3 / 42
ミュージカル版
第一場
しおりを挟む
●第一場● 村の風景1 昼
1.△プロジェクター………P001_「アルプスの牧草地の村」(5秒程度表示)
※キャップでふさぎ、「B」か「W」を押して待機。もう一度押すと待機から戻る。行き過ぎたら、Ctrlとマウス左クリック。
(表示が消えたら)
2.■音響………001_小鳥のさえずり(FI)
3.□照明………10_全体明かり(FI)
4.■音響………001_小鳥のさえずり(FO)
上手奥に村人Aの家。下手奥に村人Bの家(羊飼いの家)
村人Aが家から出てくる。
♪村人/朝の歌
明るい日差しを浴びて 笑顔の花開く
こんなにこんなに美しい我らの村は
和やかな人たち 穏やかな日々
お金や物はないけれど ここには豊かさがある
ラララララ……
和やかな人たち 穏やかな日々
偉い先生はいないけど 自然は全てを教えてくれる
明るい空の下 ラララララ……
村人A 今日もいい天気だね。
羊飼いの少年ヤンが元気よく下手奥の家の中から駆けてくる。
ヤン おはよう!
村人A おはよう。そんなに急いで、どこに行くんだい? うちの子なんてまだ寝てい
るのに。
ヤン 婆ちゃんがフランクフルトの医者から朝一の馬車で帰って来るんで迎えに行く
んだ。
村人A 良くなってるといいねぇ。
ヤン でもさぁ、町に行かなくなっても困るんだよね。お土産が楽しみなのに。
村人A こら! 悪い子だね。罰が当るよ!
ヤン そいつは勘弁!
上手からお爺さんがやって来る。
ヤン おはよう。
お爺さん おはよう。
ヤンは上手に走り去る。
お爺さん おはよう。
村人A あら、ヨーゼフ。調子はどう? そうだ。調子で思い出したわ。うちのドアの
調子が悪いから見ておくれよ。
お爺さん わしは時計職人なんだぞ? ドアの調子ぐらい旦那に見てもらえばいいじゃな
いか。
村人A ダメダメ、うちの人じゃドアをぶっ壊しちまう。何しろ不器用な上に短気なん
だから。
お爺さん わかったよ。後で道具を持ってくる。その代わりに足りないものを分けてもら
ってもいいかな?
村人A かまわないよ。
男が小包を持ってくる。速達は後から思い出したように取り出して渡す。
男 ヨーゼフさん、ここでしたか。荷物ですよ。ああ、あとこれ、速達です。
お爺さん 速達? 誰から?
男 えーと、ハンクシュタインさんからですね。
お爺さん ハンクシュタイン? 誰だそりゃ? ああ、娘のテルマからだ。何だって急に
連絡なんか? (速達を見て驚く)『マーゴットが馬車に轢かれ大怪我』こりゃあ
大変だ。おい、お前さん。後でわしの家に来ておくれ。郵便を頼みたい。
男 はい。
男、去る。
村人A どうしたね?
お爺さん 孫が馬車に轢かれたらしい。すぐに金を送ってやらないといかん。腕の良い医
者を頼まなければ。
村人A まぁ! 何を言ってるんだい。すぐに行かないと。
お爺さん だが、娘に縁を切られているんだ。行っても追い返されるだけだ。わしの顔な
んか見たくないと言われておるんだ。会いには行けない。
村人A そんなこと言って、打ち所が悪くて死んだらどうするんだよ。後悔するよ。連
絡をして来たってことはそれだけ大変なことだってことだろう?
村人B(目があまり良くない)が羊飼い兄に連れられてやって来る。
お爺さん しかしなぁ、
村人B いやあ、大変よ。町のほうで馬車が人を轢いてね、若い子が何人か亡くなった
そうよ。
お爺さん ああ、ああ、そんな、神様……。おお、かわいそうなマーゴット。
お爺さん、ショックを受けふらふらと去っていく。
村人A ヨーゼフ!
村人B どうしたんだい?
村人A 町で孫が馬車に轢かれたんだって。
村人B ええ? それじゃあ……。
村人A なんていうことだろうねぇ。こんなことがあるなんて、あんまりじゃないか。
□照明………暗転(CO)
1.△プロジェクター………P001_「アルプスの牧草地の村」(5秒程度表示)
※キャップでふさぎ、「B」か「W」を押して待機。もう一度押すと待機から戻る。行き過ぎたら、Ctrlとマウス左クリック。
(表示が消えたら)
2.■音響………001_小鳥のさえずり(FI)
3.□照明………10_全体明かり(FI)
4.■音響………001_小鳥のさえずり(FO)
上手奥に村人Aの家。下手奥に村人Bの家(羊飼いの家)
村人Aが家から出てくる。
♪村人/朝の歌
明るい日差しを浴びて 笑顔の花開く
こんなにこんなに美しい我らの村は
和やかな人たち 穏やかな日々
お金や物はないけれど ここには豊かさがある
ラララララ……
和やかな人たち 穏やかな日々
偉い先生はいないけど 自然は全てを教えてくれる
明るい空の下 ラララララ……
村人A 今日もいい天気だね。
羊飼いの少年ヤンが元気よく下手奥の家の中から駆けてくる。
ヤン おはよう!
村人A おはよう。そんなに急いで、どこに行くんだい? うちの子なんてまだ寝てい
るのに。
ヤン 婆ちゃんがフランクフルトの医者から朝一の馬車で帰って来るんで迎えに行く
んだ。
村人A 良くなってるといいねぇ。
ヤン でもさぁ、町に行かなくなっても困るんだよね。お土産が楽しみなのに。
村人A こら! 悪い子だね。罰が当るよ!
ヤン そいつは勘弁!
上手からお爺さんがやって来る。
ヤン おはよう。
お爺さん おはよう。
ヤンは上手に走り去る。
お爺さん おはよう。
村人A あら、ヨーゼフ。調子はどう? そうだ。調子で思い出したわ。うちのドアの
調子が悪いから見ておくれよ。
お爺さん わしは時計職人なんだぞ? ドアの調子ぐらい旦那に見てもらえばいいじゃな
いか。
村人A ダメダメ、うちの人じゃドアをぶっ壊しちまう。何しろ不器用な上に短気なん
だから。
お爺さん わかったよ。後で道具を持ってくる。その代わりに足りないものを分けてもら
ってもいいかな?
村人A かまわないよ。
男が小包を持ってくる。速達は後から思い出したように取り出して渡す。
男 ヨーゼフさん、ここでしたか。荷物ですよ。ああ、あとこれ、速達です。
お爺さん 速達? 誰から?
男 えーと、ハンクシュタインさんからですね。
お爺さん ハンクシュタイン? 誰だそりゃ? ああ、娘のテルマからだ。何だって急に
連絡なんか? (速達を見て驚く)『マーゴットが馬車に轢かれ大怪我』こりゃあ
大変だ。おい、お前さん。後でわしの家に来ておくれ。郵便を頼みたい。
男 はい。
男、去る。
村人A どうしたね?
お爺さん 孫が馬車に轢かれたらしい。すぐに金を送ってやらないといかん。腕の良い医
者を頼まなければ。
村人A まぁ! 何を言ってるんだい。すぐに行かないと。
お爺さん だが、娘に縁を切られているんだ。行っても追い返されるだけだ。わしの顔な
んか見たくないと言われておるんだ。会いには行けない。
村人A そんなこと言って、打ち所が悪くて死んだらどうするんだよ。後悔するよ。連
絡をして来たってことはそれだけ大変なことだってことだろう?
村人B(目があまり良くない)が羊飼い兄に連れられてやって来る。
お爺さん しかしなぁ、
村人B いやあ、大変よ。町のほうで馬車が人を轢いてね、若い子が何人か亡くなった
そうよ。
お爺さん ああ、ああ、そんな、神様……。おお、かわいそうなマーゴット。
お爺さん、ショックを受けふらふらと去っていく。
村人A ヨーゼフ!
村人B どうしたんだい?
村人A 町で孫が馬車に轢かれたんだって。
村人B ええ? それじゃあ……。
村人A なんていうことだろうねぇ。こんなことがあるなんて、あんまりじゃないか。
□照明………暗転(CO)
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
訳あり新聞部の部長が"陽"気すぎる
純鈍
児童書・童話
中学1年生の小森詩歩は夜の小学校(プール)で失踪した弟を探していた。弟の友人は彼が怪異に連れ去られたと言っているのだが、両親は信じてくれない。そのため自分で探すことにするのだが、頼れるのは変わった新聞部の部長、甲斐枝 宗だけだった。彼はいつも大きな顔の何かを憑れていて……。訳あり新聞部の残念なイケメン部長が笑えるくらい陽気すぎて怪異が散る。
人魚奇譚CLARISSA
大秦頼太
児童書・童話
人魚奇譚三部作CLARISSA・ISABELLA・SIRENAをまとめました。
皆さんが知っている人魚とは少しだけルールやなんかが違うと思います。
本来は脚本として使いながら仕上げるのですが、現在はそういった団体に属していないので細かい指示や諸注意などは書き込めておりません。
声劇などで使いたい場合は声をかけていただければ基本的にOKします。
●扉絵は舞台化する場合人魚の両足が使えるように片足がヒレで、もう一方が水や泡を表すというようなイメージ画です。
※海部守は脚本用PNです。
時期がズレて書いていたので、ちょっと繋がりがおかしいところもあるかもしれません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ナイショの妖精さん
くまの広珠
児童書・童話
★あの頃のトキメキ、ここにあります★
【アホっ子JS×ヘタレイケメン
小学生の日常とファンタジーが交錯する「胸キュン」ピュアラブストーリー】
「きみの背中には羽がある」
小六の和泉綾(いずみあや)は、幼いころに、見知らぬだれかから言われた言葉を信じている。
「あたしは妖精の子。いつか、こんな生きづらい世界から抜け出して、妖精の世界に帰るんだっ!」
ある日綾は、大っ嫌いなクラスのボス、中条葉児(なかじょうようじ)といっしょに、近所の里山で本物の妖精を目撃して――。
「きのう見たものはわすれろ。オレもわすれる。オレらはきっと、同じ夢でも見たんだ」
「いいよっ! 協力してくれないなら校内放送で『中条葉児は、ベイランドのオバケ屋敷でも怖がるビビリだ!』ってさけんでやる~っ!! 」
「う、うわぁああっ!! 待て、待て、待てぇ~っ !!」
★ ★ ★ ★ ★
*エブリスタにも投稿しています。
*小学生にも理解できる表現を目指しています。
*砕けた文体を使用しています。肩の力を抜いてご覧ください。暇つぶしにでもなれば。
*この物語はフィクションです。実在の人物、団体、場所とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる