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第十四話 薬毛鴨狩

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 野営の準備を整え、食事も済ませると辺りはすっかり暗くなっていた。予定通り湖へ向かうのは明日に回した一行は、防壁の結界を張ってから各自のテントに潜り込む。
 当然のようにエウフェリオと同じテントに放り込まれたオリンドは初めこそ眠れるかどうかと緊張していたが、同調でたっぷりと肌を合わせ慣れたおかげか抱き込まれて数分も経たないうちに寝息を立て出した。
「おやすみなさい。明日も楽しく過ごしましょうね」
 癖のある黒髪を撫で梳いて囁いたエウフェリオは、オリンドの肩周りの寝袋と毛布を整え直し、適当な荷物を手繰り寄せて枕にすると目を閉じた。
 翌朝、まだ暗いうちに出立の準備を始める。当初はゆっくりと朝食をとってから湖へ向かい、魔鳥の群れを急襲して依頼分の五羽と食料用に何羽か捕獲したらオークが騒ぎを聞きつける前に撤収、と予定していたが、オリンドの一言で変更になったのだ。
 湖面を埋め尽くす群れの中に、一羽だけやけに魔力の高い薬毛鴨が居ると言う。
「ねえ、ほんとに仙薬毛鴨だったらどうする?」
 待ちきれないといった様子でウェンシェスランは手早く荷物をまとめている。
「どうもこうも。絶対に懐かせて飼うに決まってるだろ」
 なにしろ抜け落ちた羽根すら薬になる。鼻息も荒くまとめたテントを縛り上げてイドリックは首元に滲む汗を拭った。
「雌だったらいいな!美味いんだよな卵…。万能薬にもなるし」
 出掛けに出遅れたため極端に荷物の少ないアレグは、散らかったエウフェリオのテントの片付けを手伝う手を止めて口中に溢れた唾液を啜る。
「万能薬より食い気優先ですか」
 こう見えて雑なエウフェリオは昨夜放り出すだけ放り出し引っ張り出すだけ引っ張り出した荷物の整頓に四苦八苦していた。
「卵…そしたら番で飼う方が、い、いいのか?」
 アレグのおかげで空になったテントを畳みに掛かったオリンドは、湖の方へ視線を巡らせる。
「片方が仙薬毛鴨の番の間に産まれる卵から、仙薬毛鴨が生まれるんならそうするとこなんだがな。生憎と孵化しない卵になっちまうらしい」
「えっ、…そうなの?」
「ええ。ほとんど加工無しで万能薬になりますから、冒険者ギルドや商人ギルド、錬金ギルドに、王宮でも随分と研究されていますが、これまで孵化した試しは無いそうですよ」
「ふうん…。じゃあ、薬毛鴨が仙薬毛鴨になったのを、捕まえるしか無いのか…」
 うわあ。大変だあ。あんな千羽くらい居そうな群れでも一羽だけ、それも確定じゃないのに。
 なんとか畳み終えたテントをエウフェリオに渡したオリンドは、もう一度湖のほうを見た。
「あっ。…もう一羽来た」
「なんですって!?…って、待ってリンちゃんずっとサーチかけてるの?」
「えっ?いや、き、気になったとき、だけっ」
「ふふ、わかります。調節した後の快適さはつい味わいたくなりますよね」
 怒られるかと肩をすくめたオリンドだったが、続くエウフェリオの優しい容認の言葉にほっと胸を撫で下ろす。
「ってか、行こうってすぐ行こうって。二羽も捕獲できるかもなんて千載一遇とかいうやつじゃねえの!?」
「おっ。そんな言葉よく知ってたな」
 まとめて荷物を担いだイドリックのからかいに尻へ軽く蹴りを入れてからアレグは湖までの獣道に足を踏み入れた。
「フェリ、早く消音消音」
「はいはい。気配も消しますから少し待ってください」
 小走りでもしそうな勢いに呆れ笑いつつ、エウフェリオは各自に隠遁の結界を張った。指定の人物や物を中心に指定の範囲に不可視不可触の壁を張り、内部で起こった音や熱の振動や生物の発する気配、魔素や魔力の流れなどを吸収して遮蔽する便利な魔法だ。宿などの壁面に魔石を組み込んで取り入れられることも多い。
「どうぞ。もう走っても大丈夫ですよ」
「走らんねーよ!おまえら付いてこれねえじゃん」
「…あれ、声聞こえる」
 一人一人に結界張られてるのに、なんで?首を傾げるオリンドの隣にウェンシェスランが並んだ。
「これねえ、お互いが近付いて結界同士が重なると、ひとまとまりになるのよ。二つの部屋だったのが壁ぶちぬきの一部屋になるようなもんね。だから同じ結界内ってことで聞こえるってわけ」
「へええ…んっと、つまり今はこう、たて、縦に長い結界に、なってる、のか」
 先頭のアレグから始まり後尾のイドリックまで、結界の形状を考えれば芋虫状になっていることだろう。
「あ…」
 そうか。さっき勇者様…じゃない、アレグさん、が走るわけにいかないって言ったのはそれでか。俺たちをぶっちぎって行っちゃうと音も気配も探れなくなって下手すると逸れちゃうんだな。なるほど。
 頷いて納得したオリンドはなるべく離れないように意識しながら歩き出した。夏も終わりの早朝、山道は少し肌寒くも感じる涼風が心地よく吹き抜けて、気の早い秋虫が鳴き出している。
 木立から茂みから下草から、とりどりの葉擦れが囁きのように溢れて、その間を縫うごとく虫の音が存分に埋める空間を、これほど間近に感じたことは無い。いつも一歩踏み出せばたちまちのうちに風すらも鳴りを潜めたかのような錯覚に陥ったものだが。
 ひとつには隠遁の結界がこちら側を隠していることが功を奏しているのかもしれない。もうひとつは、オリンドの手を引く優しい手が世界は広く安心たり得る居場所もあるのだと、教えてくれているからなのかもしれない。
 できることなら、このままずっと、この手を繋いでいたい。冒険者になってから初めて、望みらしい望みが胸に飛来していた。
「うっわ…。壮絶…」
 辿り着いた目的地には湖面を埋め尽くすほどの薬毛鴨が飛来していた。おそらくはいくつかの群れが集まってきているのだろう。森を抜けて開けた視界に広がる途方もない光景にアレグは二の句が告げない。
「こんなの麻袋でも振り回せば何羽か獲れちゃうんじゃないの…?」
「いけちまいそうだな。魔力の高い個体ってのが仙薬毛鴨でなけりゃそうしたいところだ」
「二羽に増えたということですが、分散していますか?」
 問われたオリンドは湖をぐるりと見渡すと一点を指し示した。
「いや、あそこ…えと、こっから奥に湖の半分くらい、で、右から三分の一くらいの、群れがまばらになってる、とこ。ちょうど太い木、が、うい、浮いてるとこ。に、二羽とも居る。…あれ、番かなあ」
「へあ!?マジで!?」
「え?う、うん、雌と雄みたいだ、から…。あ、安直かな…」
 待って。
 四人とも垂直に崩れてしばらくその場に座り込んだ。腰も膝も抜けている。
「…こ…こっわ…。極まった探査スキル怖いわ…」
「鳥の雌雄がわかるってなに…」
「いや…そりゃ近付けば羽色でわかるだろうが、この距離だぞ。黒い点にしか見えんのだが」
「と、とにかく。二羽とも一箇所に居るとは僥倖です。一網打尽といきましょう」
 相変わらずオリンドと手を繋いでいたからか復活の早かったエウフェリオは、立ち上がるとおもむろに片手を掲げた。と、その全身が淡く光りだし、徐々に輝きを増していく。
「はわ…」
 初めて見る。
 オリンドはただ感嘆した。一定量以上の高い魔力を練り上げる時に起こる現象だ。これほど光り輝くのは賢者の魔力量ゆえだろう。繋いだままの手先から膨大な魔力の流れを感じて、思わず、ほう、と息を漏らしていた。
「…さ。湖周辺に結界を張りましたので、オークに聞きつけられても邪魔されることは無いですよ」
「……大概って言えばおまえも大概だよ」
 長い付き合いだがどうなってんだこいつの魔力量は。イドリックが言えばウェンシェスランが両手を上げる。
「はああ。なんかもう、フェリちゃんもリンちゃんも秀逸すぎて嫉妬する気も起きないわあ」
「何を言うんです、貴方ほどの回復魔法の使い手が…。私には逆立ちしたって蘇生魔法は使えないんですよ?」
「そ、…そりゃあね、そりゃあそうなんだけどさあ。底なしの魔力量はやっぱ憧れるわよう」
「ふむ。そんなに言うなら後でオリンドと同調して、循環法を体感すると良いですよ。とてつもなく勉強になります」
「はへっ!?」
 突然名前の上がったオリンドは目測で頭ひとつ分ほど飛び上がった。
「あらあ、それは是非お願いしたいわ!いつもフェリちゃんがすっごい褒めてるのよ、あたしも体験してみたい!」
「ええええ!?…っえ、で、でも…」
 やたらオロオロとするオリンドを見てとって、どうしたことだろうと首を傾げた二人は、ややあってほぼ同時に吹き出す。
「落ち着いてオリンド。なにも調整の時ほど肌を合わせたりしませんから」
「そうよう、お手々繋ぐ程度で十分よ。…っていうか、さっきフェリちゃんが広範囲の結界魔法使った時に擬似体験したでしょ?それと同じ」
「あ、えっ、あっ、そ、そうか。…っそ、そうなのか…」
「あらやだあ。あからさまにホッとしちゃって。そんなにあたしと胸を合わせるのは嫌かしらあ?」
「ふぇっ!?えっ、ち、ちが、違う違う!っそ、そんな可愛くて綺麗な顔、近かったら、し、心臓壊れるっ、て、お思ってっ!」
「………やだ…、ちょっとからかったら十倍返しなの…?」
 おぼこくて素直すぎて、そこも怖いわ。少々赤くなってウェンシェスランは咳払いをする。
「ふふふ、さすがのシェスカも敵いませんか」
「なんっであんたが得意そうなのよムカつく!」
「私の可愛い可愛い恋人ですので」
「知っっってるわよ。知ってるわよ、一昨日から付き合いたてホヤホヤさんめ…。んもう、あてられちゃうわ。そんでもってこんな会話に真っ赤っかになって口も挟めなくなっちゃうリンちゃんすっごく可愛いわ」
 あーん、あたしも抱っこしたい。軽く両手を広げてみせるとエウフェリオが庇うように一歩前へ出た。過保護か。突っ込みたかったが図に乗らせそうでやめる。
「なんだおまえたち、まだ話してたのか」
 オリンドを隠されて頬を膨らませたウェンシェスランの後ろから、しばし見かけなかったイドリックが姿を現した。その手には数羽の薬毛鴨が吊るされている。
「やだ、ごめんなさい、もう狩り終わったの!?いつの間に?」
「俺とイドにだけ働かせといて魔法使い組は井戸端会議かよ。いつの間にもクソもねえよお」
 ぱしぱしと湖面を走ってくるなどという目を疑う芸当を披露したアレグは岸に付くや口を尖らせた。両脇にけたたましく鳴き暴れる一際見事な羽毛の魔鳥を一羽ずつ抱えている。
「すみませんリック、アル。話に夢中になってしまって…」
「ご、ごめんなさい…」
「ん。謝ったからよし!フェリ、こいつら大人しくさせてくれね?」
「ええ。…さすがですね。傷一つ無く生け取りとは」
 素早く催眠魔法をかけたエウフェリオは、二羽を検めて満足気に頷いた。
「うん、間違いなく仙薬毛鴨です。お手柄ですよオリンド」
「ほんと!?…よ、良かった…」
「いやっほう!卵!卵食おう!俺鳥肉の卵閉じ焼きがいい!もう何羽か捕まえてくるー!」
 言うが早いかアレグは再び水面を駆けていった。辺りを劈く鳥の鳴き声と共になかなか壮絶な捕物が繰り広げられ、両手にニ十羽ずつほどぶら下げて戻ってくる頃には薬毛鴨の群れは粗方飛び去っていた。
「ただいま!」
「…あんた、何羽吹っ飛ばしたのよ。全部回収できてないでしょ」
 見ていた限り粉々に砕けた個体もあった。
「いいじゃん、魔魚の餌になるって」
「もおぉおお、そういうとこおぉお」
「…はあ…。来年も来るといいがな…あの群れ」
 仲間の声に振り返れば音も気配も無く吹き飛ばされる姿を目の当たりにするなどという衝撃はいかほどのものだろうか。岸から見ているだけでも空恐ろしかったのに、数年は植え付けられた恐怖で戻って来ないのではないか。
「来るだろ?三歩で忘れるって言うし」
「…オリンド。グリフォン核を食べた時に何と言ったか覚えていますか?」
「えっ?…あ。うん。…お、大人になれよっ!」
 そうか。そういうとこ、って、こういうことか。
 だんだん人となりというものが飲み込めてきたオリンドが放った素直さ丸出しの一言によって、アレグは撃沈した。
 他には案の定聞き付けて襲い来たオークの群れの長を拗ねたまま一刀両断にするなど勇者の暴走は多少、…多少?あったものの、無事に獲物を馬車に積んで拠点へ帰り着くと、そろそろ夕餉の支度の時刻だった。先立って飛ばしておいた伝書鳥の手紙は確かに届いていたらしく、玄関先には鳥籠が用意されており、家に近付けば腹の空く香りも漂ってくる。
「ただいまベルー!ご飯なにー!?」
 アルベロスパツィアレが台所に立つ姿を思い浮かべたアレグがいの一番に廊下の奥へ駆けていく。
「ちょっとちょっと!手え洗ってないでしょ!?靴の泥も落としなさいっ!」
 ウェンシェスランがお母さんみたいだ。とほっこり思いながらオリンドは荷下ろしを手伝った。
 街を囲む高い壁の向こうに沈み行く夕陽が辺りを人参色に染めている。暖かくて優しくて、まるでこのパーティのようだ。
 もう少し一緒に居たかったな。と最後の荷物を下ろすイドリックたちの背中を眺めて思う。探査スキルをたくさん褒めてはもらえたが、所詮戦闘能力の無い自分に勇者の随行が務まるはずもない。迷惑をかける存在でしかないことは、この三度の依頼でアレグたちにも十分伝わったことだろう。などと。オリンドの卑下は長年の差別迫害により根深いところにすっかり染み込みこびり付いていた。まさか自分が大いに欲されていようとは思いもよらない。
 そんな捨てられた子犬のような目をしたオリンドを、荷下ろしの終わったエウフェリオはそっと抱き寄せた。
「……オリンド。依頼はどれも大成功でしたね。貴方の探査スキルは本当に素晴らしい」
「っ、え、エウ、フェリオ…」
「俺も補助程度になら使えるんだけどな。あんたのスキルを見た後じゃあ、児戯にも劣るってもんだ」
 玄関に荷物を全て運び込んだイドリックは、腰に手を当てて伸ばしながら清々しく笑う。
「あ、あの…えと…、えっ…」
「ほんっと秀逸よね。努力と継続って大事だわあ。あたしも見習わなくちゃ」
 捕獲した仙薬毛鴨が眠っているうちに鳥籠へ収めたウェンシェスランが、自分の荷物を選別しながら憧れの溜め息を溢した。
「あ、えと、あ、ありが、ありがとう…」
 そうか。もしかして。今日これでお別れなのかな。最後にたくさん自信を付けさせようとしてくれてるのだろうと考えたオリンドは頬を赤らめて笑った。別れ際までこんなに暖かく接してくれるなんて、と、寂しさもどこかに消えるほど嬉しかった。
「…ほ、ほんとに、俺みた、みたいなの、…一時でも…」
「さて、そろそろ夕飯もできた頃でしょう。早く手を洗って席につかないと、ベルに怒られますよ」
 さあさあさあ。オリンドの腰に腕を回したエウフェリオは手早く靴の泥を落として洗面場へ誘導した。
「……えっ?」
「あんた今日は功労賞だ。荷物は後で部屋まで持ってくから、ゆっくりしな」
 隣を歩くイドリックがやや乱雑に、でかしたと頭を撫でてくる。
「あ、あの…」
「仙薬毛鴨が二羽も手に入るなんて思わなかったわあ。ありがたいことに一羽は雌だし、この先何年か万能薬要らずね。あれ地味に資金圧迫するから困ってたのよう。あたしの魔法も重要な場面に絞り込めるってものよ。ありがとねリンちゃん」
 浮き浮きとしたウェンシェスランはオリンドの背を何度か軽く叩いてから彼の手を取った。
「…あ、…え、お、俺…」
 もうお払い箱じゃないのだろうか。まさか明日まで居ていいのか。なんて優しい人たちだろう。
 胸の詰まる思いでウッドビーズカーテンのかかった入り口を潜った。
「やーっと来た!ほい、オリンド!」
「っえ…?」
 食堂に入るや、壁に張り付いて隠れていたらしきアレグから唐突にひと抱えほどの大きな花束を渡された。視界がとりどりの花で埋め尽くされ、甘やかな香りが鼻腔を抜ける。
「えっ!?な、なに?…えっ?」
「依頼全部達成おめっとさん!まあ薬毛鴨をギルドに持ってくのは明日だけど、置いといて。…改めて!俺たちの仲間になってくんねえ!?」
「ええ…!?」
 思わず取り落とした花束はエウフェリオが丁寧に受け止めてくれた。
「お願いしますオリンド。私たちには貴方の力が必要です」
「ちっとばかし体術だの覚えてもらうことにはなると思うけどな。頼む。あんたの能力を貸してくれ」
「あたしたちを助けると思って、ね?リンちゃんほど探査スキルに長けた人、世界のどこにも居やしないわ」
 口々に頼み込まれ挙句には拝まれるやら頭を下げられるやら。ことここに至ってようやく、オリンドは理解した。彼らは自分に、仲間になってもらいたいのだと。今日の夕餉を一緒に食べてもいいだとか、もう一晩泊まってもいいだとか、そんな『居てもいい』のではなく『居て欲しい』のだと、やっと気付くことができた。
「…っあ……ぁ…う…っ」
 必要としてくれる人が居る。それはオリンドにとってこれまで望むべくも無かった奇跡に近い体感だった。一瞬にして思考は破裂し、胸の内が熱く収縮して、思いもよらぬうちに涙が溢れ落ちる。
「っ、う、…ぅーーーーっっ…」
 嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて。言葉も出せずにオリンドは泣いた。崩れ落ちる体を、エウフェリオが、ウェンシェスランが抱き止め支えてくれた。アレグの力強い腕が頭を抱きかかえて、イドリックの大きな手が髪を掻き分け何度も撫でてくれる。
 彼らの温かさに触れれば触れるほど涙は止めどもなく、夜を徹して泣いてしまいそうだった。
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