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冬のあほうつかい
冬のあほうつかい 4
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氷の城の城門の前に狩人風の男がやってくるのが見えた。氷の城と言っても基本的には石や木で作られているし、留め金なども一般的な城と変わらず鉄で作られている。周囲に雪や氷がくっついているので氷で作られているように見えるだけである。
城門には落とし格子の名残があったが、今は分厚そうな木の扉がついているだけだった。
「誰か来たよ!」
「バカ、声を出すなよ。聞こえるだろ」
城門の上の方で子供の声が聞こえた。狩人は城門を見上げて声をかけた。
「僕はサース。ゴマフかモンティはいるかい? シミュラ様に聞いてくれてもいいけど」
返事はなかったが、何人かがかけていく足音が聞こえた。
しばらくすると頭上から大人の声がした。
「本当だ。サースだ。わかるわかるよ。ちょっと待ってろ。おい、開けていいぞ。あいつはここの人間だ」
大人の声を受けて城門の扉の一部が開いた。若い狩人サースは小さい方の扉をくぐって中に入っていく。
氷の城の城門の前に狩人風の男がやってくるのが見えた。氷の城と言っても基本的には石や木で作られているし、留め金なども一般的な城と変わらず鉄で作られている。周囲に雪や氷がくっついているので氷で作られているように見えるだけである。
城門には落とし格子の名残があったが、今は分厚そうな木の扉がついているだけだった。
「誰か来たよ!」
「バカ、声を出すなよ。聞こえるだろ」
城門の上の方で子供の声が聞こえた。狩人は城門を見上げて声をかけた。
「僕はサース。ゴマフかモンティはいるかい? シミュラ様に聞いてくれてもいいけど」
返事はなかったが、何人かがかけていく足音が聞こえた。
しばらくすると頭上から大人の声がした。
「本当だ。サースだ。わかるわかるよ。ちょっと待ってろ。おい、開けていいぞ。あいつはここの人間だ」
大人の声を受けて城門の扉の一部が開いた。若い狩人サースは小さい方の扉をくぐって中に入っていく。
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