テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

日向荘にて（第14話）

　休憩に入る杏里と早苗ー。

　そして、木に吊るされたままその場に残されるニャンドラゴラー。

「・・・あっしはこれからどうなるんでしょ？」

　誰に聞かせるでもなく、そう呟くニャンドラゴラであった。

　二人は既に休憩に入っていて、日向荘の縁側にてガールズトーク及びお茶菓子タイムとなっている。杏里がしばしば心配そうにこちらに視線を向けてくるが・・・彼女にもどうすることもできないようだった。

「あっしも十分反省して、チーム《ユグドラシル》の一員として認められたと思ったのでやすが・・・」

　一旦、早苗によって地中深く埋められたニャンドラゴラであったが、その後やはり可哀そうだということで何とか掘り返してもらい、たっぷりと反省文を書かされた後にチーム《ユグドラシル》の一員として迎え入れらたーはずだった。

「あのニャンコもどきよりも、あっしの待遇が悪い気がするのは、気のせいでやしょか？」

　自らの境遇に大いに疑問を感じるニャンドラゴラ。果たして、彼が自由を手に入れられる日は、いつのことになるのであろうか？

　それは、本人には知る由もなかったー。

ーー

「はい、杏里ちゃん。そろそろ休憩終わりにしようか」

　ガールズトークとお茶菓子タイムもそこそこにして、また訓練を再開しようとする早苗。杏里も、ニャンドラゴラのことがかなり気になっていたので、

「そうですね・・・ニャンドラゴラさんも心配ですし、早く行って様子を見に行かないと」

「大丈夫だよ杏里ちゃん。ニャンドラゴラ君なら、この程度のことなら十分に耐えられるはずだから」

　何でもないかの如くあっさりと告げる早苗に、杏里は困ったような笑みを浮かべて曖昧な返事をするくらいのことしかできなかった。

「あはは・・・」

　とりあえず、先ほどの木のある場所まで行かなくては・・・そう思い、足早に向かうと、そこにはなんと、二人が予想もしない出来事が待っていたのだったー。