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迷宮の主
迷宮の主 51
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「ようこそ。お待ちしておりました」
赤い絨毯が敷かれ、その上に長いテーブルが置かれており、左右にはきらびやかな装飾の背の高い燭台が等間隔に八本置かれていた。長テーブルの奥に一人の男が椅子にゆったりと座り黄金の杯を手に微笑んでいた。前髪から頭頂部にかけて髪の無い目の細い男だった。着ているものと言えば、テラテラとろうそくの明かりに反射する白い長衣と首に下がっている金色の首飾りがやたらと目につく。
「ブルフル」
ナサインとシビトが室内に入っていく。
「死んだと思っていました。良かった。本当に良かった」
ブルフルは杯を持ったまま手を叩いた。中に入っていた液体がブルフルの長衣を汚す。
「ああ、汚してしまった。でもまあいいでしょう。着替えはいくらでもある」
ブルフルはそう言うと手に持った杯を投げ捨てた。杯は液体を振りまきながら床の上を転がった。
「まったく。これほどの富を独り占めしていたとは、ひどい人ですねぇ。ナサイン」
ブルフルはゆっくりと立ち上がると、机の影から短い錫杖を取り出すと、それをナサインに向けて怒鳴り声を上げた。
「シモンズを飼いならしたからと言って、貴様が最強ではないことを思い知らしてやる!」
そのままの勢いで振り上げた錫杖を長テーブルに叩きつける。テーブルの上に穴が空き、そこから棺が浮かび上がる。棺の蓋が重苦しい音を上げながら開かれていく。
「待ってることは無いよな」
シビトはそう言うと、ブルフルに向かって走り出す。唸りを上げる拳がブルフルの頭部を粉砕する。
はずだった。
シビトの腕を掴んでいたのは、青白い少年のか細い手だった。割れた爪が生々しさを残し、その肌には血が通っていないことを教えていた。シビトはブルフルから少年の顔に視線を移す。しかし、そのまま顔面を殴られシビトは壁に激突した。
「シビト!」
青白い少年がナサインの前に姿を現す。十五、六くらいのきれいな金色の髪をした若者だった。端正な顔立ちをしており、その顔にどこか見覚えがあった。
少年はナサインに向かって飛び掛ってくる。ナサインの繰り出す黒い手のひらを軽やかに回避すると、少年はその伸ばされた手首を爪で切り裂いた。鮮血が飛び散り、ナサインが小さな悲鳴を上げる。
「く」
ナサインの首筋に突き出された少年の手刀を今度はシビトが掴んで止めた。
「シーダ」
シビトが呟くように少年に向けて寂しそうな目を向けた。ナサインは床に転がりながら左手で右の手首を押さえる。左手を離すと右手首には黒いリストバンドが巻かれていた。ナサインは両手に付いた血を身体にこすり付けて拭い去る。
「ブルフルは俺がやる」
「任せろ!」
シビトが少年の両手を掴み壁に押し当てる。少年は体の軽さを生かし、シビトの胴に何度も鋭い蹴りを入れる。鎧がひしゃげるほどの攻撃を受けてもシビトは勢いを殺すことなく少年を壁に激突させた。
「ナサイン。あなたには失望しました」
ブルフルは錫杖を構えた。下部は鋭く尖っている。
「墓荒らしのてめえに言われたかねえよ」
両手を合わせ手を開くと黒い棒が現れる。
「あなたがミスをする日をずっと待っていたんですよ」
ブルフルの突進をナサインは黒い棒で払う。ブルフルはそれを飛んでかわすと、そのままナサインに体当たりをした。互いに腕を押さえながら床の上を転がる二人。
「お前は私を騙した。その報いを受けさせてやるぞ!」
「勝手についてきて、勝手に報酬を期待してただけだろうが!」
ナサインはブルフルを蹴飛ばす。左手で胸を押さえる。
「そろそろ限界か? 魔素を取り込みすぎたようだな」
ブルフルが笑う。
「向こうも決着が付くだろう。私が特別に改造した王子様を王様は気に入ってくれるかな?」
「貴様!」
ナサインは膝を突いて、呼吸を乱す。
「シーダァー!」
シビトが叫ぶ。少年の細い腕が胸から刺さり背中まで突き抜けていた。血は流れ出てはいない。シビトは少年の腕に拳を打ち落とす。
ボキィッ。
少年の腕は肘の辺りで間逆に折れた。それでも少年は顔色一つ変えずに、シビトの首に空いている手で突きを繰り出してくる。身をよじりながらそれをかわし、シビトの拳が少年の顔面を狙う。しかし、打ち抜いたのは壁だった。
シビトの顔に迷いが浮かんだ瞬間、少年の手刀がシビトの左目を抉った。
「ぐあ」
シビトは左腕を少年との間に入れてっ刺さっている腕ごと少年を引き剥がした。シビトの胴に空洞が開いていた。
シビトは震える両手を合わせる。そのまま両腕を広げて拳を握り、いくら力んでも何の変化も起こさなかった。
「アスラ!」
少年の右手がシビトの脇腹に突き刺さり、胸に空いた穴とつながる。
「ナサイン?」
右目でナサインの姿を探す。横たわるナサインにブルフルが錫杖を突き立てようとしていた。
少年の手がゆっくりと引き抜かれていく。同時にシビトは力なく地面に足をつく。胸に空いた穴の中に少年の手と黄金に輝く石が見えた。
「ウイカ、逃げろ……」
シビトの言葉を受けて、ウイカが動いた。今まで誰の目に留まるでもなくウイカはすでにブルフルの後ろに立っていた。手にはネジフのナイフを握り締め、ブルフルの喉を表情一つ変えずに切り裂いたのだった。
ブヒュヒュ……。
ブルフルの喉から空気と血液が漏れ、血はあっという間に部屋の中に雨を降らせた。ブルフルの瞳からは生命の力が消えていく。同時に、少年の動きが止まりボロボロと肉が落ち骨が崩れていった。シビトが床の上に倒れこむ。
「ウイカ?」
ナサインは顔にかかったブルフルの血を拭う。ウイカはナサインの上に乗ったブルフルの身体を引き剥がすと、自らの後ろに投げた。
「助かった。ありがとう」
「ナサイン」
ろうそくの明かりを背中にしているウイカの顔はどんな顔をしているのかわからない。ナサインは懸命にその顔を見ようとした。
「わたし(・・・)は信じてたわ。フフフフフ、ハハハハハ!」
ウイカが笑い声を上げた瞬間、笑い声と共に膨らみ始めた腹部が強烈に盛り上がり黒い革鎧を破壊した。ウイカのお腹を裂いて、何者かが現れようとしていた。
「バカな」
身体を起こそうとするが、腕には力が入らずにナサインはブルフルの血ですべり床の上に転がる。
ウイカが地面に倒れる。代わりに姿を現した男の姿を見て、ナサインは床の上を這うようにシビトの元に向かう。
「シビト! 起きろ! 奴だ!」
ウイカの中から出てきた男は、裸のままブルフルの身体をつかんだ。
「いまいましい豚め。小ざかしい真似をしてくれたな」
裸の男はブルフルの身体をまさぐり、水晶の鍵を見つけ出した。無造作にブルフルを投げ出し、長テーブルの奥に向かった。
「シビト!」
ナサインはシビトの身体に開いた穴に手を入れて金色の石を奥に押し込む。それから穴に手を当てて魔素を注入する。シビトの体が跳ね上がり、目が開かれる。
「ウイカはどうなった?」
シビトは立ち上がる。ナサインを拾い上げると、ウイカを探す。腹部が裂け、血まみれのウイカを見てナサインを引きずりながら駆け寄る。
「ミクモを追うぞ」
「何が起こった?」
ナサインはウイカを見ようとしない。
「この女もグルだった。放っておけ!」
「何?」
「こいつがミクモをここに連れ込んだんだよ!」
ウイカの体が痙攣を起こす。シビトはナサインの肩をつかむ。
「痛えな! 加減しろよ」
「止血しろ」
「何?」
「今すぐ傷を塞げ」
「……どうせ、助からねえよ」
ナサインはシビトすら見ようとしない。シビトはナサインの顔を無理やり自分に向ける。
「やれ。やらないとお前は後悔する事になる」
「後悔だと?」
「やらないなら、俺ももう力は貸さん」
「……クソ」
ナサインはウイカの腹部に手を当てると魔素を放出して傷口を塞ぐ。
「よし」
「ミクモを追うぞ」
「行けるのか?」
ナサインはウイカを見つめる。
「主になれば、こいつを超回復できる。逃げたら、こいつは死ぬ。行くしかねえだろ」
「素直じゃないな」
「うるせえ」
「ようこそ。お待ちしておりました」
赤い絨毯が敷かれ、その上に長いテーブルが置かれており、左右にはきらびやかな装飾の背の高い燭台が等間隔に八本置かれていた。長テーブルの奥に一人の男が椅子にゆったりと座り黄金の杯を手に微笑んでいた。前髪から頭頂部にかけて髪の無い目の細い男だった。着ているものと言えば、テラテラとろうそくの明かりに反射する白い長衣と首に下がっている金色の首飾りがやたらと目につく。
「ブルフル」
ナサインとシビトが室内に入っていく。
「死んだと思っていました。良かった。本当に良かった」
ブルフルは杯を持ったまま手を叩いた。中に入っていた液体がブルフルの長衣を汚す。
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そのままの勢いで振り上げた錫杖を長テーブルに叩きつける。テーブルの上に穴が空き、そこから棺が浮かび上がる。棺の蓋が重苦しい音を上げながら開かれていく。
「待ってることは無いよな」
シビトはそう言うと、ブルフルに向かって走り出す。唸りを上げる拳がブルフルの頭部を粉砕する。
はずだった。
シビトの腕を掴んでいたのは、青白い少年のか細い手だった。割れた爪が生々しさを残し、その肌には血が通っていないことを教えていた。シビトはブルフルから少年の顔に視線を移す。しかし、そのまま顔面を殴られシビトは壁に激突した。
「シビト!」
青白い少年がナサインの前に姿を現す。十五、六くらいのきれいな金色の髪をした若者だった。端正な顔立ちをしており、その顔にどこか見覚えがあった。
少年はナサインに向かって飛び掛ってくる。ナサインの繰り出す黒い手のひらを軽やかに回避すると、少年はその伸ばされた手首を爪で切り裂いた。鮮血が飛び散り、ナサインが小さな悲鳴を上げる。
「く」
ナサインの首筋に突き出された少年の手刀を今度はシビトが掴んで止めた。
「シーダ」
シビトが呟くように少年に向けて寂しそうな目を向けた。ナサインは床に転がりながら左手で右の手首を押さえる。左手を離すと右手首には黒いリストバンドが巻かれていた。ナサインは両手に付いた血を身体にこすり付けて拭い去る。
「ブルフルは俺がやる」
「任せろ!」
シビトが少年の両手を掴み壁に押し当てる。少年は体の軽さを生かし、シビトの胴に何度も鋭い蹴りを入れる。鎧がひしゃげるほどの攻撃を受けてもシビトは勢いを殺すことなく少年を壁に激突させた。
「ナサイン。あなたには失望しました」
ブルフルは錫杖を構えた。下部は鋭く尖っている。
「墓荒らしのてめえに言われたかねえよ」
両手を合わせ手を開くと黒い棒が現れる。
「あなたがミスをする日をずっと待っていたんですよ」
ブルフルの突進をナサインは黒い棒で払う。ブルフルはそれを飛んでかわすと、そのままナサインに体当たりをした。互いに腕を押さえながら床の上を転がる二人。
「お前は私を騙した。その報いを受けさせてやるぞ!」
「勝手についてきて、勝手に報酬を期待してただけだろうが!」
ナサインはブルフルを蹴飛ばす。左手で胸を押さえる。
「そろそろ限界か? 魔素を取り込みすぎたようだな」
ブルフルが笑う。
「向こうも決着が付くだろう。私が特別に改造した王子様を王様は気に入ってくれるかな?」
「貴様!」
ナサインは膝を突いて、呼吸を乱す。
「シーダァー!」
シビトが叫ぶ。少年の細い腕が胸から刺さり背中まで突き抜けていた。血は流れ出てはいない。シビトは少年の腕に拳を打ち落とす。
ボキィッ。
少年の腕は肘の辺りで間逆に折れた。それでも少年は顔色一つ変えずに、シビトの首に空いている手で突きを繰り出してくる。身をよじりながらそれをかわし、シビトの拳が少年の顔面を狙う。しかし、打ち抜いたのは壁だった。
シビトの顔に迷いが浮かんだ瞬間、少年の手刀がシビトの左目を抉った。
「ぐあ」
シビトは左腕を少年との間に入れてっ刺さっている腕ごと少年を引き剥がした。シビトの胴に空洞が開いていた。
シビトは震える両手を合わせる。そのまま両腕を広げて拳を握り、いくら力んでも何の変化も起こさなかった。
「アスラ!」
少年の右手がシビトの脇腹に突き刺さり、胸に空いた穴とつながる。
「ナサイン?」
右目でナサインの姿を探す。横たわるナサインにブルフルが錫杖を突き立てようとしていた。
少年の手がゆっくりと引き抜かれていく。同時にシビトは力なく地面に足をつく。胸に空いた穴の中に少年の手と黄金に輝く石が見えた。
「ウイカ、逃げろ……」
シビトの言葉を受けて、ウイカが動いた。今まで誰の目に留まるでもなくウイカはすでにブルフルの後ろに立っていた。手にはネジフのナイフを握り締め、ブルフルの喉を表情一つ変えずに切り裂いたのだった。
ブヒュヒュ……。
ブルフルの喉から空気と血液が漏れ、血はあっという間に部屋の中に雨を降らせた。ブルフルの瞳からは生命の力が消えていく。同時に、少年の動きが止まりボロボロと肉が落ち骨が崩れていった。シビトが床の上に倒れこむ。
「ウイカ?」
ナサインは顔にかかったブルフルの血を拭う。ウイカはナサインの上に乗ったブルフルの身体を引き剥がすと、自らの後ろに投げた。
「助かった。ありがとう」
「ナサイン」
ろうそくの明かりを背中にしているウイカの顔はどんな顔をしているのかわからない。ナサインは懸命にその顔を見ようとした。
「わたし(・・・)は信じてたわ。フフフフフ、ハハハハハ!」
ウイカが笑い声を上げた瞬間、笑い声と共に膨らみ始めた腹部が強烈に盛り上がり黒い革鎧を破壊した。ウイカのお腹を裂いて、何者かが現れようとしていた。
「バカな」
身体を起こそうとするが、腕には力が入らずにナサインはブルフルの血ですべり床の上に転がる。
ウイカが地面に倒れる。代わりに姿を現した男の姿を見て、ナサインは床の上を這うようにシビトの元に向かう。
「シビト! 起きろ! 奴だ!」
ウイカの中から出てきた男は、裸のままブルフルの身体をつかんだ。
「いまいましい豚め。小ざかしい真似をしてくれたな」
裸の男はブルフルの身体をまさぐり、水晶の鍵を見つけ出した。無造作にブルフルを投げ出し、長テーブルの奥に向かった。
「シビト!」
ナサインはシビトの身体に開いた穴に手を入れて金色の石を奥に押し込む。それから穴に手を当てて魔素を注入する。シビトの体が跳ね上がり、目が開かれる。
「ウイカはどうなった?」
シビトは立ち上がる。ナサインを拾い上げると、ウイカを探す。腹部が裂け、血まみれのウイカを見てナサインを引きずりながら駆け寄る。
「ミクモを追うぞ」
「何が起こった?」
ナサインはウイカを見ようとしない。
「この女もグルだった。放っておけ!」
「何?」
「こいつがミクモをここに連れ込んだんだよ!」
ウイカの体が痙攣を起こす。シビトはナサインの肩をつかむ。
「痛えな! 加減しろよ」
「止血しろ」
「何?」
「今すぐ傷を塞げ」
「……どうせ、助からねえよ」
ナサインはシビトすら見ようとしない。シビトはナサインの顔を無理やり自分に向ける。
「やれ。やらないとお前は後悔する事になる」
「後悔だと?」
「やらないなら、俺ももう力は貸さん」
「……クソ」
ナサインはウイカの腹部に手を当てると魔素を放出して傷口を塞ぐ。
「よし」
「ミクモを追うぞ」
「行けるのか?」
ナサインはウイカを見つめる。
「主になれば、こいつを超回復できる。逃げたら、こいつは死ぬ。行くしかねえだろ」
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