Vicky！

ミュージカル版

第二十場

●第二十場●　ハンクシュタイン邸　昼
1． △プロジェクター………P018_「フランクフルト　ハンクシュタイン邸」（5秒程度表示）
（表示が消えたら）
2．■音響………031_教会の鐘の音
（音が鳴り終わったら）
3．□照明………10_全体明かり（CI）

　　　落ち着かない様子のテルマ。その脇に召使ＡとＢ。

■音響………032_時計の音（約束）

テルマ　　準備はいい？
召使Ａ　　はい、奥様。
召使Ｂ　　はい、奥様。

■音響………033_呼び出しの鐘
　　　キンコーンとお高めのドアベルが鳴る。

テルマ　　来られたわ。
召使Ａ　　はい、奥様。

　　　召使Ａ、校長を迎えに行く。召使Ａだけがやって来る。

召使Ａ　　奥様、校長先生がお見えになりました。
テルマ　　いよいよね。マーゴ！　もう、仕方が無い子。あなた、マーゴットをここに連
　　　　れて来て頂戴。嫌だと言ったり駄々をこねてたら引きずってでも連れてくるのよ。
召使Ｂ　　はい、奥様。

　　　召使ＡとＢが去る。校長が召使Ａに連れられてつかつかと歩いてくる。

校長　　　こんにちは。ハンクシュタインさん。

　　　マーゴが召使Ｂに引きずられるようにやって来る。

マーゴ　　家庭教師なんかいらない！　ママなんて嫌いよ！

　　　マーゴは顔を背けて誰も見ようともしない。

テルマ　　すみません。祖父のところに預けているうちに随分と礼儀を忘れてしまいまし
　　　　て。本当に田舎は困りますわ。
校長　　　いいのですよ。そういうことも教えていくのが私共の仕事ですから。この度、
　　　　奥様の要求に合う教師をやっとご用意することが出来ましたの。
テルマ　　まぁ、本当に。
校長　　若いけれどとても優秀な方ですよ。では、呼んできますわね。あ、ちょっと急ぎ
　　　の用事がありますので私はそのまま失礼させていただきます。それではごきげんよ
　　　う。

　　　きちんとした身なりのビッキーがやって来る。
　　　※出来たら髪型と衣装を変えて欲しい。出来たらでいいです。

ビッキー　こんにちは。ハンクシュタインさん。
テルマ　　あら、本当にお若い。どこかで会ったかしら？
ビッキー　いえいえ、私、これでも樹齢５００年は超えてますのよ。
テルマ　　は？
ビッキー　パリで流行の冗談ですの。それで私の生徒はこちらのお嬢様？
テルマ　　はい。マーゴットです。

　　　ビッキー、マーゴの前に立つ。

ビッキー　はじめましてかしら、マーゴ。家庭教師のビクトリアよ。よろしくね。

　　　マーゴ、驚いて家庭教師を見る。

マーゴ　　ビクトリア？　ビッキー？　ビッキー！

　　　マーゴ、ビッキーに飛びつく。テルマは驚き召使たちと顔を見合わせる。

■音響………034_時計の音
▲幕・吊物………緞帳が下りる