈夫ですか?…しかし、打って変わってこれはまた簡素な部屋ですね」
 再度飛び出した先は目論見通りの七十七階層の隠し部屋だろう。閑散とした真っ白の四角い部屋に二つの転送陣、ひとつは今しがた飛んできた六十階層からのものだ。残る一つが八十三階層への陣かとわかりやすいのはいいのだが、いかんせんこれでは隠れる場所も無い。先ほどの晶洞なら魔素への対応と落とし穴の発見まで確実に時間稼ぎにはなるだろうが、これはフィロたちが止めきれなければ戦うしか無いかとエウフェリオが多少の諦めを覚えたところで、何気なく、オリンドが壁に歩み寄った。
 それはほんとうに、なんの変哲も無い壁だった。レンガ造りですらない、一面同色で、滑らかな、繋ぎ目ひとつ見当たらない漆喰の。
「…ぁあ。ここ」
 とつん。と、彼は、染みでも見つけたように、白い壁面の一部を指先で突いた。
 何ひとつ無かったそこに、鶏卵程度の真ん丸な切り込みが唐突に現れ、静かに沈み込んでいく。
 呆気に取られて見守るエウフェリオたちの前で、全くのひとつだった壁がふたつにわかれて滑らかに道を示した。オリンドの押したそれがスイッチなのだと気付いたのは、事ここに至ってからだ。
「…いや…こんなの…ほんとに、リンちゃん居なかったら破壊するしかないでしょ…」
 あんな仕掛けを他の誰が見付けられるというのか。罠解除の専門職だってこんなに手掛かりが無くては壁の全てを虱潰しに探すしかあるまい。それも絡繰があるとわかっていればの話だ。
 呆然としたまま部屋を出て周囲を見渡すと七十階層以降に特有の、まるで城下町のような景色が広がっている。天井付近に密集した光苔は日の光ほどとはいかないまでも、もはやランプなどといった灯りを必要としない明るさを注いでいた。
 辺りを確認するとこの階層まで辿り着いたパーティが野営にもよく利用する安全な場所のうちのひとつだった。いくばくか安堵しつつ背後の壁が扉としての役目を終えるのを見守ってから少しの後、オリンドがぽつりと転送陣が動いたと呟く。
 ああ、やはり四翼竜すら押し切って無理矢理にも付けてきたパーティが居たのか。フィリッポたちが止めきれず魔石の晶洞も抜けてきたとはそこそこランクも高かったろうに。
「っあー、馬っ鹿ねえもう、ほんと!…逆恨みだか金積まれたんだか知らないけどさ。あとでアルちゃんと行って蘇生したげるから死んで反省してなさいだわ」
「できれば大人しく諦めてほしかったですね…。しかし対人戦などにならずに済んだことは良かった」
「まあなあ。あー、…八十三階層に行くやつは、通路に出るんだったか?」
 そうか。あんなこと言ってたけどやっぱり人がどうこうなるのは堪えるのか。少し安心したオリンドはイドリックの問いにこくりと頷く。
「うん、通路に出て、ちょっと行くと十字路の右手になんかの魔物の部屋…家?みたいなとこがある」
 その言葉に地図のメモページを広げたエウフェリオは、オリンドの走り描きした地図の転送陣がある通路から先を指で辿り、言われた場所に記された図を見て首を傾げた。
「…えー…。オリンド、動物らしき図は魔物でしたよね?」
 指さされた図を自らも確認したオリンドはこくんと頷いて手を打つ。
「うん。そう。…そうだ、魔物の巣もたくさんあるとこ」
「あらまあ。集団営巣?やばいじゃない。…えっ、何が出るの?」
 気になって地図を覗き込んだウェンシェスランは、指差された箇所を見てやはり首を傾げる。
「…鳥?の、魔物かしら?」
「そう。鳥…なんか羽の変なでかい鶏みたいだった。あと尻尾も変だったような…」
「うおおう。そうか。…蝙蝠みたいな羽で尻尾は蛇だったろう?」
「あっ。そう、それだ!尻尾は蛇だ。うん」
「コカトリスですか…」
「あららららぁ。どのくらい居たの?」
「ええ…どれくらいだったかな。もっかい見る?」
「いえいえ、覚えてる限りでいいですよ」
「ええと、五羽以上は居た。通路を歩いてる個体も居たから、全部でどのくらいかはちょっとわからない」
「おおーう。そうか。…Aランクなら…そこそこ準備してりゃ…各個撃破に持ち込めたらあるいは…」
「まさかAランクに馬鹿たれは居ないと思いたいけど。ってか、あんな晶洞に防壁無しで突っ込んだんじゃ魔素吸引の道具でも持ってなけりゃふらっふらよ」
 どう考えても飛んで行った馬鹿どもが生き延びる望みは薄い。
「とりあえず調達しがてら戻ってフィロに確認しますか。新階層調査の方はアルに任せた形ですから切り上げても面目は立ちますし。…ああっ!私としたことが…!あの地図をカロンに渡さないよう言うのを忘れていました…!」
 慌てていたあまり、よりによって一番肝心なところを。頭を抱えるエウフェリオに、愕然としてウェンシェスランが驚きの声を上げた。
「えーっ!?そうだっけ!?まずいじゃない、確実に乗せられて飲まされて調子こいて見せびらかして言葉巧みに頂かれちゃってカロンの方も酔った拍子で階層の数くらいは発表しちゃうわよ!」
「脳内再生余裕の未来予測はやめろ」
「えっ、だ、駄目なの?」
 なんで?
 きょとんと首を傾けたオリンドには三人分の手のひらがそれぞれ肩やら頭やら二の腕やらに乗せられた。
「おまえな、オリンド。いい加減に自分の探査がどれだけの価値を持っているか理解しような?」
「いいですか、オリンド。ギルドに依頼されたAランクが束になっても七十九階層の残りと次の階層への転送陣は、かれこれ二年、見付けられずにいたんですよ?」
「わかるかしら、リンちゃん。それを全階層の道筋に転送陣に目ぼしい宝が網羅された地図なんて、この大陸の、国じゃないわ、大陸の、王になれるレベルよ?」
「えっ、王様は嫌だ。…ええええ!?そん、そんな、そんなことになるの!?そん…えええええ…!え、エウフェリオの、このパーティの役に立てたら俺それでいいんだけどっ…」
 だって今が人生で一番楽しくて、それは全部全部この人たちのおかげで、だから残りの人生は全部捧げるつもりなのに。
「っオリンド…!貴方…!!」
 感極まってエウフェリオはオリンドを抱きしめた。
「おっまえ、…ばっ…か、もう少し欲張りになれよ!」
 堪らずイドリックはエウフェリオごとオリンドを抱きしめた。
「もう十分役に立ってくれてるわ!もっと自分のために生きていいのよリンちゃん!」
 胸に迫ったウェンシェスランは腕を伸ばしてオリンドの頭を抱きしめた。
「えっ?えっ?…えっと、パーティに入ってから、やりたいことしかしてない、よ?」
 三人に抱き付かれておろおろとしたオリンドは、何がそうさせているのかわからず首を捻る。
 エウフェリオたちの胸中は今やひとつだ。
 ああ。もう。もっとたくさんの楽しいことを教えたい。
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