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迷宮の主
迷宮の主 50
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深い青い壁面と床。どこまでも先が見通せる。三人ほど並んで歩ける廊下の両脇にはいくつもの扉が並んでいて、その廊下の最奥にも一枚の扉が見えた。
「ナサイン。わたし(・・・)どうすればいい?」
左手に黒炎を燃え上がらせる骨を握り締めて最奥の扉を凝視するナサインをウイカが後ろから見つめる。その手にはネジフの短剣が握られていた。二人の肩をシビトが軽く叩く。
「ま、落ち着いて行くぞ」
「ああ、わかってる」
「うん」
ナサインたちは廊下を進んでいく。左右の扉が開き中から緑色の膨らんだ身体を震わせながら近づいてくる人間がやってくる。
「シビト」
ナサインの声を待つまでも無く、シビトは緑色の人間を叩き潰す。ゆっくりと手を伸ばしてくるもう一体を蹴り飛ばし頭部を破壊する。こぶし大の二つの黒い石が床の上に転がると、シビトはそれを拾おうとする。
「いい。必要ない」
ナサインはその横をすり抜けるように歩いていく。
「何よアイツ、感じ悪いわね。シビト」
「緊張してるのさ」
シビトはナサインを追いかける。
次の扉が開く。両手に長剣を持った鎧に身を包まれた騎士だった。よたよたとナサインに近づくと、長剣を振り上げてナサインに向かって振り下ろす。その腕をシビトが掴み、ナサインが鎧の騎士の胸に手を当てる。瞬間、黒い煙が騎士の鎧の隙間からあふれ出し、騎士は地面に転がってバラバラになった。
次々に扉が開く。中から現れる幾多の魔物たち。しかしどの魔物もナサインとシビトを攻撃を受け床の上に黒い石を落として動かなくなった。
扉はついに最後の一枚になった。両開きの大扉だった。
「いよいよだな。シビト」
「ああ」
「いいか?」
ナサインはウイカを振り返る。ウイカは真剣な眼差しでナサインにうなずき返す。
「わたしは、ナサインを信じてる」
「任せとけ」
ナサインとシビトは共に扉を押し開ける。両開きの扉は、美しい金属の響きを上げながら開かれたのだった。
深い青い壁面と床。どこまでも先が見通せる。三人ほど並んで歩ける廊下の両脇にはいくつもの扉が並んでいて、その廊下の最奥にも一枚の扉が見えた。
「ナサイン。わたし(・・・)どうすればいい?」
左手に黒炎を燃え上がらせる骨を握り締めて最奥の扉を凝視するナサインをウイカが後ろから見つめる。その手にはネジフの短剣が握られていた。二人の肩をシビトが軽く叩く。
「ま、落ち着いて行くぞ」
「ああ、わかってる」
「うん」
ナサインたちは廊下を進んでいく。左右の扉が開き中から緑色の膨らんだ身体を震わせながら近づいてくる人間がやってくる。
「シビト」
ナサインの声を待つまでも無く、シビトは緑色の人間を叩き潰す。ゆっくりと手を伸ばしてくるもう一体を蹴り飛ばし頭部を破壊する。こぶし大の二つの黒い石が床の上に転がると、シビトはそれを拾おうとする。
「いい。必要ない」
ナサインはその横をすり抜けるように歩いていく。
「何よアイツ、感じ悪いわね。シビト」
「緊張してるのさ」
シビトはナサインを追いかける。
次の扉が開く。両手に長剣を持った鎧に身を包まれた騎士だった。よたよたとナサインに近づくと、長剣を振り上げてナサインに向かって振り下ろす。その腕をシビトが掴み、ナサインが鎧の騎士の胸に手を当てる。瞬間、黒い煙が騎士の鎧の隙間からあふれ出し、騎士は地面に転がってバラバラになった。
次々に扉が開く。中から現れる幾多の魔物たち。しかしどの魔物もナサインとシビトを攻撃を受け床の上に黒い石を落として動かなくなった。
扉はついに最後の一枚になった。両開きの大扉だった。
「いよいよだな。シビト」
「ああ」
「いいか?」
ナサインはウイカを振り返る。ウイカは真剣な眼差しでナサインにうなずき返す。
「わたしは、ナサインを信じてる」
「任せとけ」
ナサインとシビトは共に扉を押し開ける。両開きの扉は、美しい金属の響きを上げながら開かれたのだった。
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