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第4章 更なる戦い
第426話 ゲーム会場へようこそ66
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同行を許された荒谷は、北条と共に今手に入れた鍵に合った扉を探していた。
「そう言えばさ・・・」
北条はにわかに立ち止まると、
「あなたって、この村に来る前に、誰と会ったりしなかった?」
北条からの問いかけに、
「いや」
軽く頭を振って応える荒谷。
「私は気が付いたらなんか洞窟の傍にいてさ・・・」
荒谷はここに来るまでの顛末について軽く説明した。
近くにあった洞窟に足を踏み入れたこと。中で何度かそこの魔物と戦ったことなどだ。
手に入れた「ステルスコート」のことについては、まだ北条には知らせなかった。先ほどの北条ではないが、同じチームメンバーとは言え、この大会に参加させられている以上は最終的には敵となる可能性が高い。まだ信用するには早いと判断したからだ。
なお、荒谷が戸隠達を発見し、隠れて襲撃するのは、ここで北条と屋敷の探索を一旦終えた後でのことである。
「へえ、アンタ、魔物と戦えたんだ・・・てっきり、そういうの不得意そうに見えたけど」
北条の言い方には少々いらだったが、北条自身は特に悪気がないようだった。元々、歯に衣着せぬ発言を行うタイプなのだろう。
ーこいつ・・・元から友達とか少なそうねー
思ったことを何でもずけずけと言ってしまうタイプなら、学校生活でもかなりトラブルは多かったのではないだろうか。
「まあ、魔物と言ってもかなり弱いやつらみたいだったけど」
実際、洞窟の浅い階層に出現した奴らは大したことなかった。これが、今も村の外でたむろしている獣型の魔もの相手だったら楽勝とはいかなかっただろう。
「それなりに場数を踏んでるなら話が早いわ」
北条は立ち止まって荒谷の顔を下から見上げるような姿勢を取る。
「な、なによ・・・?」
突然の北条の行動に、荒谷はなぜかドギマギしてしまった。
なんだかんだ言っても、北条はなかなかの美貌の持ち主で、スタイルも抜群である。ただ、背丈は荒谷よりは低く、モデルタイプ塔よりは小動物的なマスコットキャラ扱いに近い容姿をしていた。容姿だけを見れば人気がありそうに見える北条だったが、何せなかなかの毒舌家である。おそらく決して交友関係は広くはなかっただろう。
「ねえ、もし万が一に」
北条が、荒谷のことを試すかのように瞳を細めて問いかけてくる。その口元にはなぜか薄い笑みが浮かんでいた。
「この屋敷にボス級の魔物が潜んでいるかもしれないとしたら、アンタはどうする?」
「・・・へ?」
突然の北条の問いかけに、なんとも間が抜けた返事をしてしまう荒谷。
ーボスが、ここにいるかもしれない・・・?ー
ボスと言うからには、当然その能力はあの洞窟の魔物とは比較にならないほど高いものなのだろう。
「この屋敷に・・・そんなのがいるっていうの?」
荒谷の問いかけに、北条はすぐには答えてはくれなかった。
「そう言えばさ・・・」
北条はにわかに立ち止まると、
「あなたって、この村に来る前に、誰と会ったりしなかった?」
北条からの問いかけに、
「いや」
軽く頭を振って応える荒谷。
「私は気が付いたらなんか洞窟の傍にいてさ・・・」
荒谷はここに来るまでの顛末について軽く説明した。
近くにあった洞窟に足を踏み入れたこと。中で何度かそこの魔物と戦ったことなどだ。
手に入れた「ステルスコート」のことについては、まだ北条には知らせなかった。先ほどの北条ではないが、同じチームメンバーとは言え、この大会に参加させられている以上は最終的には敵となる可能性が高い。まだ信用するには早いと判断したからだ。
なお、荒谷が戸隠達を発見し、隠れて襲撃するのは、ここで北条と屋敷の探索を一旦終えた後でのことである。
「へえ、アンタ、魔物と戦えたんだ・・・てっきり、そういうの不得意そうに見えたけど」
北条の言い方には少々いらだったが、北条自身は特に悪気がないようだった。元々、歯に衣着せぬ発言を行うタイプなのだろう。
ーこいつ・・・元から友達とか少なそうねー
思ったことを何でもずけずけと言ってしまうタイプなら、学校生活でもかなりトラブルは多かったのではないだろうか。
「まあ、魔物と言ってもかなり弱いやつらみたいだったけど」
実際、洞窟の浅い階層に出現した奴らは大したことなかった。これが、今も村の外でたむろしている獣型の魔もの相手だったら楽勝とはいかなかっただろう。
「それなりに場数を踏んでるなら話が早いわ」
北条は立ち止まって荒谷の顔を下から見上げるような姿勢を取る。
「な、なによ・・・?」
突然の北条の行動に、荒谷はなぜかドギマギしてしまった。
なんだかんだ言っても、北条はなかなかの美貌の持ち主で、スタイルも抜群である。ただ、背丈は荒谷よりは低く、モデルタイプ塔よりは小動物的なマスコットキャラ扱いに近い容姿をしていた。容姿だけを見れば人気がありそうに見える北条だったが、何せなかなかの毒舌家である。おそらく決して交友関係は広くはなかっただろう。
「ねえ、もし万が一に」
北条が、荒谷のことを試すかのように瞳を細めて問いかけてくる。その口元にはなぜか薄い笑みが浮かんでいた。
「この屋敷にボス級の魔物が潜んでいるかもしれないとしたら、アンタはどうする?」
「・・・へ?」
突然の北条の問いかけに、なんとも間が抜けた返事をしてしまう荒谷。
ーボスが、ここにいるかもしれない・・・?ー
ボスと言うからには、当然その能力はあの洞窟の魔物とは比較にならないほど高いものなのだろう。
「この屋敷に・・・そんなのがいるっていうの?」
荒谷の問いかけに、北条はすぐには答えてはくれなかった。
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